「親に挨拶までして 、2年も同棲したのに…」男がどうしても結婚に踏み切れなかった理由

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「あなた、お帰りなさい♡」いつも不機嫌な妻が、不気味なほど優しくなったのは…


例年より遅い梅雨入りとなった東京。その日も1日中、しとしとと雨が降り続いていた。

そんななか、同棲中である彼氏の礼央と一緒に買い物へ行った帰り道のことだった。

「奈津美。ごめん、結婚できない…」

雨音のせいだろうか。礼央の放った言葉が、最初はうまく聞き取れなかった。

「ごめん礼央。なんか言った?聞こえなかった」

急に、周囲が静かになる。

土曜日の夕方の中目黒駅前は、心なしか人通りが少ない。

「奈津美のことは好きだし、こうして一緒にいるのはいいんだけど、結婚はできない」

つい先日、34歳になった私。誕生日を祝ってくれた際に、私は彼にとどめを刺していた。「今後どうするか、ちゃんと考えてね」と。

4年も交際していたし、当然結婚すると思っていた。

でも、礼央が出した答えは違った。

思わず落としてしまった買い物袋が、雨に濡れている。頬をつたっているのが雨なのか涙なのかわからぬまま、呆然とその場に立ち尽くした。

交際4年、同棲2年。結婚するのが当然と思っていた男女が崩れた理由

Q1:同棲する前に、ちゃんと挨拶に来た男。この時の気持ちは?


礼央と出会ったのは、4年前のこと。男友達に声をかけられて参加した食事会だった。

カッコいい上に優しい2つ年下の礼央に、私は惚れ込んでしまったのだ。

出会ってすぐに交際に発展したものの、当時私は実家暮らし。礼央は転勤で福岡にいて、遠距離恋愛だった。

2年ほど前に礼央が東京へ戻って来ることになり、そのタイミングで私も実家を出て、同棲をスタートさせた。

同棲をするにあたり、礼央はわざわざ実家へ来て、私の親に挨拶をしてくれたのだ。

「奈津美さんとお付き合いをさせていただいている、中尾と申します」

深々と、両親に頭を下げる礼央。

最初、私の両親は同棲に反対だった。「嫁入り前の娘が、何を言っているの?」と聞く耳さえ持ってもらえなかった。

でもわざわざ挨拶に来てくれたのがよかったのだろう。爽やかで誠実な礼央を、私の両親はすぐに気に入った。

「将来のことは、考えているんですか?娘もいい年齢ですし…」

父の鋭い質問に対し、礼央は真顔で答える。

「結婚を前提に、お付き合いさせていただいております。同棲も、中途半端な気持ちではありません」

— そうなの!?礼央、そうなのね!!

思わず、叫びたくなってしまった。「結婚を前提に」という礼央のこの言葉が、どれほど嬉しかっただろうか。

「お父さん、お母さん。私も結婚する気でいるから、礼央と一緒に暮らすことを許して欲しいの」
「まぁそこまで真剣に娘のことを考えてくれているのであれば…」

両親も認めてくれ、晴れて同棲がスタートした。

すでに両親への挨拶も済んだわけだし、私の中ではこの同棲は“プレ結婚生活”のようなものだった。

でも、礼央からすると、この同棲の意味は違ったのだろうか…?


「ねぇねぇ、ちなみに結婚はいつくらいを考えているの?」

引っ越し当日。礼央と一緒に住めることが嬉しくて、荷ほどきをしながら私は尋ねた。

「まぁ1~2年後くらい?」
「本当に!?期待して待っているね!」

この時、たしかに礼央には結婚する意思があったはずだ。

「奈津美、荷物多くない?」
「そうかなぁ」
「アルバムまで持ってきたの!?」
「そうそう!見る?中学の時のアルバムかな。私ね、すごくモテたんだよ〜。この男の子も、この男の子も私のこと好きだったの」

