大谷翔平の恩師、栗山監督「翔平がベーブ・ルースと比較されたことが嬉しかった」

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◆遂にゴジラ松井を越える一発を放った大谷翔平

 先発して7回を投げたナイター明けのデーゲームで、勝ち越しホームランを放った今日の大谷翔平。直近20試合で15本目のホームランとなった一発は、松井秀喜氏の持つMLB日本人年間最多ホームラン(31本/2004年)を超える今季32号となった。

 今から遡ること7年前。プロ入団2年目、当時二十歳の大谷翔平がプロ野球史上初となる"二桁勝利・二桁本塁打"(11勝10本)を記録した。その軌跡と挑戦を刻んだ「大谷翔平 二刀流 その軌跡と挑戦」を制作した取材班が、当時の証言を振り返りながら、27歳の大谷翔平を語る。

 今回は栗山英樹監督(北海道日本ハムファイターズ)の証言を交えながら、ゴジラを超えた大谷の入団当初のエピソードとベーブ・ルースを語ってみたいと思う。

◆ファイターズ入団は栗山監督の存在が大きかった

「高校時代の無名な僕を知ってくれていた栗山さんが監督のチームなら……」

 卒業と同時にアメリカ行きを表明していた大谷翔平が、自らの夢を翻し、ファイターズ入団を決断した理由のひとつには、栗山英樹監督の存在があった。

 取材当時、栗山監督は大谷について「正直、アメリカに行く気満々だった」と語っていた。しかし一転、栗山監督は球界の宝を預かる身となったのである。二刀流を大前提として「翔平の身体を壊さない」ことを方針に掲げ、「大谷翔平を日本ハム大学に預かった」つもりでメジャー移籍までの5年間を費やし、二刀流の礎を築き上げた指揮官だ。

「翔平は正直、高校ではピッチャーとして結果を残せなかった悔しさを持ってプロに入ってきた男。でも投球フォームはバタつかないし、大柄な割にはまとまっていたから1年目の合同自主トレでキャッチボールを見たときから、大丈夫そうだなとは思ってた」

 と語るように、すでにプロ入団時点で投手としての資質には太鼓判を押していたのである。では打撃に関しては、当時の大谷をどう見ていたのだろうか。

「バッティングに関しては、入ったときから言うことはなかった。コイツ誰に教わったんだ? っていうレベルで(笑)。オレと同じ左打ちとして、とても好きなタイプの選手でした。最短距離でバットを出すし、テイクバックがある程度大きくて、割れ(※グリップがトップの位置に)がバッと入る“プロで打てる打ち方”をしてましたから」

 打撃も投球同様に「完成していた」というわけである。

◆二桁勝利・二桁本塁打を達成しベーブ・ルースに近づいた2014年

 プロ2年目の2014年にプロ初完投・初完封を含む11勝4敗、投球回数155.1、179奪三振、防御率2.61。打っては58安打、10本塁打、打率.274と一気にブレークした大谷は、前年の3勝0敗、投球回数61.2、46奪三振、防御率4.23。45安打、3本塁打、打率.238を大きく上回った。メジャー移籍を見据えた二刀流アスリートが、揺るぎない自信を覚えたシーズンとなった。

 ファイターズ時代、滅多なことで大谷を褒めることのなかった栗山は、大谷がベーブ・ルース以来となる"二桁勝利・二桁本塁打"を達成した直後に、こんな喜びのコメントを残していた。

「(大谷の入団から)この2年間を振り返って、唯一嬉しかったことは、翔平がベーブ・ルースと比較されたこと。ベーブ・ルースは成績もすごいけど、それ以上にプロ野球の面白さを世に知らしめた人。そういう人と翔平が比較されるようになったのが、嬉しかった。

 よく翔平には言っていたんだけど、『他人と比較されているうちは全然ダメ。他人と違うことをやっているんだから』ってね。ところがベーブ・ルースが比較対象になったとき、翔平が日本人として誰とも違う道を歩み始めた気がした。それに関しては、ちょっとだけ嬉しかったね」

 大谷が11勝・10本塁打を達成し、ベーブ・ルース以来96年ぶりとなる大記録を達成した2014年、アメリカでは国際的な影響力を持つ「ウオール・ストリート・ジャーナル」で見出し付きの記事が躍った。

◆ベーブ・ルースを越える日は近い

 メジャー4年目の大谷は、前半戦だけで投打の主要カテゴリのほとんどでキャリアハイを更新中だ。中でも13本塁打を放ち、月間MVPを獲得した6月の活躍は、コロナ禍で混沌とする日本、そしてアメリカを明るく照らす大きな話題となった。初の二桁勝利・二桁本塁打を達成してから7年。今季の大谷はここまで13試合に先発登板して、松井秀喜氏の記録を超える32本塁打を記録した。まだオールスター前だというのに……。

 先週、アメリカでは大谷とベーブ・ルースの名が並ぶ報道が散見された。「大谷翔平はベーブ・ルースではない。彼の方が優秀だ "Shohei Ohtani Isn't Babe Ruth—He's Better"」と最大級に評価した特集も組まれた。

 1918年に19先発で11本塁打、翌19年には15先発で29アーチを放ったベーブ・ルースを前半戦だけで上回った大谷翔平は、27歳の誕生日から一夜明けた昨日のレッドソックス戦で7回2失点の好投を見せ、今季4勝目を挙げた。

 投げては本拠地8先発での防御率を1.87まで下げ、メジャー最多の32本塁打を放った大谷翔平はいま、確実にベーブ・ルースに近づいている。

文/SPA!大谷翔平二刀流取材班


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  • 7/8 12:30
  • 日刊SPA!

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