「自分は経営者に向いてない」TikTok創業者、退任コメントが秀逸すぎたワケ

拡大画像を見る

◆超一流は知っている「謙遜マウンティング」の有効性

「超一流の人物は謙虚である」と言われます。

 しかし、謙虚にしているだけでは競争の激しいビジネス社会においては埋もれてしまいがちなのもまた事実。

 その点、超一流のエリートは遠回しの「謙虚マウンティング」を自在に操ることによって、自身の謙虚さと優位性を人々の潜在意識下に埋め込むことに成功しています。

 上記を踏まえ、本記事では皆さんにとってお手本となる国内外の超エリートによる模範的な「謙遜マウンティング事例」をご紹介させていただくことで、謙遜マウンティングの本質に迫っていきたいと思います。

※「謙遜マウンティング」とは謙遜しているように見せかけて自身の優位性をさりげなくチラつかせる手法のこと。知的水準の高いエリート層の間で頻繁に用いられることが主な特徴である。

◆TikTok創業者「自分は経営者に向いてない」

 まず紹介させていただきたいのは、ショートムービーアプリ「TikTok」を運営するバイトダンス創業者・張一鳴氏による「自分は経営者に向いていない」です。

 2021年5月20日に従業員向けの手紙でCEOを退任することを発表した同氏ですが、注目すべきはその退任理由。驚くべきことに、張氏は「自分は経営者に向いてない」と述べているのです。

「社交的でなく研究肌で、ネットや読書、ぼーっとしていることを好む自分は、現在のステージのCEOに適していない」

 30代で10兆円企業を創り上げた張氏が経営者として超一流であることに疑いの余地はありませんが、そんな圧倒的な実績を前にして「自分は経営者に向いていない」と言われてしまうと、世の中のほとんどの経営者は立場を失ってしまうような気がします。

 ただ、どれだけ多くの社会的名声を得ようとも謙虚さを忘れない張氏の姿勢は多くのビジネスパーソンにとって見習う価値があるように思われます。

◆A.T.カーニー日本法人会長「音楽を諦めさせたのは布袋寅泰とレベッカ」

 もう一つの事例は、日本を代表する経営コンサルタントとして知られるA.T.カーニー日本法人会長・梅澤高明氏による「音楽を諦めさせたのは布袋寅泰とレベッカ」です。

 同氏はNIKKEI STYLE「筑駒→東大法 大学5年で挫折したギタリストの夢」のインタビューの中で、バンドマンだった自身の学生時代を以下のように振り返っています。

「衝撃を受けたのは、ライブでご一緒することが多かった布袋寅泰さんやバンドの『レベッカ』があっと言う間に大ブレークしたこと。『あ、プロで食っていけるのはこういう人たちなんだ』と思い知らされました。

『G―SCHMITT』もそれなりに質の高い楽曲を作り、個性的なバンドだという自負はありましたが、『レベッカ』は僕らとは違い、誰にでも分かりやすく良い曲を書いてヒットしていたし、布袋さんは圧倒的にギターがうまかった。

 とにかくステージに登場した時に発散するオーラが半端なかった。彼らのおかげで僕も納得し、潔く音楽をやめられました

 上記の発言で注目すべきポイントは、梅澤氏がレベッカや布袋寅泰氏のミュージシャンとしての圧倒的な実力に打ちのめされたことを認めつつ、自身がベーシスト・コンポーザーとして参画していたバンド「G―SCHMITT」が彼らと同格に近い存在だったことをさりげなく示唆している点でしょう。

 実際、「G-SCHMITT」はかなりの実力派バンドとして界隈でその名を知られていたようです。

◆知性と実績が問われるシビアな世界

 誰かを貶してマウントを取ることは誰でも簡単にできます。

 しかし、梅澤氏のように―もちろんご本人からすればマウントを取る気など微塵もないのでしょうが― 誰も傷つけることなく謙虚さを垣間見せつつそれでいて規格外のマウントを取っていくにはかなりの際立った知性と実績が必要とされることは言うまでもありません。

 梅澤氏のような世界レベルの超エリートを目指すビジネスパーソンなら、ぜひとも参考にすべき事例なのではないかと思います。

◆謙遜マウンティングは「1億総マウント時代」における必須の教養

 上記で紹介した事例以外でも、超エリートのコミュニティ内ではさまざまな形態の「謙遜マウンティング」が日常茶飯事的に飛び交っています。

「ハーバードにはバケモノレベルの天才が何人もいて、彼らの頭脳の前では僕なんてまったく太刀打ちできなくて……それでやむなく数学者の道を諦めて、ゴールドマンサックスのニューヨーク本社に拾ってもらったんだよね」

「うちの息子って、運動神経は悪いし、なかなか彼女もできないし、本当にダメダメな子で……東大ってそんな子が多いらしいんだけど、どうしたものかしらね……」

「若い頃は上司に反抗してばかりで、お世辞にも優秀な社員とは言えない存在だったと思います。でも、そんな私でもなんとか取締役になることができました。本当に懐の深い会社だなと思います。すべてに感謝ですね」

◆英語、ファイナンス、プログラミング、謙遜マウンティング

 誰でも自分の能力や容姿、学歴、社会的地位などを周囲に認めてもらいたいものです。しかし、ストレートにマウントを取ってしまうと、周囲から顰蹙を買ってしまい、尊大な人物と思われてしまう危険性があります。

 それゆえ、能力の高いビジネスパーソンであればあるほど、「謙遜マウンティング」の習得が必要不可欠。

 英語、ファイナンス、プログラミングといったスキルも非常に大切です。しかし、「1億総マウント時代」においては、上記のスキルに加えて「謙遜マウンティング」を習得することの重要性が飛躍的に高まっていくことはほとんど間違いありません。

 誰からもマウントを取られない「マウントフルネス」の境地に到達するためにも、「謙遜マウンティング」に対する理解を深めつつ、日々の業務に邁進していきましょう。

【マウンティングポリス】
「人間のあらゆる行動はマウンティング欲求によって支配されている」「マウンティングを制する者は人生を制する」を信条に、世の中に存在する様々なマウンティング事例を収集・分析し、情報発信を行う。ツイッターアカウント@mountingpolice

関連リンク

  • 6/30 8:52
  • 日刊SPA!

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます