コロナ禍、英国や豪州で変異株が拡大 米経済改善でドル買い強まる?(7月5日~9日)【株と為替 今週のねらい目】

ドル円相場は、ドル買いが強まるかもしれない。米国の経済指標が改善傾向にあることや金融政策の正常化に向けたテーパリング(量的緩和の縮小)への期待感が高まっている。

そうした一方で、英国やオーストラリア、南アフリカなどで新型コロナウイルスの変異株の感染が拡大している。なかでも、ユーロ圏で感染拡大した場合は世界的な景気回復が大きく後退しそう。東京五輪・パラリンピックの開催を控えた日本国内への波及も懸念される。どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

東京株式市場 株価2万9000円上抜けず......

日経平均株価予想レンジ:2万8000円~2万9300円

2021年7月2日(金)終値 2万8783円28銭

今週の東京株式市場の日経平均株価は、引き続き、上値の重い展開か。

前週の日経平均株価は、下落した。日米を通じて、明確な株価支援材料に乏しい状況になっており、2万9000円に近づくと、非常に頭の重い状況になった。

今週の日経平均株価は、引き続き上値の重い展開か。株価にとっては好悪材料が混在している。米国の6月の雇用統計が市場予想を上回るなど、経済指標には改善が見られるが、一方では米国の金融政策正常化に向けたテーパリング(量的緩和の縮小)に関する懸念が強まっている。

国内に目を転じると、日銀短観が改善しており、景気回復への期待が高まっている半面、新型コロナウイルスのワクチン供給の遅れにより、ワクチン接種の進行が停滞する懸念が高まり、東京オリンピック前後に再び、感染拡大の波が来るとの警戒感も高まっている。また、需給面ではETF(上場投資信託)の分配金調達のための換金売りが懸念されている。日経平均株価は当面、2万9000円を明確に上抜けるのは難しそうだ。

東京外国為替市場 ドル111円台で底堅く

ドル・円予想レンジ:1ドル=110円30銭~112円30銭

2021年7月2日(金)終値 111円04銭

今週の外国為替市場でドル円相場は、堅調な展開か。

前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米国の6月の雇用統計が市場予想を上回るなど、経済指標が改善していることで、リスク選好のドル買い・円売りが進み、一時1ドル=111円台半ばまでドル高が進んだ。

今週のドル円相場は、堅調な展開となりそうだ。米国の経済指標が改善傾向にあることに加え、米国の金融政策の正常化に向け、テーパリング(量的緩和の縮小)への期待感がドルの支援材料になっている。

1ドル=112円に近づくと実需や利益確定のドル売りが予想されているため、ドルの上値は重そうだが、1ドル=111円を中心とした底堅い動きが予想される。

経済指標は、国内では5日に日銀支店長会議、6日に5月の家計調査と毎月勤労統計調査、7日に5月の景気動向指数、8日に5月国際収支、6月の景気ウォッチャー調査、9日に7月限オプション取引特別清算指数算出(SQ)などが予定されている。

海外では、6日に米国の6月ISM非製造業景況指数、7日に米FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨(6月15~16日開催分)、9日に中国の6月の消費者物価指数と生産者物価指数などが予定されている。

(鷲尾香一)

2021/7/5 7:00

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