『ゴジラvsコング』 世界中が待っていた映画史に残る世紀の対決が実現!1962年版との違いは?

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日米を代表する二大怪獣がついに激突!ハリウッド版『ゴジラ』シリーズを中心とした「モンスターバース」シリーズの最新作でもある『ゴジラvsコング』が7月2日ついに公開!実は約60年前にも対決していたこの二頭。前回の勝負の結果は?そして今回の対決の行方は?本作のあらすじと見どころを可能な範囲でご紹介!

前回の対決 『キングコング対ゴジラ』(1962)について(ネタバレあり)

©2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

世界恐慌の真っ只中に製作された『キング・コング』(1933)でデビューしたコング。太平洋戦争での敗戦から10年目を目前に行なわれたビキニ環礁の水爆実験が日本に暗い影を落としたことをヒントに製作された『ゴジラ』(1954)で誕生したゴジラ。それぞれアメリカと日本を代表するモンスターとして世界中で愛され、無数の映画やテレビに多大な影響を与えたキャラクターだ。両者が最初に対決したのは、(前回の)東京オリンピックの開催が近づき日本中がアゲアゲムードに入りつつあった1962年に製作された『キングコング対ゴジラ』。東宝がコングのキャラクターの権利を5年間の期間限定で借りて製作した作品だ(ちなみに、レンタル期間が終了する1967年にもう一本東宝が製作したのが、アメリカのプロダクションとの合作である『キングコングの逆襲』)。
南太平洋の島に生息するコングが日本のテレビ局によって日本に連れて来られる。一方、前作『ゴジラの逆襲』(1955)のラストで、北極海に近い無人島で氷によって生き埋めにされていたゴジラが復活。輸送中に脱走したコングと日本に舞い戻ったゴジラは那須で遭遇するが、ゴジラの吐く熱線に手が出ないコングが敗退。その後、高圧電線によってゴジラの東京進入は食い止められるが、一方のコングは逆に高圧電流によって体質を変えるという驚異的な生命力を見せながら東京に進入。麻酔弾によって眠らされたコングは、共倒れを狙った科学者の提案により、空輸されてゴジラのもとへ。再び始まった二頭の戦いは、ゴジラの熱線とコングの高圧電流で互角のまま富士の裾野から熱海へと移動。二頭は戦いながら海中に落下、コングは南の島に向かって泳ぎ去るが、ゴジラはそのまま姿を消した(映画の中ではゴジラの生死ははっきりとは描かれていないが、次回作以降も登場していることからこの時も死んではいなかった模様)。
日本映画の黄金期に、東宝創立30周年記念作品として製作された娯楽大作であり、初期『ゴジラ』シリーズの重さや暗さは取り払われ、徹底した怪獣対決のエンターテインメント作品になった。基本的には、コングを自社のイメージキャラクターとして使おうとする製薬会社の宣伝部長(有島一郎)と、スポンサーである彼に振り回されるテレビ局員コンビ(高島忠夫、藤木悠)という、当時の東宝の得意ジャンルの一つだったサラリーマン喜劇のスタイルを採っている。しかし、それは当時高度経済成長の真っ只中だった日本の世相を風刺したブラックコメディになっていて、文明批判という1作目の作劇が形を変えたわけである。
莫大な使用料を払って“招いた”コング、自社の“スター”であるゴジラ。どちらも負けさせるわけにいかず、苦肉の策として海中への転落による引き分けという結果になった。モヤモヤした観客も多かっただろうが、上記のような「大人の事情」を抜きにしても、「日米の怪獣王はまさに双璧」ということで何となく納得の結果とも言えるだろう。
オリジナルは10数mだったコングの身長は、当時のゴジラの50mとのバランスを取るために45mに。適度に擬人化された二頭の戦いはまさに「壮大なプロレス中継」といった趣だが、それぞれにきちんと「生物感」も残してあり、「着ぐるみのプロレス」という安っぽさは感じさせない。
前半、コングが住む南の島に大ダコが現れるシーンでは、本物のタコをミニチュアセットに入れて撮影されたが、本物特有の質感が強烈なインパクトを残していた。なお、このシーンは、モンスターバースの『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)でオマージュが行なわれた。

『キングコング対ゴジラ』DVD(販売元 ‏ : ‎ 東宝)

