上司に気に入られる服や態度のルール。元・銀座のNo.1ホステスが教えます

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「上司は、自分の話は聞いてくれないけれど、別の同期の言うことは聞き入れている気がする」
「仕事は一生懸命やっているのに、なぜか上司は自分を評価してくれない」
そんな風に思ったことはないでしょうか? 

 上司の評価を左右する要因は多々あるなか、最も評価を左右するものは“印象”だと語るのは、臨床心理士・公認心理師として活動する水希さんです。

 水希さんは、かつては一般企業のOLとして働いていたものの、過労により、うつ病を発症。退職を機に、銀座ホステスとして働いた経験を持っています。今年5月に『銀座No.1ホステスの 上司の評価が上がる知的なルール』を出版した水希さんに、「上司からの印象をよくする方法」について聞きました。

◆印象をよくするためには「相手を安心させること」

 どんなにいい仕事をしても上司が認めてくれない。
 正当な理由があり、誰から見ても正しいことを上司に指摘したとしても、上司に採用してもらえない。
 そんなとき、つい「この上司に問題があるせいで、自分が不利な立場に置かれている」とイライラしてしまう人も多いかもしれません。でも、「上司が評価してくれない理由は、上司があなたに抱いている印象が悪いからかもしれない」と語るのは、臨床心理士の水希さんです。

「人が思っている以上に、あなたの評価はあなたが周囲に与える印象が決めているものです。相手に一度悪い印象を抱かれると、いかにあなたが提出した資料やドキュメントのクオリティが高くとも、いかにアイディアやひらめきにすばらしい斬新さがあったとしても、適正な評価が与えられません」(水希さん、以下同)

 では、どうしたら上司に与える“印象”をよくすることができるのでしょうか? そのなかで、まず水希さんが大前提として提案するのは、「いかに上司のやり方を覚え、相手を安心させるか」です。

「会社組織に入った以上、『私はこの会社の一員だという意識を持っています』と示して、相手に安心してもらえないと、どんなに良い仕事をしても評価されません。なぜなら、組織に属する人は、集団の輪を乱し、集団の生存確率を下げる可能性がある人を嫌うからです。原始的な言い方をすれば、自分たちと同じやり方ができるかどうかで、本能的なレベルで『こいつは自分の集団に入れる仲間かどうか』を判断されているのです。安心と恐怖が並んでいれば、安心を取りたくなるのは人の本能。上司に『この人は大丈夫だな』と安心されないことには、信頼されないし、評価もされません」

“仕事は業績で評価されるべき、それ以外は自由であるべき”という“正論”は今っぽいですが、現実には上司の好みで左右されることにみんな気づいているはず。しょせん会社なのだから、好印象なアピールをしておくほうが、自分の意見を通しやすい。水希さんのアドバイスは、そんな現実を踏まえているようです。

◆服装を「業界基準」に合わせて、仲間であることをアピールする

 ならば、上司に安心してもらうためには、どんなことが必要なのでしょうか? まず、最も変化が表れやすいのは「服装」だと水希さんは語ります。

「会社に入社した以上は、まずはその会社の中で“評価したくなるファッション”を心がけましょう。こういうと、オシャレな恰好をして目立てばいいのかと考えるかもしれませんが、その逆です。その会社や業界の人が身に着けているのと似たような方向性の服装をすることで、『私はあなたたちの集団に入りたいです。この集団に馴染もうとしています』という自己表現につながります」

 業界特有のルールは、上司や先輩を見ればだいたい判断がつくはず。このように、服装を「業界標準」に合わせることは、「自分が仲間である」という周囲への重要なアピールになるそうです。

「たとえば、流行に敏感である広告代理店に入社したのに、真っ黒なリクルートスーツで通っていたら、『この人はトレンドに関心がないのかな?』と判断されてしまいます。一方、銀行などの金融や保険業界だったら信頼感が大事なので、服装で個性を出すべき余地は少ないと言えます。こうした業界で働くのであれば、黒いスーツで通っていても、決して違和感はありません」

 着たい服は、休日に着ればいい。職場での服は、自分の評価を下げてまで個性を出さなくていいのです。

◆服装は、上司・先輩と似た方向性で「彼らより目立たないこと」が鉄則

 服装を通じて、「集団に馴染もうとしている」とアピールをするなかで、注意するべきは、「上司や先輩よりも目立たないこと」です。

「組織の中では『低い地位の人は高い地位の人よりも組織において、洋服や外見の規範、ルールに従わなければならない』という暗黙の了解があります。どんな組織でも、上に上がれば上がるほどに、裁量は大きくなり、ふるまいの自由度は上がっていきます。上下関係、上司は上司、部下は部下という立場をしっかりと示したいのならば、上司よりも自由な服装をしているのはNGです。地位にあった服装をしておくことで、『上下関係がわかっている=まずは社会人としての常識がある』と評価されやすくなるのです」

 どうしても、先輩や上司より目立つ格好やいい格好をしたいという人は、彼らのメンツを無意識に潰しているので、「ライバルとして見られる可能性がある」と自覚を持つことが大切です。

