玄関前で衰弱したサビ猫を発見!野良猫の心を開いた、優しい“家猫修行”とは

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【○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.48】

 今から2年ほど前のある夜、家族旅行から帰宅したnuts422さん(@nuts422)は玄関前で1匹のサビ猫がうずくまっているのを発見しました。

 それが後に、大切な家族となるナッツさんとの出会いだったのです。

◆自宅前で衰弱したサビ猫と出会って…

 衰弱した猫を見つけたnuts422さんは、仰天。慌てて近寄り、水を差し出しましたが、猫は動かず……。

「毛布で包もうとしたら30mぐらい走って逃げました。追いかけると、もう走れなくなったのか、すんなり捕獲できました」

 意識が混濁しており、息も乱れていたため、すぐさま夜間受診可能な動物病院へ。しかし、車の中でまったく動かない姿を見て、このまま死んでしまうのではないか……という不安がこみ上げてきました。

「診察台でも全然動かなかったので、家族みんなで頑張れ頑張れってずっと声をかけていたんです」

 診察後、獣医師からは「毒性のあるものを食べた可能性があり、このまま命を落とす恐れもある」と告げられました。けれど、それでもnuts422さんは自宅に迎えようと決意します。

 そう思ったのは、10年以上前に野良猫を助けられず後悔したことがあったから。

「ある夜、運転中に道路の中央に座っている猫を見かけたことがありました。車を停めて脇道へ逃しましたが、事故に遭っていたようでした」

 当時、nuts422さんがとった行動は、自宅に猫がおり、急いでもいた自身の状況を鑑みた末のものでした。しかし、もし自分が移動させなければ医療に繋げてくれる人に保護されたかもしれない、中途半端なことをしてしまった……という後悔が消えませんでした。だからこそ、今度は目の前の命を絶対に助けたいと強く思ったのです。

◆家族を虜にし、うちの子になったナッツ

 猫用品が自宅になかったため、病院へ連れて行った日はそのまま入院してもらうことになりました。nuts422さんは翌日、近所を回り、行方不明になっている猫がいないか聞き込みをしてから、猫用品を購入し、動物病院へ行きました。幸いなことに猫の体調は回復しており、すっかり元気になっていました。

「当時、子どもはまだ1歳で、夫は猫嫌い。一緒に暮らすことが無理なら元気になってから里親探しをしようと思っていました」

 ところが、共に過ごしているうちに家族の理解が得られるようになり、サビ猫さんは家族の一員になることに。

「ナッツ」という名前を贈り、うちの子として愛で始めました。

◆元野良猫の心を開かせた優しい「家猫修行」

 元野良猫であるためナッツさんは、警戒心が強め。

 最初は激しく威嚇し、触られたり近寄られたりするのを怖がっていました。そこでnuts422さんは無理に近寄らず、愛猫のペースに任せて距離を縮めようと決意します。

 気が向いた時に1階に降りてきて人間観察ができるよう、ナッツさんの住居スペースは2階に設置しました。

「とにかく人間の生活を見て、慣れてもらおうと思いました。子どもは苦手な様子だったので、いないタイミングでおやつをあげたり、おもちゃで遊んでみたりしました」

◆今では爪切りもさせてくれるように

 すると、ナッツさんは徐々に触らせてくれるように。名前を呼ぶと顔をじっと見たり、返事をしてくれたりするようにもなりました。

「最近では、爪切りもさせてくれます。抱っこは嫌いで、膝に乗ってくることは数えるほどしかありませんが、寝たり座ったりしている時に名前を呼ぶと、尻尾をピンとあげて近寄ってきてくれます」

 ただし、立ったまま近寄られるとまだ恐怖を感じてしまうため、nuts422さんはその気持ちを汲み取りつつ、ゆっくりと心の距離を近づけ続けています。布団の上ではへそ天でリラックスしてくれることも!

 猫のペースを重視した、優しい“家猫修行”。それはナッツさんの心の氷を溶かしたようです。

◆新しい家族が増えて、お姉さんに

 nuts422さん宅にはもう1匹、大切な愛猫がいます。それがナッツさんのあとに迎えた同居猫のマロさんです。

 警戒心が強いナッツさんはマロちゃんと仲良くなるまでにさぞ時間がかかったのでは……と思いきや、お迎え当時、マロちゃんが生後3ヶ月ほどの子猫だったこともあり、2匹は予想以上に早く打ち解けてくれました。

 別室で過ごさせたあと、ケージ越しに初対面させたとき、ナッツさんはほぼ威嚇することなくマロちゃんを受け入れてくれ、その後にはコミカルな変化も見られたそう。

「ナッツさんはそれまで家の中で粗相をしていましたが、マロちゃんを迎えた途端、お手本を見せるかのようにピタリとしなくなりました。先輩風を吹かせているようで面白かった」

◆2匹は“付かず離れず”のほどよい関係

 現在、2匹は同じキャットタワーで寝たり、おいかけっこしたりと、ほどよい距離感を保ちつつ、日常を謳歌しています。

「丸くなって一緒に寝ているのは1回しか見たことがありませんが、付かず離れずで上手くやっていると思います。どちらかが見当たらない時は鳴いて、探すこともありますね」

 野良猫だから懐かないかもしれない……。ナッツさんを迎えた当初、nuts422さんは正直そんな不安を抱いていましたが、人間と共に暮らす生活に少しずつ慣れてくれている愛猫の変化を目にし、心境が変化しました。

「生活リズムを人間に合わせてくれたり、マロちゃんのことも受け入れてくれたりと、ナッツさんはとっても優しくて賢い子です。ちょっとした進歩で大喜びしてしまいます」

 家猫修行を早く完了して、ずーっと一緒にいよう。健康で長生きしよう。そう語りかけるnuts422さんをじっと見つめる、丸い目。その瞳にはナッツさんからのラブコールが含まれているような気がします。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

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