≠ME冨田菜々風、高いパフォーマンス力に秘めたアイドルとしてのポテンシャル

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なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
≠ME 冨田菜々風 後編

 これまでこの連載では様々なセンター経験者を見てきたが、意外にもボーカルとしての能力が評価されてセンターに選ばれたというケースは多くはない。つまりセンターには歌唱力が要素としてそれほど求められていないことを意味している。

 指原がプロデュースしている2つのアイドルグループ(=LOVEと≠ME)は総じて歌唱力を含めた高いパフォーマンスが求められている珍しいケースと言えるだろう。その中で≠MEの世界観を構築する重要なポジションに位置し、グループ随一のパフォーマンス力を誇っているのが冨田だ。

 冨田の歌声を初めて聴いたのは初のライブとなった『TOKYO IDOL FESTIVAL 2019』。初めてにも関わらずグループは完成度の高いパフォーマンスを披露し、中でも冨田の圧巻のソロは会場の空気を一気に変えてしまえるほどのポテンシャルを感じさせ、高いアイドル性を証明していた。

 2021年6月に開催された単独コンサート『≠ME 1stコンサート~初めまして、≠MEです。~』ではソロ曲『空白の花』のワンコーラスをアカペラで堂々と披露。初披露にも関わらず、一瞬で会場を静寂へと包み込むその佇まいは歌姫としての存在感を放っていた。

 ≠MEの楽曲は、『≠ME』『君と僕の歌』『秘密インシデント』など青春の切なさを感じさせる爽やかな王道アイドルソングが多い。そのような楽曲群と絶妙な相性を見せ、≠MEの世界観を作り上げているのが冨田の歌声だ。身を振り絞るかのような力強くも儚い歌声は大きな武器となっており、冨田を特徴づけるものとなっている。

 特に彼女のポテンシャルを強く感じたのが、ソロ曲としてリリースされた『空白の花』だ。指原が「“今”の声で書きたい曲だった」と話す同曲は渾身のバラードとなっており、ピュアで繊細な歌声がストレートに響いてくる。また、大人びたダンサブルなナンバー『P.I.C.』では、キレのあるダンスと凛々しい表情でこれまでとは違った一面を見せつけていた。歌声だけではなく、ダンスや表情に至るまで卓越したパフォーマンスで魅せられるのが冨田の強みである。

 こうした冨田のパフォーマンスにメンバーの谷崎早耶は「パフォーマンスがホントにカッコいいんですよ。菜々風がセンターとして引っ張ってくれるおかげで≠MEが引き締まるというか、みんなも菜々風に追い付けるように歌やダンスをがんばっています」と絶大な信頼を寄せている(引用:『Fanthology!』)。

 それに答えるように冨田もまたパフォーマンスでグループを引っ張っていきたいと話しており、この関係性はグループに良い循環を生んでいるようだ。

 聴き手の感情を揺れ動かすパフォーマンスで≠MEのセンターに立ち続ける冨田。そんな彼女が憧れのアーティストとして三浦大知、共演したい人物に平手友梨奈と、表現者として優れたアーティストを挙げているのも興味深い。結成からおよそ2年半で急速に成長を見せており、これから先冨田がどのようなアイドルへと成長していくのか楽しみな存在だ。類まれなパフォーマンス力でアイドル界に新風を吹き込んで欲しい。

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  • 7/7 17:00
  • 日刊大衆

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