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これまでのモンスターバース

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さて、ここからは今回の『ゴジラvsコング』のための“予習”として、本作が属するモンスターバースについて大まかに説明しておこう。アメリカのレジェンダリー・ピクチャーズが、(『キングコング対ゴジラ』の時とは逆に)東宝からゴジラの権利を借り受けて製作しているハリウッド版『ゴジラ』シリーズが中心になっていると言えるだろう。
このシリーズの核になっているのが、秘密研究機関「モナーク」だ。絶滅を免れた古代の巨大生物の生き残りを調査し、その存在を世間から隠すために活動している。ゴジラやコング、そしてそれに関係するさまざまな生物が彼らの調査対象だ。
時系列で言えば、現在までのところシリーズ第2作『キングコング:髑髏島の巨神』が(これまでの作品の中では)最初の物語になる。ベトナム戦争が終結に向かい始めた1973年。人工衛星が発見した南太平洋の「髑髏島(スカル・アイランド)」を調査するためにやってきたモナークのメンバーたちとその護衛のアメリカ軍兵士たちが、守護神として原住民たちに崇められているコングをはじめ島に生息するさまざまな巨大生物たちと遭遇する。この映画のラストで、モナークがゴジラだけでなくさまざまな怪獣の存在をこの時点ですでに把握していたことが示される。
次の話に当たるのが、シリーズ1作目の『GODZILLA ゴジラ』(2014)だ。地下世界で生き永らえていた古代の巨大生物「ムートー」と、その天敵で古代の地球の生物の頂点に立っていたゴジラが復活。日本から出現したムートーとそれを追って現れたゴジラが、ハワイとサンフランシスコで死闘を展開し、その間にゴジラたちの出現に関する謎が徐々に解明されていく。モナークの生物学者でゴジラの研究を続けている日本人科学者・芹沢猪四郎博士(渡辺謙)は、オリジナルシリーズの第1作でゴジラを倒す発明を行なった化学者(平田昭彦)の名字と、昭和シリーズを最も多く手がけた本多猪四郎監督にちなんだネーミング。
その5年後を舞台とした続編『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)では、日本からモスラ、ラドン、キングギドラも参加。世界各地で古代の巨大生物が復活し、南極で眠りから覚めた宇宙怪獣ギドラが彼らをコントロールして世界中が大混乱に陥る。本来の彼らの“王”だったゴジラがギドラに挑戦、モスラやラドンも巻き込んだ壮絶な死闘の結果、ギドラを倒したゴジラが怪獣たちの王となる。人間側のドラマの中心となるのは、モナークの科学者で怪獣たちとの交信を試みるエマ(ヴェラ・ファーミガ)、別居中の夫で以前モナークに属していた科学者のマーク(カイル・チャンドラー)、そして二人の娘マディソン(ミリー・ボビー・ブラウン)のラッセル一家だ。マディソンは今回の『ゴジラvsコング』でもメインの登場人物の一人として活躍する。そして、この作品で登場した「地下空洞論」が、今回の作品の物語の重要なカギとなる。

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『ゴジラvsコング』あらすじと見どころ(ネタバレなし)

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ゴジラが怪獣の王になって5年。人類の文明はようやく復興しつつあった。しかし、怪獣たちの脅威は完全には治まっておらず、ついにはゴジラも再び活動を開始し、フロリダにある巨大テクノロジー企業「エイペックス」の施設が襲われる。ゴジラの不可解な活動には何か理由があると感じたマディソンは父マークにそのことを訴えるが聞いてもらえず、級友のジョシュ(ジュリアン・デニソン)を巻き込んで、エイペックスに関する疑惑をネットで発信していたバーニー(ブライアン・タイリー・ヘンリー)に接触する。三人はエイペックス社に侵入し、謎の計画が進行していることを知る。
一方、この状況への対策に苦慮したモナークは、怪獣たちを地下の空洞の世界に怪獣たちを戻すという計画を立案する。しかも、その空洞にはゴジラ対策に有効と思われる「あるもの」も存在していた。そのため、モナークはコングを髑髏島から連れ出し、地下世界への入り口がある南極へと船で輸送していた。
だが、太古の昔からの宿敵の種族であるコングの存在を察知したゴジラが出現し輸送船を襲う。こうして、“本当の王”の座をかけた戦いが始まった…。

これまでのシリーズで張られた伏線や登場した要素が巧妙に組み合わせられて物語が進行するので、ご紹介できるのは前半の途中であるこのあたりまでだが、予告編に登場した香港での二頭の戦いをはじめ、壮大なスペクタクルが満載。コングの身長は(今回も)ゴジラに合わせて100mぐらいまで成長している感じだ。前作では光線技(?)が多かったが、今回は取っ組み合いの肉弾戦が中心。その重量感も圧倒的だ。
芹沢博士の息子・漣の役で小栗旬が出演してハリウッド映画デビューを飾ったことも話題になっている。英語のセリフもしっかりこなして堂々たる演技を見せるが、父親と同じく英語のセリフでも「ゴジラ」の単語だけは「ガッジーラ」という英語の発音ではなく日本語(?)の発音をしているあたりなど、細かいところだがシリーズとしての一貫性とオリジナルへの敬意を忘れていないことが感じられる。

ジェットコースターのような展開の中で繰り広げられる二大怪獣の戦い。これはまさにスクリーンで観るべき迫力満点の大作だ!

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