【見逃し厳禁】マーベル映画の監督による「MCU以外」のおススメ作品5選

拡大画像を見る

まさにマーベル映画は、現在のハリウッドで中核を成すほどのドル箱作品となっていますが、その監督は他にどんな映画を撮っているのでしょうか!? そこで今回は、マーベル映画の監督による「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)以外」のおススメ作品5選を紹介してみたいと思います!

クロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』

2021年11月5日に日本公開予定のマーベル映画『エターナルズ』で監督を務めているのは、今ハリウッドで最も期待されているアジア系女性監督のクロエ・ジャオです。

ジャオは、『ノマドランド』で第93回アカデミー賞の監督賞に輝いたことで世界的に注目され、これまでに女性が同賞を獲得したのは、『ハート・ロッカー』(2008年)のキャサリン・ビグローに続いて史上2人目という快挙を成し遂げました。

ジャオがメガホンを取った『ノマドランド』は、ジェシカ・ブルーダーの世界的なベストセラーとなったノンフィクション書「ノマド:漂流する高齢労働者たち」を映画化した作品。リーマンショックの影響で自宅を手放してキャンピング・カーで全米を移動しながら、季節労働の仕事を渡り歩くノマド(遊牧民)の生活を始めた女性ファーンを主人公に、彼女が出会う人々との触れ合いや厳しい現実がアメリカの美しい大自然を背景に綴られます。

現実とフィクションがクロスオーバーしたような映画

ノマドランド

ノマドランド

2020年/アメリカ/108分

作品情報 / レビューはこちら

ファーンが出会う人々は、実際にブルーダーが取材をした人たちが本人役で数人出演しており、現実とフィクションがクロスオーバーしたような『ノマドランド』はドキュメンタリータッチでストーリーが語られるだけに、その感動がリアルに伝わってくる映画です。

毎日、同じ職場に行って同じ顔触れに囲まれる平凡な生活を送っている人にしてみたら、過酷ながらも自由なノマドライフを送るファーンが羨ましくなる人もいるのではないでしょうか。思わず、自分の生き方を考えさせられてしまう『ノマドランド』は、2020年代を代表する作品になることは間違いないでしょう。

また、『エターナルズ』はジャオが得意とする、光を効果的に使った撮影法や演出が取り入れられているそうで、これまでのMCU映画とは一味違った1本になりそうです。

ジョン・ファヴロー監督の『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

MCUの立役者といえば、なんといってもマーベル・ユニバースを立ち上げた『アイアンマン』(2008年)と『アイアンマン2』でメガホンを取ったジョン・ファヴローに他ならないでしょう。

しかも、ファヴローは監督を務めるだけでなくハッピー・ホーガン役で出演もしており、トム・ホランドが主演する『スパイダーマン』シリーズにも同役で登場。さらに、『アベンジャーズ』シリーズでは製作総指揮を務め、MCUにおいて欠かせない存在となっています。

そんなファヴロー監督、実は料理愛好家として名高く、彼が監督&脚本&製作&主演をこなしたコメディ映画『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(2014年)は、監督の料理への愛がいっぱい詰まった作品。

本作の主人公は、オーナーや料理評論家と衝突して有名レストランをクビになったシェフのカール・キャスパー。今後の身の振り方を考え直した彼は、古いフード・トラックを購入して自分でビジネスをスタート。全米を横断しながら各地でオリジナルメニューを販売しつつシェフの原点へ回帰し、その過程で家族との絆も取り戻していく姿がハートウォーミングなタッチで描かれます。

MCU映画よりも思い入れが深い作品かも…!?

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

2014年/アメリカ/115分

作品情報 / レビューはこちら

本作には、『アイアンマン』シリーズに主演したロバート・ダウニー・Jr.と、『アベンジャーズ』シリーズでブラック・ウィドウ役を演じるスカーレット・ヨハンソンが友情出演しているのも見どころの一つ。

そして、ファヴローは『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』の延長線となるような、Netflixの料理番組『ザ・シェフ・ショー ~だから料理は楽しい!~』でも監督&製作総指揮&出演を務めており、こちらの番組にもMCU俳優が多数ゲストで登場しています。

とにかく料理が大好きなファヴロー監督にとって、かなり私的な作品となる『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』の方が、MCU映画よりも思い入れが強いと言えるかもしれません。

タイカ・ワイティティ監督の『ジョジョ・ラビット』

2019年に公開された戦争コメディ映画『ジョジョ・ラビット』は、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年)でシリーズの方向性をリブートし、高い評価を得たタイカ・ワイティティが監督&製作&脚本&出演で4役をこなした秀作。

第二次世界大戦下のドイツが舞台となる映画の主人公は、ヒトラー・ユーゲント(ナチス青少年団)の立派な隊員になることを夢見る10歳の少年ジョジョ。彼は想像上の友達であるアドルフ・ヒトラーに励まされながら厳しい訓練に励んでいたのですが、母親ロージーがユダヤ人の少女エルサをかくまっていたことを知って大ショック! 

