パチンコ店の適正軒数は5000軒? 警察の思惑通りにパチンコ店の廃業ラッシュが加速

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◆2年間で10%も減ったパチンコ店の軒数

 2018年の規則改正をきっかけに、そして2020年からのコロナ禍で加速したホールの廃業。所管する警察庁の数字によると、店舗数は2018年末で10060軒と1万軒を超えていたものが2020年末には9035軒と、2年間で1割も減らしている。さらに今年になってからもいたるところで廃業を告知する店舗が見られ、既に8000軒台になっているのは確実だ。

「行政は確実に指導、監督できるホール数を今の半数程度だと考えていると聞きます。つまりホールは5000軒くらいが適正数だと考えていて、それくらいの数に誘導したいという噂はかねてからありますね」(業界誌記者)

 こうした話があるだけに、コロナ禍という不測の事態によるところが大きいとしても半ば警察の思惑通りに事が進んでいるといえるのかもしれない。ただしコロナ禍で廃業ペースが意図しないほど加速したのは、本来なら今年の1月末には完全撤去されていた旧規則機(パチンコのCR機、パチスロの5号機)の設置期限を1年延長するという緩和措置を行うほど、行政側にとっては想定外だったともいえるのではないかだろう。

◆廃業するホールの大半は中小

 ここ数年で廃業しているホールは、そのほとんどがいわゆる中小ホール。単店と呼ばれる1店舗だけの法人や地場法人などといわれる近隣エリアで数店舗を展開しているようなところは元々の経営体力が弱く、コロナによる稼働低下や旧規則機撤去による入れ替え経費の増大に耐え切れず、廃業を選択せざるを得なくなっている。

 それでも利益を上げていた店舗、また立地条件がいい店舗については大手ホールへ売却し、金銭的にある程度の余裕を持って撤退することができるが、そうでなければ地方の街道沿いで見られるような廃墟として放置されることにもなる。

◆中小ホールを買い漁る大手チェーン

 中小の淘汰は、大手にとってチャンスにもなる。コロナ禍のなかでも出店を続けているのは大手ばかりで、前述のように繁華街の駅前にある中小がいつの間にか大手の看板を出して新規オープンしている例は少なくない。そしてオープンからしばらくは玉を出し、近隣ホールから客を奪って地域の市場を独占。

 稼働が落ちたライバル店が玉を出せる余裕がなくなってから、回収というのがありがちなパターンだろう。ライバル店が廃業した後は一気に出なくなるというのはファンの間でも知れ渡ったといえる話ではあるが、それでも残ったホールしか選択肢がない以上は「どうせ出ないから」といいつつも、足しげく通ってしまうのがファンの習性だ。

◆都内にはホールがない地域も

 ただし現在は残っているホールでさえ厳しい状況に追い込まれているのが現実で、今年に入ってから都内ではホールが1軒もないというエリアも増えている。また中小でも、老舗といわれるようなところもどんどん撤退しており、個人的に若かりし頃に通った店がなくなるのには寂しささえ感じるというのが率直な気持ちである。

 子供の頃に通った遊園地がなくなることを悼む人は多いが、パチンコ・パチスロファンにとって思い出のあるホールの廃業はそれと何ら変わらないのだ。ただなくなるからと聞いて遊びに行くかといえば、一定の料金を払えば確実に楽しませてくれる遊園地とは違い廃業寸前のホールに出玉を期待するだけ無駄であり、また当時を懐かしむような機種もなくなっているだけに、なかなか難しいといわざるを得ないのだが……。

<文/キム・ラモーン>

【キム・ラモーン】
25年のキャリアを持つパチンコ攻略ライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞など幅広い分野で活躍する。

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