ファッション界のアイコンにしてポップスター、木村カエラがハマった心斎橋のたこ焼きバー「TAKOTAKO KING」

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第76回 TAKOTAKO KING

 アイドルだってメシを食う。90年代後半からモデルを続け、歌手としても大成功を収めた木村カエラ。彼女も食通&飲み助のようで、けっこうバラエティ番組に登場してはお気に入りの店を紹介している。しかも、そのチョイスは意外と男っぽい。

 ラーメンだと麺屋武蔵 新宿本店、旦那の永山瑛太とよく通うのも原宿餃子楼、月島のもんじゃ焼きでも老舗のおかめが好みらしい。気さくなキャラがそのチョイスからも窺い知れる。

■日本人の母親とイギリス人の父を持つ日英のハーフ

 カエラは日本人の母親とイギリス人の父を持つ日英のハーフで、本名は木村 カエラ りえという。カエラはミドルネームなのだ。ぼくが彼女を強く意識したきっかけは、03年から3年間MCを担当したテレビ神奈川の朝の番組『saku saku』だった。カエラと人形の「増田ジゴロウ」とのとぼけたやり取りが、他のどのパーソナリティよりおかしかった。今よりふっくらとし、まだあどけなかったカエラの奔放な番組進行ぶりは、テレビ雑誌などでもよく話題になっていた。

■浜田雅功と行きたい場所

 いくらハーフとはいえ、東京の下町(それもビートたけしやみやぞんと同じ足立区)育ち剥き出しの、屈託のなさがカエラの魅力。3月23日に放映された『ごぶごぶ』(毎日放送系)でも、大阪の気になるスポットへリモートで街ぶらする、という趣旨で出演し、軽妙なトークを披露した。コロナ禍でなかなか身動きがきかないので、カエラが司会の浜田雅功と「大阪ロケで“行きたい」と思っていた場所を、漫才の笑い飯の哲夫とミキの昴生による現地ルポとシンクロさせたのだ。

 そこでカエラが紹介したのがTAKOTAKO KING三休橋店だった。こちらを訪れたのが哲夫で、カエラがいつも食べるたこ焼きメニューの他、浜田お気に入りの目玉焼き載せの焼そばが登場し、独特のアクの強さを全開にしての食レポをした。

 浜田とカエラは東京の毎日放送のスタジオから、クロマキー合成で参加するのだが、そこにたこ焼き等の現物は取り寄せられ、哲夫とともに実食。カエラは「笑いすぎてアゴ外れそう」と終始ご満悦の様子だったとか。

■コロナ禍の大阪でTAKOTAKO KINGに行くと

 ぼくはこの放送の3ヶ月後の6月後半、出張のため大阪に前泊。その前には奈良に寄って、食事は済ませていたが、小1時間の移動で小腹が減り、なにより軽く飲み直したかった。しかし、緊急事態宣言は解けたとはいえ、大阪もまん延防止等重点措置が施行されている。およそ2年ぶりの大阪となり、むろんコロナ禍に突入して以来、足を踏み入れておらず、こちらの土地勘も鈍っていた。

 近鉄奈良線で移動したので、大阪難波に着く。時計は23時を回っていたが、キタよりはミナミにまだ活気があろうという読みは外れ、辺りは静まり返っていた。人通りはあるのだが、いったいどこへ向かうか見当もつかない。おまけに当てにしていたゴージャスなサウナは、カプセルホテルとしての営業は取り止め、20時で閉店していた。

 仕方なく心斎橋の未訪問のサウナで泊まると決め、そちらに向かいながら一服できる店を探そうとした。しかし、あのギラギラした道頓堀のネオンがほぼ落ちている。ひっかけ橋で誰もナンパしてへん。さらに周縁には個人店が多いので、いっそう火が消えたように寂しい。

■「ソース・しょうゆ・しお・ぽんず・塩ガーリック(塩G)」の5種

 そんな中、TAKOTAKO KINGアメリカ村店にだけ煌煌と灯りがついて、ド派手なトレードマークを象った張りぼてが浮かび上がっている。店頭にはテイクアウトの焼き上がりを待つ人だかり。どうやらイートインもでき、中の客は普通に一杯やっている。大げさでなく砂漠でオアシスに遭遇した心持ちになった。しかも、小腹減りに打ってつけなのがたこ焼きだ。

 タコキンは心斎橋界隈に4店舗を構えるが、過去の出張では大体行く店も決まっていたので、入ったことはなかった。メニューは想像以上に豊富だ。粉もん以外にもホルモン炒めなど鉄板焼き類が揃い、奈良で欲張ってラーメンまで食べてきたのを後悔した。

 メニューを眺めながら大たこ焼き6ヶ400円を頼むと即決しても、「ソース・しょうゆ・しお・ぽんず・塩ガーリック(塩G)」の5種の味から、どれを選ぶかに30秒ほど悩んでしまった。結局は生地本来の味がわかり、かつ珍しい塩Gとギネスビールを注文。これがズバリ的中した。粉の質と出汁の旨さが直に伝わり、パンを思わせる芳ばしさに黒ビールがピタッとハマった。

■外はカリッ、中はモチッ

 そこでようやく心に余裕が生まれ、店についてスマホで検索すると、カエラのお気に入りとの記事を見かけたのだ。『ごぶごぶ』でカエラはソースマヨ・ネギポン・明太マヨ・塩Gの4種盛り16ケ(店内1100円・テイクアウト1000円)をいつも頼むと紹介したようだが、むろんスタッフらと連れ立って来てのことだろう。

 しかし、ビールで半分を、オリジナルレモネードサワーでさらに半分を食べ、もしハーフ&ハーフができたなら8ケ500円でも余裕だったし、空腹なら1人でも4種盛りだと噛み締めた次第。外はカリッ、中はトロっというより、もっとモチッとしており、飽きの来ない食感と味なのだ。

■カエラちゃんスペシャル

 なお、タコキンでは番組放送後1ヶ月間、カエラが「試してみたかったたこ焼きとして「カエラちゃんスペシャル」と銘打ち、カプレーゼのたこ焼き版(モッツアレラチーズとトマト入り)を提供したようだ。たこ焼きはアレンジも自由自在。特にこれだけ素がよければ、何を載せても和えてもおいしかろう。かつて本場大阪ではマヨネーズなどかけようものなら、邪道扱いされたものだが…。

 その点、木村カエラというファッション・リーダーにも同じことが言えるかもしれない。髪型だって融通無碍に変え、装いをポップでカラフルにもシックでクールにも合わせていく。縦横無尽で変幻自在なのだ。だから、30代後半に達し2児の母親となっても、変わらずチャーミングでアイドル然としているのだろう。

(取材・文=鈴木隆祐)

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  • 7/3 10:00
  • 日刊大衆

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