結婚式で無理やりカップリングされた私。でも相手の男性が「いい人すぎた」

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 大切な人の結婚式は、招待されたゲストも喜ばしい気分になるもの。いわば新郎新婦からの幸せのおすそ分けです。ただ、その感覚が行き過ぎるとと、単なるありがた迷惑と化してしまうこともしばしば。

 今回お話してくれたフリーライターの渚さん(仮名・35歳)は、5年前に出席した結婚式の二次会で、ウェディングハイになった新郎新婦から、謎のサプライズを仕掛けられたことがあると言います。

◆バッタリ再会した同級生の結婚式二次会へ

「新婦のMちゃんは小中学校時代の同級生で、その間はずっと仲の良い友達でした。でも、別々の高校に進学した後は頻繁に連絡を取ることもなくなり、成人式で会ってもすれ違って軽く言葉を交わした程度。最後に会ったのは25歳の時に開催された同窓会で、その時はお互い彼氏と別れたばっかりなのがわかって、飲みながら『彼氏欲しい』みたいな愚痴を言い合った覚えがあります」

 それから5年間、まったく交流がなかった渚さんとMさんでしたが、ある日の仕事終わりで家に帰る途中、電車の中でバッタリと出くわしたそうです。

「その時、Mちゃんは男の人と一緒でした。その人は同じ会社に勤めている同僚のKさんで、2年ほど前からお付き合いしていて、今度結婚することになったんだとか。その時に『2ヶ月後に結婚式をするから、二次会にぜひ来て欲しい』と2人に直接招待されたんです。お祝い事ですし、特に断る理由もないので行くことにしました」

 大人になって縁遠くはなっていたものの、幼馴染とも言っていい間柄。これをきっかけに再び友人関係が復活するかもしれないと思いながら、渚さんはKさんとMさんの結婚式二次会へと足を運んだそうです。招待客は2人の会社関係者がメインだったそう。社内結婚ということもあり、かなり内輪で盛り上がっていたようです。

◆男女でペアになってゲームスタート

「私が見知った顔はいなかったので、小中学の友達で招待されたのは私だけだったようですね。正直、かなりアウェイ感はありましたが、2人をお祝いする場なのでそれは別にいいかな、と。ただ、途中に挟まれたゲームコーナー……あれが、ちょっと面倒だったんですよ」

 それは、新郎新婦それぞれの友人たちから独身の男女を5名ずつ選出し、ペアになって行うというミニゲーム。事前に何も聞かされていなかった渚さんですが、司会者と新郎新婦に強引に参加を促されてしまいました。

私とペアになった男性は、40歳手前くらいのいかにも奥手そうなYさんという人でした。Kさんの同じ部署の先輩にあたる人だそうです。他の4組のペアは私と同い年くらいな感じだったのですが、全員新郎新婦の同僚だったみたいで、顔見知り同士わいわい盛り上がってる感じ。私の相手も悪い人ではなさそうだったのですが、私はわりと人見知りなのでどうしても戸惑いの方が大きかったです」

 ゲームは2人で協力してトイレットペーパーを早巻きするとか、マシュマロキャッチなどのごくシンプルなもの。しかし、渚さんはゲームの途中でふと気づきました。何だか他のペアがわざと失敗しているような雰囲気があったのです。

「私のペアも何度か失敗はしつつも、他のペアに比べるとわりと順調にゲームをクリアしていってたんですよ。周りがあまりにもミスりすぎてて。おかしいな、と思っていたら司会者のひと言でハッと気づきました。『お二人は初めて会ったのに息がぴったりですね! これはもしかして運命なのでしょうか』とか言ってるんですよ。これ、もしかしてお膳立てされてるのかな? って」

◆完全に二人をくっつけようとしている

 結局、見事に優勝した渚さんYさんペアは賞品としてディズニーのペアチケットを貰いました。しかし、マイクを持った新郎から「必ず二人で行って、写真を撮ってくるまでが条件です!」と言われて渚さんはゲンナリ。完全に二人をくっつけようとしている空気が会場に満ちていて、恐怖すら感じてしまったそうです。

「そもそも、その時の私には結婚を前提に付き合ってる彼氏がいたんですよ。Mちゃんに再会した電車の中でそんな話はしなかったので、新郎新婦が知らないことは仕方がないんですけど……。でも私にもし彼がいないにしたってお節介がすぎるし、Yさんにも失礼じゃないですか」

 それでも、晴れの場を白けさせるのはよくないと思った渚さんは、そこでは黙ってチケットを受け取りました。歓談タイムになったのを見計らって、意を決してYさんに話しかけたところ、Yさんはちゃんと察していたようで、ディズニーチケットを2枚とも渚さんに渡してきたそうです。

「Yさんはすごくいい人でした。『あんなこと言われても困っちゃうよね。誰か別の人と行ってきなよ』って言ってくれて。彼氏がいることを伝えたら、『そりゃそうだよね。KもMも絶対に彼氏いない子だからって言い張ってたけど』って申し訳なさそうに、後輩たちが勝手なことしてごめんねって」

◆いい人すぎるYさんの対応。それに引き換え新郎は……

 聞けば、Yさんはいつも会社で彼女がいないことをイジられるらしく、『Yさんに彼女を作ろう』企画はもはや社内の定番になっているのだとか。このご時世にそんなノリのことをしている会社があるのか……と、長年フリーランスで働いていた渚さんはカルチャーショックを受けたそうです。

実際のところ、Yさんも周りに言ってないだけで、付き合ってる人がいたんだそうです。あまり詮索(せんさく)されたくなくて黙ってるんだとか。そろそろ転職を考えていて、それが上手くいったら結婚するつもりだと、こっそり教えてくれました」

 しかし、Yさんが渚さんにチケットをあげてしまったことは新郎新婦にバレてしまいました。渚さんは帰り際に「Yさんとディズニーに行くことに不満でもあるのか」と新郎に詰められるという結果に

「彼氏がいるとか、そういう説明をする気持ちも、Mちゃんを祝う気持ちもすっかり失せてしまいました。チケットは『そういう風に思われるのでしたら受け取れません』と返したのですが、それも『失礼だ!』と怒られてしまいまして……。それ以降、Mちゃんとの連絡も途絶えてしまいましたが、致し方ないと思いますね。Yさんがあの会社を辞められて、無事に幸せな結婚をしていることを願っています」

 幸せのお裾分けはありがたい(?)ことですが、無理やりの押し付けはほどほどにして欲しいものですね。

―結婚式のトンデモ話―

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama

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この記事のみんなのコメント

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  • 過去の職場で、彼氏作れと言ったり、社内の人とくっつけようとする人、居たなぁ。 こういう人って、勝手にかわいそうとか思ってるんだろうね。余計なお世話。 この記事の男性は、人間関係が嫌での転職だったりして。

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