尾上松也、やらかした銀行マン役に「僕が最近失敗したのは洗濯です」

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 歌舞伎界の若手ホープにして、ドラマ『半沢直樹』やバラエティ番組など、ジャンルを超えて活躍している尾上松也さんにインタビュー。現在、映画初主演を務める『すくってごらん』が公開中です。

 片田舎の町に左遷された銀行マンの香芝(松也)が、金魚すくいと、どこか影のある美しい女性・吉乃(百田夏菜子)に出会って成長する姿を、歌やダンス、そして和の世界を斬新な映像で映し出した、新感覚エンターテインメント作品です。恋物語の一面も持つ本作にちなみ、松也さん自身の好きな女性のタイプや、松也さんが感じているエンターテインメントの力について聞きました。

◆ショートヘアの女性にドキッ

――色んな側面のある映画ですが、香芝の恋心も描かれています。香芝が吉乃さんに惹かれたのはなぜだと思いますか?

尾上松也さん(以下、松也)「香芝は東京で見栄やプライドに縛られて生きてきた人間です。それが、ある種の異世界といえるあの町で、自由に生き、何をして楽しむかが重要だと考え生活している人たちに出会って感化されていきます。そのなかで、香芝の抱いていた息苦しさとは違うのですが、ひとり吉乃だけが、どこか苦しんでいる感じがあった。そこにシンパシーを感じたのかなと。

 香芝はそんなことを考えて好きになったわけではないと思いますが、一歩引いた目でみるとそうなのかなと思います。そして、香芝自身があそこで成長できたからこそ、吉乃さんのことも、なんとかしてすくってあげたいと思えるようになったのではないかと感じています」

――松也さんご自身はどんな女性に惹かれますか?

松也「僕個人ですか。うーん。難しいですね。結局、実際にお付き合いしてみないと分からないですし(笑)。単純に見た目で惹かれるのはショートヘアです。髪の長い女性が急に短くしたりすると、それだけで気になってしまうところはあります。居心地がいいと感じるのは、愛情表現豊かな方かな。僕が割と愛情表現をするほうなので、相手にもそうしてほしいです(笑)」

◆歌舞伎以外の仕事に挑戦して得られていること

――香芝はあの町に行って成長しました。松也さんが、歌舞伎以外の場所に出て行って、実際に得られていると感じることは?

松也「やはり世界が広がることです。歌舞伎界というのはとても特殊な世界で、だからこそ表現できている世界観があります。とても狭い世界で共有しやすい部分が多いからこそ、毎月のお稽古期間が短い中でも一緒に舞台を作っていかれますし、対応できる力がある。

 価値観は人によりけりですが、僕のようなタイプは、歌舞伎以外の場所へ出ていき、そこで毎回の現場がほとんど初対面という、スタッフさんや共演者の方とお芝居をすることで、その都度、解放感と緊張感を覚えます。そこで得られた感覚を、歌舞伎に戻ったときも忘れないようにしていますし、自分のなかでいい影響が出ていると思っています」

――昨年の出演ドラマ『半沢直樹』も大変な反響がありました。違う分野に出ていくことで、ファンが増えたりといったことは実感しますか?

松也「『半沢直樹』などを観てくださって、歌舞伎も観たいと思っていただいたという方も確かにいらっしゃいます。ですが一番はっきりと感じたのは、ミュージカルに出演したときです。意外と同じ舞台でも、これまで歌舞伎は観たことがなかったという方が多かったようで、僕の出演したミュージカルを観たお客様が、歌舞伎も観たいと実際に足を運んでくださいました」

◆最近やらかした家事の失敗

――香芝は失言で左遷されましたが、松也さんが最近やってしまった失敗は?

松也「やらかしですか。いろいろありますけど、洗濯ものを洗い終わって、『あ、終わったな』と思いながら、別のことをしていて、そのまま寝てしまって、朝に、『あ!』と気づくという。洗濯機の蓋のところが水滴だらけになっていて、『うわー』と思いながらもう1回洗い直す、というのはよくやります(笑)」

――家事は得意なほうですか?

松也「いや、別に得意ではないです。必要最低限のことをするくらいですね」

◆エンターテインメントが人に与える力

――町へ来て変わった香芝は、吉乃さんをすくおうとします。「人のため」というキーワードから浮かぶことはありますか?

「誰かのためというか、昨年の自粛期間に、エンターテインメントが人に与える力を再確認しました。僕自身も、多くのエンターテインメントも、お客様がいてこそ成立するものですが、日々の忙しさのなかで、ひとつひとつのお仕事にとにかくベストを尽くしながらも、その意義を立ち止まって考える時間はありませんでした。

 お仕事から離れて家で自粛期間を過ごしたあの時、結局何をしたかというと、テレビを観たり、映画を観たりと、エンターテインメントに触れていました。それがなかったら乗り越えられていなかった。自分のお仕事の意味、エンタメの重要性を感じました」

――「エンタメ」が人のすくいになっていると。

松也「人が生きていくうえでのエンタメの占める割合の重要さを感じましたね。具体的にいえば、僕はあの期間を、『ゲーム・オブ・スローンズ』を観て乗り越えました。あんな世界的な大作でなくとも、今まで僕の出演してきたドラマや舞台、この『すくってごらん』で、たとえひとりでも、勇気づけられたり、楽しんでいただける方がいれば。僕にとっての『ゲーム・オブ・スローンズ』のような存在になれたとしたら。とても誇らしいと思いましたし、改めて頑張りたいと思いました。

 それから、少し話が変わりますが、『人のため』というか、歌舞伎の伝承ということでいうと、僕自身、まだまだ修行中での身ではありますが、後輩に伝えることで、自分自身が気づくことが多いです。人のために何かをするということは、自分のためにもなるのだなと、最近よく感じています

(C) 2020映画「すくってごらん」製作委員会 (C) 大谷紀子/講談社

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

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