モテ部屋の作り方をインテリアのプロに聞く。秘訣はボタニカル(植物)、アート、匂い

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 コロナ禍でおうち時間が長くなったことで、おしゃれなインテリアや家具を揃えて家の空間を素敵に飾りたい、異性から絶賛されるモテ部屋に変身させたい……と考えを巡らせる人もいるのではないだろうか。

 だが実際には何から始め、どのようにインテリアをコーディネートしていけばいいのか。見当もつかずに、なかなか一歩を踏み出せないインテリア初心者も多いはず。

 フジテレビ系月9ドラマのインテリア監修やホテル、レストランなどの空間プロデュースを数多く手がけてきた小澤良介さん。もともと家具ECを手がける会社の創業者でもあり、インテリアや家具選びに関しては秀でた審美眼を持っている。

 おしゃれで居心地の良い空間づくりのコツや、初心者が抑えておくべきインテリアコーディネートの考え方について、小澤さんに話を聞いた。

◆ボタニカル(植物)、アート、匂い。これだけで空間は格段に変わる

 まず、直近のインテリアトレンドについて小澤さんは「ボタニカル(植物)はキーワードになっていて、インテリアを考える際には外せない」と話す。

「部屋の空間に、グリーンの植物を置くだけで雰囲気が変わります。家にいるライフスタイルが長くなってくると、どこかで癒しを求めたくなるわけですが、人間が本当に癒しを得られるのは、川や森などの自然からなんです。デジタルが普及した世の中でも、大自然に身を置くだけで気分が癒されるように、普段の生活に緑を取り入れることで、安らぎや癒しをもたらしてくれる。だからこそ、ボタニカルのインテリアが流行っているんです」

◆空間をバージョンアップさせる3つの要素

 また、ボタニカル含めて既存の空間をバージョンアップさせる3つの要素があるそうだ。

「インテリアコーディネートというと、どうしてもインテリアや家具の方に目が行きがちですが、『ボタニカル』『アート』『匂い』の3つを意識するだけで、洗練されたおしゃれな空間になります。

 人間の嗅覚や視覚が安定し、部屋で過ごすだけで平穏な気持ちになれたり、心に余裕が持てたりと、空間演出には欠かせない要素です。しかし、『どんな家具を配置しようか』という考えが先に立って、この3つの要素を忘れてしまっている人が多い。

 もちろん、部屋の主役はテーブルやソファーなどの家具でいいのですが、より主役を引き立たせるためにはボタニカルやアートなどの脇役の存在が重要なんです。さらにJazzなどの音楽もバックサウンドとして部屋に流せば、よりムーディーな空間を演出できると思います」

◆一生ものとして購入する主役の家具は予算をかけるべき

 主役となる家具をまずは決め、そこから周辺のインテリアや照明を揃えるほか、雰囲気にそぐうような観葉植物や花、アート作品、ルームフレグランスをチョイスしていくことで、部屋のおしゃれ度が磨かれていくのだろう。

 では、主役となる家具はどのような場所で購入すればいいのだろうか。

 小澤さんは「アンティーク家具が並ぶ中古家具屋で購入するのがオススメ」とし、家具選びのコツについて説明する。

「メルカリなどで中古家具を探すのもいいですが、私の場合は中古家具屋を巡って1点もののアンティーク家具を選びますね。なんというか、事前に下調べするよりも、家具との“一期一会の出会い”を大事にしています。

 目黒通りにある『SoneChika(ソネチカ)』というお店は、掘り出し物やおしゃれな中古家具を色々と探せるので個人的に好きな所ですね。アンティーク家具って、金銭的に値が張りやすいものではありますが、部屋の目立つ場所に置く主役級の家具を選ぶのであれば、一生ものとして捉え、ある程度お金をかけていいと思っています。

 主役の家具に思い入れを持つことで、『おしゃれでいい部屋を作ろう』というモチベーションに繋がり、素敵な空間を維持しようという気持ちが湧く。いわゆる“モテ部屋”を作るのであれば、まずは自分の想像する空間にふさわしい主役の家具を選ぶところから始めるといいのではないでしょうか」

◆単一の色で揃えない

 他方、小澤さんの自宅を見てもわかるように、アンティーク家具によらずデザイナーズ家具や北欧家具、ファストインテリアなど様々なジャンルを織り交ぜ、それぞれのいい部分をうまく調和させるのが肝になるという。

「注意したいのは、単一の色で揃えないこと。黒のソファを買ったからと、他も全て黒で統一するのは素人感が出てしまう。バランスよく様々な色味やテイストの家具を配置すると、空間に濃淡をつけられます。

 また、家具選びのポイントとして『100年後のアンティークをイメージする』ことですね。要は家具って、一度使ってしまえば『中古品』になるわけで、使えば使い込むほど味が出てくるような家具かどうかを選ぶ基準として持っておくといいでしょう」

◆高級家具のショールームやSNSを参考に、作りたい空間をイメージする

 インテリア初心者の中には、自分がどんな空間を作ればいいのか想像できない場合もある。そんなときは、手に届かないようなハイエンドの家具をショールームやお店まで見にいくとイメージしやすいそうだ。

「高級家具ブランドのショールームはインテリアセンスの宝庫。空間づくりや世界観の見せ方など作りたい部屋をイメージするのにとても参考になります。また、おしゃれなカフェやホテルなど、気になる空間は写真に残しておくと、いざ家具を購入する際に店員へ『こんな部屋を作りたい』と伝えられます。

 また、リアルで実際に目で確かめなくても、SNSなどでもイケてる空間はいくらでも探せるので、自分の目指す空間のイメージを固めてから家具選びをしていくのが理想です」

◆モテ部屋作りの前に住環境を整えることが先決

 しかし何より、住む地域に馴染めていて、その地に溶け込めているかどうかが大切になってくるという。

「部屋単位でインテリアコーディネートや家具選びをするのではなく、ライフスタイルを送る住環境ありきで考えるといいと思います。日照りが入る部屋を選んだ方が、自然光が入って気分も明るくなりますし、居心地の良い空間が自然と作りやすくなる。

 日々暮らす生活の中で、自分の部屋の空間を際立たせるためには、インテリアなどの視覚的要素だけでなく、住環境全体に目を向けて居心地の良さを追求していければ、ワンランク上の住まいづくりができるでしょう」

 最後に、これからモテ部屋作りに励むインテリア初心者に向けてのメッセージを小澤さんに聞いた。

「仕事や団欒など、普段何気なく過ごす部屋はまさに、生活の起点となる重要な空間と言えます。自分の身の丈に合った家具をベースにインテリアを揃えるとともに、初めは少しでもいいので緑やアートを取り入れる。また、気分が落ち着くルームフレグランスを香らせてみる。さらに余裕があれば、アンティークとモダンなインテリアを混在させ、空間美を引き立たせるように工夫することで、いつもの空間が様変わりします。ぜひ、できることから始めてみてください」

<取材・文・撮影/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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