ライバルがベンツやBMWなら仕方ない? 新型ゴルフの不満点
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
◆ライバルはメルセデスやBMW!
VWゴルフといえば、ドイツの大衆車メーカーがゴルフ好きのために作ったクルマだと思うかもしれませんが、ドイツ語のゴルフには湾や入り江という意味があり、車名の由来は「Golf Strom」(メキシコ湾流)だそうです。英語だと「Gulf Stream」。スポーツのゴルフじゃないんですよ! そんなゴルフが8年ぶりにフルモデルチェンジしました!!
永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆新型ゴルフが“いいクルマ”なのは300%認めるけども……
かつて、日本で一番売れてる輸入車ブランドと言えば、テッパンでVW。モデル別だとテッパンでVWゴルフだった。
ところが近年VWは、メルセデス、BMWに次いで3位に落ち、ゴルフもトップの座を譲っている。
ゴルフが輸入車ナンバー1から落ちたのは、5年前の’16年から。その背景には、その前年に明るみに出たVWのディーゼル不正事件によるブランド力の低下があった。
◆デカく高くなりすぎたゴルフ
ほかに要因があるとすれば、ゴルフはデカく高くなりすぎたんじゃないか。先代ゴルフの全幅は1800㎜。つまりクラウンと同じ。価格も年々上がり、車両本体300万円超えが当たり前になった。ここまでデカくて高いなら、もっとイバリの効くベンツやBMWにしよっか、となったのではないか。
ゴルフの美点は、合理的で高品質という点にあったけれど、ここまで高級化すれば、ベンツやBMWとガチで戦わなければならないのである。
思えば先代ゴルフ(7代目)と初めて対面したときは、「あまりにも平べったすぎる!」と思ったものだ。幅を広く平べったくするのは、スーパーカーのデザイン手法。ゴルフはスーパーカーになろうとしている! そんなの間違ってる!
◆先代と新型を比較すると…
ところが新型ゴルフ(8代目)を見ると、ますます平べったくなっている! ほとんどヒラメかカレイのように平べったい。ゴルフは狂ったか!と思ったが、データを見ると全幅は1790㎜。先代より10㎜狭くなっていた。
つまり新型ゴルフが平べったく見えるのは、ヘッドライトをますます薄くするなどの、デザイン技法によるのですね。全幅の拡大に歯止めがかかったのは、リリパット国ニッポンの住民として喜ばしい。
◆パワートレインも全面的に変更
加えて新型は、パワートレインも全面的に変更されている。
従来の主力は1.2Lや1.4Lのガソリンターボと2Lのディーゼルだったが、新型ではディーゼルが消え、マイルドハイブリッド付きの1Lと1.5Lのガソリンターボになった。
ハイブリッド王国ニッポンの住民としては、欧州製のマイルドハイブリッドがなんぼのもんじゃい、という気持ちはある。まずは1.5Lターボから試乗だ。
うおおおお! なんじゃこりゃあああああ~! すんげーイイ!
アクセルを踏んだ瞬間からグっと前に出るこの感覚は、ハイブリッドモーターの働き! そこからも必要十分以上に速いっ!
◆乗り味の良さは異次元!
もっとすごいのは乗り心地だ。まさにフラットライド! 路面の凹凸をすべて吸収してしまうみたいに、ものすごく乗り心地がイイ。コーナーを攻めても、姿勢はウルトラ安定している。曲がる曲がる、いくらでも曲がるっ! つい箱根のクネクネ道でコーフンし、クネクネ走ってしまいました。
燃費はさすがに国産ハイブリッドに完敗ながら、この乗り味の良さは異次元! まさに完璧な乗用車である。さすがゴルフ! やられたぜ!
が、値段を見て驚愕した。370マンエンですか~~~~~っ!
その下の1Lモデルで312万円。こっちでも加速は十分だったけど、サスペンションがお安いヤツになるので、異次元の乗り味はかなり消えていた。やっぱ異次元はお安くないのですね。新型ゴルフの素性のすばらしさは300%認めるが、370万円はキビシイ。輸入車ナンバー1の地位奪還も、若干キビシイのではないだろうか。
◆アウディA3のトップモデルに乗って、さらに驚愕
後日、兄弟車にあたるアウディA3のトップモデル、S3セダン(2Lガソリンターボ・310馬力)に乗って、さらに驚愕した。いま全世界で買えるクルマのなかでも最高レベルで乗り心地がイイ! そしてメチャメチャ速い! 箱根のクネクネ道でクネクネせずにはいられない! しかし、こちらのお値段はなんと661万円!
やっぱりいいものは高いってことですね。当たり前ですが。
◆【結論!】
安全装備の進化や操作系のデジタル化で、お金がかかるのはわかりますが、VWゴルフの価格がここまでお高くなると、「ならベンツやBMWにしよっか」が加速するのではないか。ものすごくいいクルマなんだけど。
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com
◆ライバルはメルセデスやBMW!
