【ネタバレ】ジブリ映画『魔女の宅急便』あらすじ&解説!原作との違いも

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ジブリ作品の中でも多くの支持を集める人気作『魔女の宅急便』。あらすじや原作との違いについて解説します!

『魔女の宅急便』あらすじ

自然の広がる田舎町で暮らすキキは、魔女の家系に生まれた13歳の女の子。自分も母のような魔女になりたい、と魔女修行を決意する。
魔女のしきたりでは、13歳になったら親元を離れ、魔女のいない街で一年間暮らさねばならないことになっており、キキは満月の夜、相棒の黒猫のジジをお共に、家族や友人たちに見守られながらほうきに乗って旅にでる。

やがて海辺の街「コリコ」に着いたキキ。しかし、人も建物も多い都会の様子は故郷とはまるで違い、戸惑う。パン店を営むオソノさんに気に入られ、居所を得たキキは、唯一の特技である飛ぶ能力を生かして「宅急便」の仕事をはじめる。

街の人々の様々な依頼を受けながら、失敗や挫折も乗り越えて少しずつ成長していくキキだったが……。

魔女の宅急便(1989)

魔女の宅急便(1989)

1989年/日本/103分

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原作は児童文学の名作

映画『魔女の宅急便』は、1985年に刊行された角野栄子の同名児童文学が原作となっています。
映画が公開された後、1993年に続編となる「キキと新しい魔法」が出版されシリーズ化。これまでにシリーズ6冊と特別編2冊が刊行されています。
2009年にはキキの子どもたちを主役にした「それぞれの旅立ち」が出版され、物語は完結。2016年には特別編としてコリコの住民らにスポットを当てた番外編「キキに出会った人々」と、2017年にはキキの幼少期を描いた「キキとジジ」が出版されました。

英語や中国語、イタリア語などに翻訳されており、映画の舞台のモチーフとなったスウェーデンでも翻訳版が出版されています。
日本だけでなく、世界中でたくさんの人々に長く愛される不屈の名作シリーズなのです。

映画化に関して原作者の角野さんは、キキが飛び立つときの「高い木にかけられた鈴を鳴らすこと」を物語に取り入れることだけをジブリ側にリクエストしていたらしいのですが、次第に映画が原作とかけ離れていってしまい、否定的な様子だったそうです(後に宮崎駿監督との交渉により和解)。
それだけに、映画と原作を比べてみると、その印象の違いに驚きます。

ちなみに「宅急便」はヤマト運輸の登録商標。執筆した当初角野さんはそのことを知らずにタイトルに使用したそうで、映画化にあたり製作側が協賛を呼び掛けたところ「(会社のマスコットでもある)黒猫が登場する」ことからスポンサーとして協力することになったのだそうです。

また、2014年には清水崇監督によって実写映画化(主演:小芝風花)されており、角野さんもパン屋の客とナレーションとして声の出演をされています。

魔女の宅急便(2014)

魔女の宅急便(2014)

2014年/日本/108分

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原作との違い

原作の「とんぼさん」は映画ほどチャラくない

映画版では、警察から職質を受けるキキを助けたことから知り合となった若者「トンボ」は、イマドキな服装で少し抜けたところとどこかヤンチャな雰囲気を併せ持つ都会風の少年です。
キャラクターの造形にあたっては、

「トンボのイメージは当時”今一番女の子にモテる少年”をベースに、①頭がいい②明るい③ちょっと不良がかっている・・・という条件を念頭に設定された」

出典元:https://kinro.ntv.co.jp/article/detail/202003majyo2

のだそう。

一方、原作ではキキより一つ年上なため「とんぼさん」と呼ばれ(本名はコポリ)、気弱で真面目な科学オタクの少年といった印象。キキに対しては「女の子」というよりもまず「空を飛べる」ことに興味がある様子。キキのホウキを盗んで飛ぼうとしたところをキキに見つかり、それが二人の出会いになります。

好きなことに夢中になりすぎて、ちょっとズレているところがあって、映画版のように女子との会話になれている風でもないんですよね。どちらかといえば積極的で行動派な映画版の「トンボ」とはむしろ真逆なキャラクターです。

ちなみにキキとは原作シリーズを通して次第に仲を深め、第4巻で恋人となり第5巻では遠距離恋愛を経て結婚、のちにキキとの間に双子をもうけます。

ラストの飛行船のシーンはプロデューサーの無茶ぶり?

映画版の白眉と言えば、やはりクライマックスの飛行船事故のシーンでしょう。制御を失った飛行船が街を破壊し、トンボをギリギリのところで助けるキキの決死の救出劇、と手に汗握るドキドキのワンシーンとなっています。
直前まで「空を飛ぶ」ことができなくなっていたキキが、再び「魔女」としての自信を取り戻す力強いシーンであり、お好きな方も多い場面ではないでしょうか。

ですが、原作にはこのようなシーンは一切ありません。
原作では、街の人々の様々なお届け依頼をこなし、成長したキキが一年の修行を終えて里帰りするというところで終わります(その後コリコの街に再び戻る)。

どうやら映画版では老婦人から贈り物をされたキキが涙ぐむところで物語を追える予定だったそうですが、プロデューサーの鈴木敏夫氏が「派手なシーンが欲しい」と要求したためにこの飛行船のシーンが追加されたそうです。

当時の制作スタッフは戸惑ったでしょうが、結果的に日本のアニメ史に残る素晴らしい名シーンになったと思います

Zeppelin

ウルスラとジジ

配達の最中、お届け物のぬいぐるみを落としてしまったキキが出会う、画家のウルスラ(映画では名前を呼ばれない)。
原作では、キキが絵のモデルになるという約束をするものの、コリコの街まで来ることはありません。
映画版では飛べなくなってしまったキキに助言するメンターのような存在として、原作よりも一層重要なキャラクターとして描かれています。

黒猫のジジは原作でも映画同様、キキの相棒として大切な存在ですが、会話ができないまま終わる映画版と違い、原作では二人はしっかりと意思の疎通を図り、原作の最終巻までキキとジジは相棒でい続けます。

映画と原作、それぞれに込められたメッセージの違いも比べながらそれぞれに触れてみるのもより作品の理解が深まるのではないでしょうか。

是非、両方合わせて楽しんでみてくださいね。

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