すれ違っただけで感染するインド型変異株 ルール破りのIOCと組織委に東京五輪を任せられるか!(2)

新型コロナウイルスの恐怖の変異ウイルスが、次々と世界各地で誕生している。ワクチン接種によって抑え込んだと思われて国々でも再び感染が拡大するありさまだ。

なかにはなんと、すれ違っただけで感染する変異ウイルスもあるという。日本でも感染が急拡大しているインド由来の「デルタ株」がそれ。東京都をリバウンドに追い込んでいるウイルスだ。

東京五輪・パラリンピックの強行によって世界中から、たちの悪いウイルスを呼び込んで大丈夫か、ニッポン!

ワクチン効果を5分の1にする「ラムダ型」

このデルタ株よりもっとたちの悪いウイルスが最近、登場した。その名も「デルタ・プラス」株変異ウイルスと、南米を恐怖に陥れている「ラムダ型」変異ウイルスである。

TBSニュース(6月28日付)「解説:ワクチン効かず?新たな変異『ラムダ株』」がこれらの変異ウイルスをわかりやすく、こう解説している――。

《これまで日本で確認された変異ウイルスには、イギリス型の「アルファ株」、南アフリカ型の「ベータ株」、インド型の「デルタ株」、さらには「デルタ・プラス」などがある。世界的にみるとこれから驚異になりかねないのが、ペルーなどで猛威を振るっている「ラムダ株」だ。特徴は感染力が強く、抗体の働きを弱める可能性があることす。こうしたウイルスの新たな変異について、専門家とともに考える。

まずアルファ株は従来型より感染力が1.32倍強い。ベータ株は感染力が1.5倍強い。デルタ株は1.95倍強い。今、問題になっているデルタ・プラス株は、インドではVOC(懸念される変異株)と危険視されており、加藤勝信官房長官も6月25日に「日本では37例確認されている」と発言している。

インドでは攻撃力が高いとされ、少なくともデルタ株と同等の感染力を持つ。「プラス」とされる所以は、デルタ株より「ワクチンが効きにくく、防御力が高い」ということだ。

松本哲哉・国際医療福祉大学主任教授は、

「日本では、7月半ばにアルファ型にデルタ株が逆転して主流になり、8月半ばにデルタ株一色に置き換わる。しかしその後、秋ごろにデルタ・プラス株に置き換わるのではないか」

とみている。

「ラムダ株」とは、ペルーで初めて確認され、現在約80%を占める。南米を中心に29の国・地域で確認されている。感染力が高く、抗体の働きを弱める可能性がある。防衛医科大学病院の藤倉雄二准教授は、

「ラムダ株には『F490S』変異があり、抗体に影響を及ぼす可能性がある」

と指摘する。

これは、ウイルスが細胞の中に侵入する「入口」に変異が起こるものでウイルスの侵入を防ぐ抗体が効きにくくなり、侵入しやすくなる。だから、ワクチンも効きにくくなるのだ。

岡田晴恵・白鷗大学教授(公衆衛生学)は、

「従来株のワクチン接種が進んでも、この変異株が生き残っていくのではないか。また、新たなワクチンを開発しなくてはならず、イタチごっこになる心配がある。日本に入ってこないよう水際で食い止めることが大切だ」

と指摘する。》

「ラムダ型」については、テレビ朝日(6月25日付)「南米で感染拡大『ラムダ型』これまでない変異 ワクチン効果低減か」では研究者の見方として、こう紹介している。

「ニューヨーク大学の多田卓哉博士研究員によると、ラムダ型にはこれまでにない変異が細胞との接続部分にあり、既存のワクチンの効果が弱くなる可能性があるということだ。『ラムダ型は3倍から4倍、ないしは5倍くらいワクチンの有効性が下がるのではないか』と指摘する」

自らルール違反するIOCと組織委幹部たち

ワクチン効果が最悪で5分の1に下がるというのだ。デルタ株でさえすでに日本に侵入しているというのに、こんな厄介な変異ウイルスが、東京五輪を契機に南米方面から入ってきたらどうするのか。

そんななか、水際作戦で変異ウイルスの侵入を何が何でも阻止しなくてはならないはずのIOC(国際オリンピック委員会)と東京五輪組織委員会幹部の緊張感のなさを東京新聞が告発した。自らが制定した「感染防止のルールブック」を全然守っていないというのだ。

東京新聞(6月29日付)「IOC関係者ハグ、橋本会長、近距離で談笑 幹部ら五輪規則どこへ」で、原田遼記者が署名入りでこう書いた。

「東京五輪・パラリンピックの選手・関係者らの行動ルールを定めた『プレーブック』。新型コロナ感染対策のため、ハグの禁止や社会的距離の確保などを列挙しているが、先週、橋本聖子会長ら大会組織委のメンバーやIOCの幹部らがルールをおろそかにする場面を東京都内で目撃した。『大物』だからといって、守らなくていいわけはない。選手や観客にルール順守を求めるなら、まず自分たちが範を示すべきだ」

具体的には、こんなルール違反を犯したという。

「有明体操競技場にワゴン車2台が寄せられた。視察に訪れたIOCのコーツ調整委員長、ギラディ調整副委員長、デュビ五輪統括部長の3人が車内から出てくると、橋本聖子会長ら数人の組織委幹部らが肘タッチで出迎えた。それだけにとどまらず、ギラディ氏は顔なじみの職員を見つけると、がっちりハグを交わした。とがめる人は誰もいなかった。その後、橋本氏とコーツ氏は肩を寄せ合って談笑した」

残念ながら原田記者はこのシーンを撮影できなかった。彼らはカメラマンがいる競技場に入ると、互いに距離を保ったのだ。原田記者はこう続ける。

「プレーブックには『選手向け』『オリンピック・ファミリー(IOC委員ら)向け』『メディア向け』などに分かれているが、共通して『ハグや握手などの接触を避ける』『人との距離は1メートルを確保する』とイラスト入りで紹介している。私は6月25日の定例会見で『違反行為ではなかったか』と質問すると、橋本会長は『離れなければいけなかった。(選手らに)お願いする以上、主催者がより徹底した行動管理をしないといけない』と釈明した。同僚がしていたハグは『したかどうか分からない』と言葉を濁した」

原田記者は、こう結んでいる。

「『それくらい、いいのでは』という意見はあるかもしれないが、厳しいルールを作ったのは当人たちだ。組織委は『違反した場合は資格停止などの措置を取る』とするが、ルールをおろそかにする主催者がどうして処罰をできるだろうか。この日の会見でもいつも通り『安全、安心』という言葉を繰り返したが、その前にプレーブックの熟読と順守が必要だろう」

まったくの正論だ。こんな主催者幹部たちに任せて、変異ウイルスの猛攻撃を防ぐことができるのか。日本はお先真っ暗ではないか。

(福田和郎)

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