VWゴルフといえば、ドイツの大衆車メーカーがゴルフ好きのために作ったクルマだと思うかもしれませんが、ドイツ語のゴルフには湾や入り江という意味があり、車名の由来は「Golf Strom」(メキシコ湾流)だそうです。英語だと「Gulf Stream」。スポーツのゴルフじゃないんですよ! そんなゴルフが8年ぶりにフルモデルチェンジしました!!
永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆新型ゴルフが“いいクルマ”なのは300%認めるけども……
かつて、日本で一番売れてる輸入車ブランドと言えば、テッパンでVW。モデル別だとテッパンでVWゴルフだった。
ところが近年VWは、メルセデス、BMWに次いで3位に落ち、ゴルフもトップの座を譲っている。
ゴルフが輸入車ナンバー1から落ちたのは、5年前の’16年から。その背景には、その前年に明るみに出たVWのディーゼル不正事件によるブランド力の低下があった。
◆デカく高くなりすぎたゴルフ
ほかに要因があるとすれば、ゴルフはデカく高くなりすぎたんじゃないか。先代ゴルフの全幅は1800㎜。つまりクラウンと同じ。価格も年々上がり、車両本体300万円超えが当たり前になった。ここまでデカくて高いなら、もっとイバリの効くベンツやBMWにしよっか、となったのではないか。
ゴルフの美点は、合理的で高品質という点にあったけれど、ここまで高級化すれば、ベンツやBMWとガチで戦わなければならないのである。
思えば先代ゴルフ(7代目)と初めて対面したときは、「あまりにも平べったすぎる!」と思ったものだ。幅を広く平べったくするのは、スーパーカーのデザイン手法。ゴルフはスーパーカーになろうとしている! そんなの間違ってる!
◆先代と新型を比較すると…
ところが新型ゴルフ(8代目)を見ると、ますます平べったくなっている! ほとんどヒラメかカレイのように平べったい。ゴルフは狂ったか!と思ったが、データを見ると全幅は1790㎜。先代より10㎜狭くなっていた。
つまり新型ゴルフが平べったく見えるのは、ヘッドライトをますます薄くするなどの、デザイン技法によるのですね。全幅の拡大に歯止めがかかったのは、リリパット国ニッポンの住民として喜ばしい。
◆パワートレインも全面的に変更
加えて新型は、パワートレインも全面的に変更されている。
従来の主力は1.2Lや1.4Lのガソリンターボと2Lのディーゼルだったが、新型ではディーゼルが消え、マイルドハイブリッド付きの1Lと1.5Lのガソリンターボになった。
ハイブリッド王国ニッポンの住民としては、欧州製のマイルドハイブリッドがなんぼのもんじゃい、という気持ちはある。まずは1.5Lターボから試乗だ。
うおおおお! なんじゃこりゃあああああ~! すんげーイイ!
アクセルを踏んだ瞬間からグっと前に出るこの感覚は、ハイブリッドモーターの働き! そこからも必要十分以上に速いっ!
◆乗り味の良さは異次元!
もっとすごいのは乗り心地だ。まさにフラットライド! 路面の凹凸をすべて吸収してしまうみたいに、ものすごく乗り心地がイイ。コーナーを攻めても、姿勢はウルトラ安定している。曲がる曲がる、いくらでも曲がるっ! つい箱根のクネクネ道でコーフンし、クネクネ走ってしまいました。
燃費はさすがに国産ハイブリッドに完敗ながら、この乗り味の良さは異次元! まさに完璧な乗用車である。さすがゴルフ! やられたぜ!
が、値段を見て驚愕した。370マンエンですか~~~~~っ!
その下の1Lモデルで312万円。こっちでも加速は十分だったけど、サスペンションがお安いヤツになるので、異次元の乗り味はかなり消えていた。やっぱ異次元はお安くないのですね。新型ゴルフの素性のすばらしさは300%認めるが、370万円はキビシイ。輸入車ナンバー1の地位奪還も、若干キビシイのではないだろうか。
◆アウディA3のトップモデルに乗って、さらに驚愕
後日、兄弟車にあたるアウディA3のトップモデル、S3セダン(2Lガソリンターボ・310馬力)に乗って、さらに驚愕した。いま全世界で買えるクルマのなかでも最高レベルで乗り心地がイイ! そしてメチャメチャ速い! 箱根のクネクネ道でクネクネせずにはいられない! しかし、こちらのお値段はなんと661万円!
やっぱりいいものは高いってことですね。当たり前ですが。
◆【結論!】
安全装備の進化や操作系のデジタル化で、お金がかかるのはわかりますが、VWゴルフの価格がここまでお高くなると、「ならベンツやBMWにしよっか」が加速するのではないか。ものすごくいいクルマなんだけど。
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com
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- 6/27 8:52
- 日刊SPA!
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この記事のみんなのコメント
2

あきひろ
6/27 13:39
ワーゲンのマーク隠したらホンダにしか見えんな😂でもターボとモーター両方付くのは豪華で良いですね。
4Gぃの白狐
6/27 13:08
ゴルフ自体、攻めた走りをする車では無いので、一番安いグレードで良いのでは?ゴルフも高くなったもんだ。今や300万越えとは!Σ( ̄□ ̄;)メルセデスやBMWと変わらん価格付けが!Σ(×_×;)!