フランス、壮絶な打ち合いの末にPK戦で敗退…スイスが世界王者を破り初のベスト8!

 EURO2020決勝トーナメント1回戦が28日に行われ、フランス代表とスイス代表が対戦した。

 2018年ワールドカップ王者のフランスは“死の組”グループFを1勝2分け無敗で首位突破。大会準優勝の雪辱に向けて、2大会連続の決勝進出を目指す。対するスイスはグループAを1勝1分け1敗の3位で終えたが、各組3位チームの3番手として2大会連続の決勝トーナメント進出を果たした。

 試合は開始15分に動いた。左サイドでこぼれ球を拾ったシュテフェン・ツバーがクロスを上げると、DFクレマン・ラングレとの競り合いに勝ったハリス・セフェロヴィッチがヘディングシュート。これがゴール左隅に決まり、スイスが先制に成功した。

 反撃したいフランスは26分、キリアン・エンバペがペナルティエリア前左のFKで直接狙うが、これは壁に直撃。こぼれ球にも反応して右足を振り抜いたが、シュートは枠の右に外れた。29分にはアドリアン・ラビオがエリア前左から強烈なミドルシュートを打ったが、これも枠を捉えず。その後もフランスは攻守に噛み合わず、リードを許したまま前半を得た。

 フランスはハーフタイムにラングレを下げて、FWキングスレイ・コマンを投入。3バックから4バックに変更して反撃に備える。だが、後半もスイスが先にチャンスを作り、50分にブリール・エンボロがエリア右に抜け出して決定的なクロスを入れたが、これはラファエル・ヴァランにギリギリでカットされて得点ならず。

 スイスはさらに53分、ツバーが相手エリア内でベンジャマン・パヴァールに倒されて、VAR検証を経てPKを獲得。キッカーのリカルド・ロドリゲスはゴール左下を狙ったが、これはGKウーゴ・ロリスのビッグセーブに防がれて、世界王者を突き放す絶好のチャンスを逃した。

 逆にフランスは守護神の気合のセーブが試合の流れを変えた。57分、エリア前中央のエンバペがラストパスを送ると、エリア内で受けたカリム・ベンゼマが左足で流し込んで同点ゴールを奪う。直後の59分にはアントワーヌ・グリーズマンがエンバペとのワンツーでエリア左へ突破してループシュート。これをファーポストのベンゼマが頭で押し込み、わずか2分間で逆転に成功した。

 リードを得たフランスは75分、エリア前中央のポール・ポグバがこぼれ球を拾って右足を一閃。完璧な軌道のミドルシュートをゴール右上隅に沈めて追加点を挙げた。しかし、スイスも終盤に怒涛の反撃。81分、ケヴィン・ムバブが右サイドからクロスを上げると、再びセフェロヴィッチがヘディングシュートを叩き込んで1点差に迫る。

 勢いづくスイスは85分、エリア左のマリオ・ガヴラノヴィッチが味方のシュートを受けてそのままゴールに押し込んだが、オフサイドの判定で得点は認められず。それでも90分、エリア前中央でパスを受けたガヴラノヴィッチが1人かわして右足を振り抜く。このシュートがゴール左隅に突き刺さり、土壇場で同点に追いついた。

 試合はこのまま90分が終了し、この日2試合連続となる延長戦に突入した。フランスは95分、パヴァールがエリア中央でボレーシュートを打ったが、GKヤン・ゾマーの好セーブに防がれた。その後もフランスはことごとくチャンスを決めきれず、このままタイムアップ。決着はPK戦に委ねれた。

 PK戦は先攻のスイスが5人目まで全員成功したのに対し、後攻のフランスは5人目のエンバペがGKゾマーにセーブされて勝負あり。スイスがPK戦の末に世界王者を倒して史上初のベスト8進出を果たした。

 スイスは7月2日に行われる準々決勝でスペイン代表と対戦する。

【スコア】

フランス代表 3-3(PK戦:4-5) スイス代表

【得点者】

0-1 15分 ハリス・セフェロヴィッチ(スイス)

1-1 57分 カリム・ベンゼマ(フランス)

2-1 59分 カリム・ベンゼマ(フランス)

3-1 75分 ポール・ポグバ(フランス)

3-2 81分 ハリス・セフェロヴィッチ(スイス)

3-3 90分 マリオ・ガヴラノヴィッチ(スイス)

2021/6/29 6:45

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