作業の手を止め、アルバムを広げながら昔の自分を話す。自慢じゃないが、私は可愛かった(今も可愛いと言って欲しいけれど)。必然的に、すごくモテた。

「ちなみに成績も良くて。さらに吹奏楽部の部長だったんだよ。すごいでしょ?」
「へぇ〜。すごいね」

興味のなさそうな反応をする礼央がつまらなくて、私は話し続ける。

「ちょっと礼央、聞いてる?次、高校のアルバムも見る?そこでも私モテてさ」
「奈津美、可愛いもんね」
「ありがとう♡」

たわいない話も、優しく聞いてくれる礼央。そんな彼が、本当に好きだった。私たちはとても仲良くやっていたし、同棲はうまくいっていたはずだった。

順調だった二人の生活。親に挨拶までしたのに、結婚できないと思った理由は!?

Q2:男が「この女とは結婚できない」と思った理由


この2年間、もちろん喧嘩することもあった。でもそれは、別れる決定打になるようなものではない。

例えば、家事の分担とか、どちらかの帰りが遅いとか。その都度私たちはちゃんと向き合い、解決してきた。

それに趣味も合うので、晩酌をしながらいろんな話をした。その時間が、私にとっては最高に幸せだった。

「このワイン、美味しいでしょ?知り合いの社長さんからもらったんだ。その人、有名な飲食店の経営者で。仲良しだから、特別にくれたの」
「何系の店なの?」
「イタリアンで、都内にいくつも店舗があるんだよ。そうだ、今度そのお店一緒に行こうよ。事前に社長に連絡しておく!私が行けば、ワイン1本くらいサービスしてもらえるんじゃないかな」

私は、知り合いが多いと思う。だてに20代、港区界隈でたくさん遊んできたわけではない。

「今度、京都に行かない?知り合いに、京都好きの人がいて。予約の取れない名店の席を持っているから」
「それ、俺が行ってもいいの?」
「うん、いいでしょ。でも礼央って京都詳しい?」

私は、京都が好きでもう何度も行っている。だから京都の良さを礼央に伝えたく、熱弁を振るった。

「あまり詳しくはないかな」
「もったいない!でも京都は詳しい人と行くに限るんだよね。行けるお店も全然違うから、行くなら私と一緒に行こうね。京都在住の友達もいるし、京都へわざわざ食事をするためだけに通っているおじさんたちもたくさんいるから。そのコネで、どこかいいお店にも行けるはず」
「コロナが落ち着いたらね」
「そうだね。いつか行こうね」

でもその“いつか”は、訪れなかった。


そして迎えた、私の34歳の誕生日。同棲を始めるときに「1~2年後に結婚かな」と言っていたのに、もう2年の月日が過ぎようとしている。

「礼央、将来のこと考えているの?」
「考えているよ。ちょっと待って」
「わかった。でも私だって、いつまでも待てないからね?他の男のところに、行っちゃうよ?こう見えて、結構モテるし」
「知ってるよ、奈津美がモテることは」
「だから急いでね」

別に、誰でもいいから結婚したいわけではない。私は、礼央だから結婚したいのだ。

それなのに、重い腰をなかなか上げようとしない礼央。私の気持ちを、ちゃんとわかっているのだろうか。

「礼央ってさ、肝心なところで物事投げ出す癖があるから心配だよ」
「わかってるよ」

「わかってるよ」と言っていたのに、出した答えは“結婚できない”だった。

もしかすると、結婚に対して私がはっぱをかけたのが悪かったのだろうか。でも、そこまで強くは言っていないはずだ。

「なんで?親に挨拶までしたじゃない。2年も同棲して、楽しかったはずでしょ?」

だがどんなに泣きついても彼の決意は変わらないようで、だた「ごめん」と言うばかり。

結局、1ヶ月後に家を出て行ってしまった。

何がいけなかったのか、未だにわからずにいる。


▶前回:「あなた、お帰りなさい♡」いつも不機嫌な妻が、不気味なほど優しくなったのは…

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男が結婚に踏み切れなった理由とは?

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