小説家・松井玲奈「“産みの苦しみ”がこんなに大変なんだって思いました」

拡大画像を見る

ジョージ・ウィリアムズ、安田レイがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生放送番組「JA全農 COUNTDOWN JAPAN」。6月19日(土)の放送は、松井玲奈さんが登場。4月に発売したエッセイ集「ひみつのたべもの」(マガジンハウス)のこと、さらには作家としての活動について語ってくれました。


(左から)安田レイ、松井玲奈さん、ジョージ・ウィリアムズ


◆いつかエッセイを書くなら“食べもの”で!
――エッセイ集「ひみつのたべもの」を4月に発売されましたが、食をテーマにしようと思ったのはなぜですか?

松井:私は食べることが好きで、映画やマンガ、小説にしても食べものが出てくる作品がすごく好きなんです。自分がいつかエッセイを書くなら“食をテーマにして書きたい”という思いがありました。

――食べものが出てくる作品が好きなのは、なぜですか?

松井:食べものを使って何かを表現するのって、(作品を)撮っている人や作っている人の“食に対する向き合い方”がすごく表れると思っていて。それぞれの人が持っている食に対する姿勢、向き合い方がすごく興味深かったので、無意識的にずっと観ていたんだと思います。

――「ひみつのたべもの」には、最初と最後だけしか写真が入っていないですよね。食にまつわるエッセイで写真が入っていないのはどうしてですか?

松井:私自身がこれまで触れてきた、食をメインにしているエッセイでも、写真や挿絵が入っていないものが多かったので。自分で作るときも言葉だけで全部伝えたい、表現したいという気持ちが強くて、写真を入れることは最初から考えていなかったですね。

――食べものを取り上げるときは、自分の記憶から書いているのですか? 文章を書くためにもう1回食べながら書いたりしましたか?

松井:それはなかったです。小説のなかに食べものが登場するときは、実際に1度食べて、主人公の気持ちや情景をどう書いたら食べものが効果的になるかな、って考えながら食べることはあるんですけど、エッセイに関しては、基本的に自分の記憶のなかにある食べたものの一番美味しい部分、例えば、ステーキだったら“噛み応えがあった”“油がはねていた”とか、匂い、目の前に出てきたときにどんな気持ちだったか……そういうことを思い出して書くことが多いです。

――記憶が全部残っているんですね。メモを取っているわけでもなく?

松井:はい、でも記憶力はすごく悪いです(笑)。このエッセイのなかでも“天津飯を食べたことがない”って書いたんですけど、実は食べたことがあったのが判明して……多分、美味しいものに対する記憶力は、ほかのものと別にしてファイリングされているんだと思います。でも、天津飯はそこまで自分に刺さっていなかったので、別のファイルに入っていたんじゃないかなと(笑)。

◆小説、エッセイに続いて挑戦したいのは…
――「ひみつのたべもの」に続いて、5月には作家デビューとなった短編集「カモフラージュ」(集英社)が文庫本で発売されました。これはどういった短編集ですか?

松井:この短編集も、すべての物語に食べものが関係しています。ストーリーは、出てくる登場人物たちが、みんな何か隠していることがあって、物語が進んでいくなかでそれが剥がれ落ち、新しい自分や本当の自分が見えてくる、っていう短編が詰まっています。

――これが初めての小説ですが、スラスラと書けましたか?

松井:スラスラと書けたものもあれば、すごく苦戦したものもありました。

――実際に書いてみていかがでした?

松井:物語を書くって本当に大変なことなんだなって。いままでお芝居をしていると、台本をいただいて1の状態のものをみんなで協力して100にして、いいものを作っていく作業をしてきたのが、初めて自分で“0を1にする”という作業をして、“産みの苦しみ”がこんなに大変なんだ、っていう気持ちになりました。ですが、書いたものを読んだ人たちが「面白かった」と言ってくださったり、反応が返ってくることがうれしいですね。

――反応が戻ってくるまで、心配はありました?

松井:ありました。完成してから世に出るまでの期間は、“本当にこれでよかったかな?”“もっとできることがあったかな?”って、不安な気持ちが大きかったです。

――テイストの違う7作品が入っていて、最初からスゴい挑戦だなと思いました。

松井:長編を先に書くことは、体力的に多分できないだろうなと思って。走るのと一緒で、短距離、中距離、長距離と(順を追って)走らないとフルマラソンは走れないので、まずは短距離で走ってみようと。そして、自分の書きたいものをいっぱい書いてみようと。自分としてはハードルをさげて、飛べるものから飛んでいくみたいな気持ちで書いていました。

――エッセイと小説、松井さんにとってはどう違いますか?

松井:小説は物語なので、自分とは切り離して架空の人物を物語のうえに乗せて走らせていくんですけど、エッセイは自分を切っていくというか、日常であったことや、こういうものを食べたとか公開日記を書いているような感覚で人に伝えたり、誰かとしゃべっているような感じで書くのがエッセイかなと思っています。

――小説、エッセイと書いてきて、次に書きたい作品はありますか?

松井:いつかは脚本を書いてみたいなと思います。映像作品や舞台作品など、“脚本にできたら面白そうだな”っていうものはすでにありますね。

【番組からのお知らせ&プレゼント】
次回6月26日(土)放送の「JA全農 COUNTDOWN JAPAN」は、EGO-WRAPPIN'の中納良恵(なかの・よしえ)さんがゲストに登場! そして、愛媛の「河内晩柑」を3名様、または産地直送サイトやJAタウンで使える「JAタウンギフトカード(4,500円分)」を1名様にプレゼントします。番組Webサイトからご応募ください。

----------------------------------------------------
▶▶この日の放送内容を「radikoタイムフリー」でチェック!
聴取期限 2021年6月27日(日) AM 4:59 まで

スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です。⇒詳しくはコチラ
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:JA全農 COUNTDOWN JAPAN
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜 13:00~13:55
パーソナリティ:ジョージ・ウィリアムズ、安田レイ
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/cdj/

関連リンク

  • 6/24 19:30
  • TOKYO FM+

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます