「パチンコ型スロットマシン」じゃない?みんな知らない「パチスロ」の本当の名前

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◆定着している名称は「パチスロ」だが……

 いきなりですが、皆さんは「パチスロ」の本当の名前をご存知しょうか?

「パチスロはパチスロだろ」という声が聞こえてきそうですが、実は本名は3つあります。ファンなら2つくらいは分かりそうですが3つ目は……となると、知っている方も少ないと思います。今回はパチスロの名称について掘り下げてみたいと思います。そこには意外なトリビアがありました。

◆「パチスロ」は略称

 まず、基本的には通常は「パチスロ」ですね。最も一般的に使われている名称でしょう。これは「パチンコ型スロットマシン」の略称になります。

 パチスロは元々の発祥が、海外カジノの「スロットマシン」をモデルにしているのは有名な話です。ただ、カジノのスロットマシンはリールが自動停止するのに対し、パチスロはストップボタンでリールを停止させるという大きな違いがあります。これは、パチンコと同様に遊技に対する遊技者の「技術介入」とい法的要件を満たすためです。

「技術介入」とは、パチスロを打つ人ならわかると思いますが、いわゆる目押しのことです。図柄を狙ってストップボタンを押すことは、立派な技術というわけです。

 また、当初のパチスロ機はスロットマシンの「アップライト型」の筐体を流用して製造されていました。このアップライト型とはタテ型で機械の左側、プレイヤーからは向かって右にレバーが付いているタイプの筐体です。しかし、ホールへの導入に際し、パチンコ台を設置する枠にそのまま設置できる箱型の筐体が開発されたのです。これが「パチスロ」ということになります。

 いずれにせよパチスロの概念は、当初はあくまでパチンコから派生したメダルゲーム機という位置づけだったのです。

 なお、「アップライト型」のスロットマシンは長く沖縄県で残っていましたし、2号機でもアップライト機は存在していたので、沖縄関係者やオールドファンならプレイした人も少なくないのではないでしょう。現在では沖縄のスロットと言えばメダルの直系が大きい30Φ(パイ、ファイ)の沖スロがイメージされますが、昔は違っていたのです。

 ちなみにメダルで遊技するパチンコもありました。戦前には実際にお金をはじく「一銭パチンコ」が流行したという記録があります。駄菓子屋にあった新幹線ゲーム(10円玉をはじくエレメカゲーム)のようですが、現金を賭けるのはけっこう過激だったようで、もちろん禁止になりました。皇室の御紋が入ったお金で遊ぶのは不敬であるという理由もあったようです。また戦後の1960年代にも「メダル式パチンコ」がありました。古~い業界人の中には「メタルパチンコ」と言う人もいます。

◆法的な名称は「回胴式遊技機」

「回胴式遊技機」という呼び方を知っている人は多いでしょう。ファンか業界人がほとんどと言えるでしょう。しかし、パチスロを一度もプレイしたことのない人はまず知らない名称です。「回胴式」とは言い得て妙ですが、確かに箱(筐体)の中でリールが回転しているわけで、考えた人のイメージ力はなかなか凄いですね。

 しかも、この名称はパチンコ業界の法律である風営法(風適法とも。「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」)に記載されている法律上の「正式名称」になります。

 回胴式遊技機は保通協(保安通信協会。遊技機の型式試験を主業務とする、国家公安委員会の指定試験機関)によって新機種の型式試験に合格して始めてホールで稼働(営業)することができるのです。ちなみに、日本初の「回胴式遊技機」がホールへ導入されたのは1964年(昭和39年)です。

◆業界的には「オリンピアマシン」

 この呼び方を知っている人はかなりのマニアと言っていいでしょう。前述のように、日本初の回胴式遊技機がホールへ導入されたのは1964年(昭和39年)ですが、この年は元祖「東京オリンピック」の年でもあり、それにちなんで「オリンピアマシン」という名前が使われだしたそうです。最初の回胴式遊技機「オリンピア・スター」、続いて「ニュー・オリンピア」「オリンピア・マークⅢ」が発売されました。

 なお、「オリンピアマシン」が業界の正式名称として決定されたのは1981年(昭和56年)とのことですが、この名称が一般に定着しているかというと非常に微妙ですね。

 また余談ですが、「オリンピアマシン」を開発、販売していたのが「セガ」(現:セガサミー)と太東貿易(現:タイトー)で、共同で営業していたといいます。現在ある遊技機メーカーの「オリンピア」とは特に関係はないようです。

 そして、現行仕様に近いゲーム性を持ったパチスロは1977年にマックス商事から出された「ジェミニ」や、現行の筐体に近い「パチスロパルサー」(尚球社。現:岡崎産業)がなどが有名で、いわゆる「0号機」へ繋がっていきます。ちなみにマックス商事は後年「マックスアライド」として復活しております。

 いかがだったでしょうか。パチスロの来歴がスロットマシンであることは事実ですが、パチスロは実に日本的な機械であることが分かります。名称も3つあり、それぞれ歴史的な経緯もありました。歴代のパチスロ機を一度はプレイしてみたいですね。

<文/麻枝月輝夜>

【麻枝月輝夜】
元パチンコ雑誌編集者。ライター、編集者。パチンコ業界歴は30年近い。現在は業界誌の他WEB媒体に転職系や占い、オカルト系記事なども執筆中

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