その一方、エルサと親しくなるにつれてジョジョは次第に少女に惹かれていき、ヒトラーのユダヤ人差別は間違っていると気づいていく姿がみずみずしいタッチで描かれます。

ジョジョ・ラビット

ジョジョ・ラビット

2019年/アメリカ/109分

作品情報 / レビューはこちら

この時代を舞台に、ヒトラーが登場する映画はダークで重くなりがちになるのが常ですが、戦争を違うアングルから捉え、時にシリアスに時にはユーモアを交え、まったく異なる次元の作品仕上げたワイティティ監督の手腕には唸らされるばかり。

そのオリジナルな構成と説得力があるストーリーテリングが評価され、ワイティティはアカデミー賞脚本賞に輝きました。

ライアン・クーグラー監督の『クリード 炎の宿敵』

MCUで数少ないマイノリティの監督として活躍するアイアン・クーグラーは、アメコミ映画で初となるアカデミー賞作品賞のノミネートを果たした『ブラックパンサー』でメガホンを取った精悦です。

キャストのほとんどが黒人俳優を占める本作は、ブッチぎりの勢いで興行収益の記録を塗り替え、アメコミ・アクション映画の在り方を覆したと言っても過言ではないほど画期的な作品となりました。

『ブラックパンサー』でメガホンを取る前から秀作を生み出しているクーグラーは、終わったかに見えたボクシング映画『ロッキー』シリーズの設定を大きく一新したリブート版『クリード チャンプを継ぐ男』で、見事にフランチャイズを甦らせました。

クリード チャンプを継ぐ男

クリード チャンプを継ぐ男

2015年/アメリカ/133分

作品情報 / レビューはこちら

そのスピンオフ的な作品では、『ロッキー』シリーズの主人公ロッキー・バルボアの亡き親友、アポロ・クリードの息子アドニスを主人公に、ロッキーが彼をチャンピオンに鍛え上げる過程が熱く感動的に描かれます。

『ロッキー』シリーズをリアルタイムで応援してきたファンにも、シリーズを観たことがない人にも訴えかけるストーリーが素晴らしく、監督の演出により、ロッキー役でカムバックしたシルヴェスター・スタローンがアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた功績は特筆に値するのではないでしょうか。

ケイト・ショートランド監督の『さよなら、アドルフ』

『エターナルズ』で監督を務める『ノマドランド』のクロエ・ジャオに続き、マーベル映画で数少ない女性監督をもう一人紹介したいと思います。

『ブラック・ウィドウ』の監督に抜擢されたオーストラリア出身のケイト・ショートランドは、ハリウッドの巨額を投入した大作を手掛けるのは本作が初めて。その点はインディ映画出身のジャオと同じで、まったく毛色が違う畑から才能ある逸材を発見して引き抜く、目利きの高さもマーベル映画が成功している理由の一つかもしれません。

…と少し話がそれましたが、これまでにショートランドは、小ぶりながらも力強いメッセージを伝える作品作りで定評があり、特に2012年に公開された『さよなら、アドルフ』で世界的に注目されました。

本作は、レイチェル・シーファーによる小説「暗闇のなかで」の映画化となり、物語の舞台は第二次世界大戦で敗戦したドイツ。ナチスの幹部だった両親が拘束され、14歳の少女ローレは4人の幼い弟と妹と取り残されてしまい、900キロも離れた場所に住む祖母の家を目指すことに。

ところが、敗戦によりドイツにおけるナチスへの風当たりは強く、行く先々でローレたちは厳しい仕打ちを受けてしまいます。そんななか、旅の途中で出会ったユダヤ人青年トーマスに優しくされ…という展開で、ローレの心の変化が描かれます。

さよなら、アドルフ

さよなら、アドルフ

2012年/オーストラリア=ドイツ =イギリス/109分

作品情報 / レビューはこちら

“罪のない加害者”の視点で戦後ドイツを綴った本作は、前ページで紹介したタイカ・ワイティティ監督の『ジョジョ・ラビット』と共通したメッセージを伝えていると言えるでしょう。とはいえ、生々しく衝撃的な描写が多い『さよなら、アドルフ』は『ジョジョ・ラビット』と対極をなす存在で、MCUの監督がナチスを描いた映画として両作を比較しながら鑑賞したら新しい発見があるかもしれません。

それにしても、『さよなら、アドルフ』を手掛けたショートランドが、どのように『ブラック・ウィドウ』を仕上げているのか全く想像がつかず、かなり興味津々です。

関連リンク

  • 6/22 20:00
  • 映画board

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます