ファザコンの新婦、披露宴のスピーチで爆弾発言。慌ててごまかす父

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 家族愛は素晴らしいものです。それは、恋愛とはまた別のかけがえのない固い絆だからです。

 でも、その愛が常識の範囲を超えてしまっていたらどうなるでしょうか。今回は、常識の範囲を超えた父親大好き新婦が起こした披露宴でのヤバイエピソードをご紹介します。

◆帰国子女同士の美男美女カップル

 紀子さん(仮名:29歳)と重幸さん(仮名:29歳)は、周囲が羨むほどの絵に描いたような美男美女カップル。

 二人とも帰国子女で、紀子さんは石油関連企業のエンジニアをしている父親の関係で、幼い頃から中東とアメリカを往来する環境で育ち、一方の重幸さんも両親が某有名なオーケストラ楽団の団員だったため、ヨーロッパ各地を物心がつくまで点々として過ごした経験を持ちます。

◆出会いは大学のダンス同好会

 二人とも大学進学を前に各々日本へ帰国し、都内の同じ難関有名大学に入学しました。

「入学するや否や、やたらと強引に勧誘する見知らぬ先輩に連れていかれた場所がダンス同好会でした。行ってみると既に数人の新入生がいて、その中に紀子もいたんです」と、紀子さんとの初対面を懐かしそうに語る重幸さん。

「その時の紀子は、とにかく大きな声で両隣の女子生徒と話していたのを記憶しています」

 自分も海外生活が長く紀子さんの目立つ振る舞いには違和感を感じなかったという重幸さんですが、なんとなく同類項的な感じを受けていたようでした。

◆帰国子女同士ゆえに惹かれ合う

 同好会自体はそれほどエキサイティングではなかったようでしたが、何かにつけて気の合う二人が付き合うようになるまでにはそう時間はかかりませんでした。

「紀子が言うには『まわりの男子は優しくてみんな良い人ばかりだったけど、なんか物足りなかった』そうで。気がついたら僕とばかり時間を共にしていましたね」と嬉しそうに当時を振り返ります。

 学業、そして充実した恋愛。あっという間に大学生活は幕を閉じ、二人とも語学を生かした外資系企業に就職も決まりいつしか結婚の二文字が現実化しつつありました。

◆結婚式が近づくにつれマリッジブルーに

 境遇の似ている両家だけあって、結婚へ向けた準備はとんとん拍子で整います。

 ところが、「結婚式が近づくにつれなんとなく紀子の様子が少し気になり始めました」と重幸さん。

「これがマリッジブルーなのかなとも思ってはみたのですが、まさか原因がお父さんのことだったとは当時は思いもよりませんでした…

 実は、式の予定が決まってから慌ただしく同棲を始めたふたり。紀子さんは初めて父親と離れて過ごす日々に寂しさや不安をつのらせ、それが原因でいつもの笑顔が徐々に減っていたのでした。

◆感動のスピーチのはずが爆弾発言

 そして、いよいよ結婚式当日。大使館の面々も列席するなど、まるで政治家御子息の結婚式かと思われるほど盛大なものでした。

 しかし事件は披露宴で起こります。いよいよクライマックスの親への挨拶が始まり、紀子さんは少し緊張しながらも真面目な面持ちで口を開きます。

「パパへ。今まで大切に育ててくれて本当にありがとうございます。ノリ(紀子の一人称)は昔も今もずっとパパに感謝しています。ノリは今日からパパから離れて重幸さんと一緒に生きていきますが、たとえ離れてもノリはずっとパパの娘です。昨日の夜、パパと一緒に湯船に浸かったとき、ノリは心からそう思いました

◆なんとかフォローする父親

 披露宴会場は一瞬静かになり、強いスポットライトに照らされた二人の姿だけが静かに目立っていました。今まで満遍の笑みだった新郎の両親の顔からは笑顔が消えていました。

ノリ、小学校の時の思い出がオーバーラップしたんだね。パパはずっとノリの味方だからね。これからは重幸くんと一緒に頑張るんだよ」

 娘の口から出た言葉をとっさにフォローする父親でしたが、なんとなく後味悪いまま披露宴は幕を閉じました。

あの時は僕も一瞬ヤバイと思いましたよ! でもそれも紀子の一部なんだと、今では特に気にはしていません。ファザコンだから別れるなんてありえないでしょ? まあビックリしましたけど、親を大事にしてるってことじゃないですか。仲良くやってます」

 あれからしばらくして重幸さんは前向きな気持ちを語ってくれました。

―結婚式のトンデモ話―

<文/浅川玲奈 イラスト/カツオ> 


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