東京五輪の開会式で「翼をください」を歌う説。「エヴァ?」とネットざわつく

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 開幕まで1ヶ月を切った東京五輪。観客の有無や海外選手団に対する感染水際対策など、様々な課題を抱えた状況に国民の不安は募る一方です。

◆会場から音が漏れていた、とのツイートが

 そんななか、日刊ゲンダイニュース記者によるツイートが一部で話題を呼んでいます。開会式のリハーサルが行われている国立競技場から、合唱でおなじみの「翼をください」が聞こえてきた気がする…というのです。「この大空に 翼を広げ 飛んで行きたいよ」というサビの、あの曲です。

 これに、多くのネットユーザーが反応。なかでも、同じくこの曲が使われた『エヴァンゲリオン新劇場版:破』に絡めたツイートが相次ぎ、やはりクールジャパンを意識した演出がなされるのだろうかと推察するコメントも見受けられました。

◆長野五輪で歌われた、東京五輪でもありえるかも

 他方、「翼をください」が過去のスポーツイベントで歌われてきた歴史もあります。サッカーワールドカップフランス大会(1997年)のアジア予選で応援歌として歌われたのに始まり、翌年の長野五輪でも歌手・山本潤子さんがこの歌を披露しました。山本潤子さんは、1971年に「翼をください」を大ヒットさせたフォークグループ「赤い鳥」のヴォーカルです。

 東日本大震災からの復興イベントでも多く歌われてきたのもあり、もしも本当に「翼をください」が“復興五輪”を掲げる東京五輪でも歌われるのだとすれば、様々な文脈から最も収まりのいい曲としてファーストチョイスになったのだろうと思われます。
 あくまでも、もし万が一本当に「翼をください」が歌われてしまうのだとしたら、という前提ではありますが。

https://youtu.be/1WVrnbd66Zo

 しかし、腐ってもオリンピック。一応、全世界に配信される国際的イベントであると考えると、「翼をください」はあまりにも内向きなチョイスと言えないでしょうか。
 確かに、オリンピックと日本の歴史的、文化的、社会的状況を結び合わせる最適解だったとしても、しょせんは日本語という障壁に守られていなければ理解されない演出だからです。ネット上でも「合唱コンクールか!?」といったツッコミの声が散見されました。

◆世界の人は感動するのか?

 たとえば、これが「友よ ほんとうの空に とべ!福島国体」の開会式で歌うのであれば、完全無欠の100点満点の選曲なわけです。日本人による日本人のための、ごく限られた日本人にしか興味のないイベントでやる分には、何の問題もない。

 しかし、夏のオリンピックとなると、向けられる視線がその比ではありません。しかも、すべてが好意的に見ているわけではなく、スキあらば日本の弱点を洗い出そうとする批判的な視線を覚悟する必要もあるでしょう。
 そうした無数の冷徹な他者を前にして、「翼をください」の大合唱は、あまりにもナイーブなのではないかと、かなり心配になります。

◆まさか反権力のメッセージ…じゃないよね

 時節柄、反戦や権力の横暴に対する抵抗のメッセージが込められているのだとしても、楽曲自体がドメスティックである限り、スムーズに意図を汲めるのは日本人しかいない。曲を知っているか知らないかの差は、それほどに大きいのです。
 そうした偏差に気づかないのだとすれば、残念ながらインターナショナルとは程遠い感性だと言わざるを得ません。まあ、“おもてなし”どころじゃない状況なんですけどね。

 開催決定から8年。今のいままで壮大なグダグダ絵巻を見せられてきた感は否めません。だからこそ、そんな現実から一瞬でも目を背けたい。ああ、自由に空を飛びたい。多くの国民の正直な感想なのではないでしょうか。
 そう思うと、「翼をください」もアリだったりして。

<文/音楽批評・石黒隆之>

【石黒隆之】
音楽批評。カラオケの十八番は『誰より好きなのに』(古内東子)

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この記事のみんなのコメント

3
  • トリトン

    7/4 14:05

    オリンピックに行った連中が歌ってみんな感染するとか素晴らしきアイデアですね、翼をください?で皆でワクチン射ちましようの間違いはないのかな?日本全国に広げようコロナの輪とか。素晴らしオリンピックだよね。

  • グレイス

    7/4 13:54

    どんな曲だろうが、コロナ禍の今、大合唱は不味いのでは? 首まで覆う合唱用のマスクとかあるけど………。

  • トリトン

    7/4 12:22

    帰ってきた酔っぱらいかきん太の冒険にしとけや汚い金にまみれたオリンピックやからな。それか無錫旅情在日企業のためののためのオリンピックだからね。

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