パチプロからFXに転向、10億円稼いだトレーダー「大衆の心理を読み“期待の逆”をいく」

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ビットコインだけじゃなく、FX界も今年は波乱の幕開け。予想外の相場に翻弄されているFXトレーダーたち。だが、そんな波乱の相場でも着実に稼ぎ続けている専業トレーダー歴12年のためため氏。「秒の呼吸」を操るスキャルパーとは?

◆3か月連続で月間利益が億超え。大衆の期待を裏切る「帯トレード」

「今決済しました。1100枚(1100万通貨=12億円相当のポジション)積んで、1pips抜いたので利益は10万円くらい。もう少し伸ばしたかったけど、話しながらだと集中できへんので」

 そう言いながら取材中にもトレードを繰り返すのは、専業トレーダー歴12年のためため氏。FXで稼いだトータルの利益は昨年、10億円の大台を超えたという。

◆コロナショックでも単月利益が1億円超え

「昨年2月くらいからボラ(ボラティリティ=変動率)が出て稼ぎやすくなりました。コロナショックでドル/円が暴落した3月からは3か月連続で単月の利益が1億円を超えたし。今年はボチボチですかね。3月も億には届かへんかったけど、8000万円くらい稼げました」

◆超短期のスキャルピング

 年収でも驚きなのに……月収が8000万円! もはや嫉妬する気も失せるほど荒稼ぎしているためため氏が得意とするのは、数秒から数分で決済する超短期のスキャルピング。ボラティリティの大きな相場ほどトレード機会が増え、時には一日に300回以上売買することもあるという。

「秒で決済することもあるし、たまに1時間以上持ったりもしますが、取引の99%は10分以内に決済してますね。チャートにはテクニカル分析はまったく表示させず、ローソク足に全集中。時間軸は1分足とティック(時間単位でなく注文の約定ごとにバーが表示されるチャート)がメインです」

 1分足チャートを凝視し、値動きの“勢い”に注目しながら売買を繰り返すのが一般的なスキャルパーのスタイル。だが、ためため氏は週足、日足という長期のチャートも欠かさずチェックするという。

「今日は一日上げるのか、下げるのかを、長期のチャートで分析して、その方向に沿ってトレードするよう心掛けてます。例えば、大き目の陰線の翌日に、その下げ幅を打ち消すほどの陽線ができたら、買い方が強いのは明らか。次の日は売り方の“手じまい買い”が発生して上げるだろうと考えられる。そうしたら、4時間足、1時間足とチャートをチェックしていって、その日のターゲットとなる価格帯を探す。そこに到達するまで買い目線で売買を繰り返すんです」

◆無視しがちなファンダメンタルズもチェック

 週足、日足などと合わせて、スキャルパーが無視しがちなファンダメンタルズもチェックしている。

「ボラが出たときに、その背景を理解しているかどうかは結構、大きな違い。例えば、5月17日にはFRB(米連邦準備理事会)のクラリダ(副議長)の講演がありましたけど、期待と裏腹にテーパリング(金融緩和の縮小)について、何もしゃべらへんかった。当然、ドル/円は動きませんよ。すると、『ボラが出るにはまだ材料が足らへんのやな』と理解できて、落ち着いてトレードできる」

◆「大衆の期待」が砕かれる価格帯を見極めよ!

 ただし、最も重視しているのはチャートから垣間見える「大衆の期待」だ。

「直前の安値を割り込んで下落すると、大衆は『もっと落ちろ』と祈りながら売っていくもの。でも、その祈りが砕かれるときがある。わかりやすいのは、一旦直前の安値まで戻すパターン。大衆は『もう一度下げろ!』と期待して戻り売りを入れるけど、下げ切らずに揉むと、メチャクチャ焦りますよね? こういうときが絶好の買い場。祈りが砕かれた瞬間に、手じまいの買いが発生しやすいから、直近高値まで戻してきたら一気に上にハネやすい。大衆が裏切られて、売りと買いの優位性が逆転する価格帯というものが相場にはある。その価格帯を狙うことを『帯トレード』なんて呼んでます」

 当然、ためため氏も「お祈り」はしない。利確は素早い。

「『帯』を上に抜けたら上昇が加速しやすいので、ティックを見ながら勢いが弱まってきたら利益確定。勢いが続いても、レジスタンスとして機能しそうな高値水準に到達するタイミングでは利益確定する。『まだ伸びる』と期待してしまったら、自分も大衆と同じ心理状態になってしまうので。高値・安値を切り上げながら階段状に値上がりするチャートでも、早めに決済する。綺麗に安値を切り上げるチャートでは、“売りが溜まる”ポイントがないので」

 淡い期待は禁物。損切りの決断になると、さらに早い。

「予想と逆に行ったら1pips以内で切ることがほとんど。トレードする場面によって変わりますけど、1分足レベルのトレンドを『初動・継続・ブレイク』の3つに分けると、初動とブレイクほどボラが出やすいので損切りは早めにします。一方で、『継続』の局面では短期的に上下動しやすいから、自分のポジションに対して多少逆方向に振れても損切りせずに握り続けることが多い」

◆取引する時間帯も重要

 ボラティリティ命のスキャルピングでは取引する時間帯も重要だ。

「3つの時間帯に分けています。朝は東京市場が動き出す9時前から9時55分の仲値決めを見て、早ければ10時過ぎには休憩。夕方は15時前からヨーロッパが始まる17時、18時頃までトレード。夜はNY市場がオープンして経済指標が出る前の21時からロンドンフィックス(ロンドンの仲値決め)が終わる0時過ぎまでトレードする。子供のサッカーコーチをしているんで、夕方は活動休止中やけどね」

 イクメントレーダーによる「大衆の期待」を裏切る仁義なき帯トレード、ぜひお試しを!

◆パチプロからFXに転向

●ためため氏 FX歴12年
大学在学中、パチスロにハマって中退。パチプロとして暮らすも規制強化でFXに転向。勝てない時期も奥さんの支えで乗り越え億超え。20年3月から3か月連続で月1億円を超える利益。2児の子育てとトレードもこなすイクメントレーダー

★必殺技
全集中・秒の呼吸「帯トレード」

★トレード通貨
ドル/円(稀にスプレッドの狭い他の通貨ペアを触ることも)

★資産・成績
総利益12.6億円

★使用テクニカル
サポート、レジスタンス、ティックチャート

★SNS
@tametame0619

◆ためため流 FX3か条

★大衆の心理を読み“期待の逆”をいく

★初動・断続・ブレイクを意識してスキャル

★相場が動く時間に取引を全集中

取材・文/¥SPA!編集部 図版/ミューズグラフィック チャート提供/TradingView

―[億超えFX神5人衆]―


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