「もちろん職場の雰囲気次第ではそこにライバル心などが生まれず、おしゃれであることを褒められてよい印象を作って評価されることもあります。ただ、社内にいるお局様など『絶対その人よりおしゃれに着飾ってはいけない』という人物がいる場合は、気を付けましょう」

◆何も考えないですむ「フォーマット」を作ろう

 とはいえ、忙しい毎日の中で、着ていく洋服を考えるのは、多くの人にとっては面倒なもの。学生時代の制服のように、毎日同じ服を着ていくわけにもいかないなか、対策として水希さんが語るのは、「組織人らしさが出て、なおかつ外れないフォーマットを作って、それをひたすら繰り返す」というテクニックです。

「まず、会社員の女性であるならば『白シャツ+スカート+ジャケット』というフォーマットは、答えのひとつになるでしょう。スーツでなくても、ジャケット一枚はおれば『きちんと感』が出ます。私自身は、日頃、ワンピースを着用することが多いのですが、そういったときもジャケットでフォーマル感を調整しています。少し主張のあるデザインでも、ジャケットがほとんどの部分を隠してくれるので楽ですね」

 そして、水希さん自身が会社員自身に実践していたのは、「4色のスーツを制服のように着まわす」というもの。

「仕事のための洋服にお金も時間をかけたくなかったので、グレー・紺・茶・ベージュの4色のスーツを買って、着回していました。月曜日に着たものを金曜日にも着ることはありますが、多くの人は人の着ているものを覚えていません。2日連続で同じものでなければ、違和感を持たれたことはありませんでしたね」

 4色揃えておくことで、「明る目の服が着たい」というときはベージュ系にして、「今日はビシッと気持ちを引き締めたい」というときには黒や紺で。「目立ちたくないな」という日はグレーにするなど、気分に合わせて印象を調整していくこともできるとか。

◆身体の向きと姿勢は一生モノの武器

 洋服で印象を整えた後、次に気にするべきは「身体の向き」と「姿勢」の二つ。

「なぜ、『身体の向き』と『姿勢』が重要視されるのかというと、相手から一番目につきやすい大きな領域だからです。体を向ける方向や足先は人間の無意識を表すため、身体や足先が話をしている人の方向を向いていないと、『この人は話に興味がないのかな?』という印象を与えます」

 仮に、上司が自分の方向を見て話していなくても、自分の身体や視線は上司の方向を向けておくのが得策。姿勢も同様で、ピンと背筋が伸びていると、「あなたの話を真面目に聞いています」という無意識のアプローチになるそうです。

「銀座ホステス時代、ママから私が最も厳しく言われたのも、この『身体の向き』と『姿勢』でした。お客様のお話がたとえ退屈だったとしても、相手のほうに体ごと向けて、ずっと視線も送って、『あなたに興味がありますよ』と向きと姿勢で示していたのです。おかげで、私はいまだに人前では猫背になれません。どんなときでも人の前では話をしている人の方向に顔を向けて、背筋をピッと伸ばして聞く癖がついています。無意識に身体の向きや姿勢を常に美しく保つことができれば、一生使える武器になります」

◆腕組みや髪を触るなどの「緩和動作」はNG

 誰しも、苦手な上司と対峙するときは、多かれ少なかれ緊張をしてしまうもの。しかし、そんなときに注意したいのが「緩和動作」を取らないことです。

「人は緊張すると、その緊張を緩和するために『適応的動作』といって、自分の緊張をなだめる行動を無意識にとるようにできています。腕を組んでしまう、髪を触ってしまう、何かを握りしめている……どこかを触ったり、閉じたりすること。こうした不安を解くような動作をすると、『この人、自分に自信がないのかな?』と勘違いされてしまいがちです。たとえば、腕組みは、なだめ行動であると同時に、防御の姿勢だと言われています。本人にとっては安心する動作も、相手には『防御・拒絶のサイン』だと解釈されてしまいます」

 無意識の行動に自ら気がつくことは難しいもの。ただ、上司に怒られているときなど、肝心な時にこそ、より姿勢や身体動作を意識することが大切です。

「手を横にピッとつけて、背筋を伸ばし、身体の動作を固定してしまえば、無意識の適応的動作を取らずに済みます。たとえ怒られたとしても、相手に悪い印象を抱かせないためには、上司と対峙するときは無意識レベルで、その姿勢を取れるようにしておくのが理想的です」

 日頃何気なく行っている些細な行動や習慣に配慮するだけで、上司からの評価は驚くほど上がる可能性も。ぜひ、実践してみてはいかがでしょうか?

【水希さん プロフィール】
東京中央カウンセリング代表。臨床心理士・公認心理師。社会学修士号・教育学修士号。一般企業で広報・PRの仕事に従事する中で、過労から内臓疾患とうつ病を発症する。その後、銀座でホステスに転身、人気No.1となる。自身のうつ病体験から心理士となり東京中央カウンセリングを開業。近著に『銀座No.1ホステスの上司の評価が上がる知的なルール』

<文/女子SPA!編集部>


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