「株価を2倍にします」と宣言 アステラス製薬株が年初来高値のアゲアゲ!

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アステラス製薬の株価が2021年6月18日の東京株式市場で、終値で前日比31.5円(1.6%)高の1971円をつけ、2日ぶりに年初来高値を更新した。5月に発表した中期経営計画の内容を好感する買いが続いているほか、その後の希望退職の募集などの発表も投資家の関心を集めている。

週を明けても21日こそ日経平均株価の下落に引っ張られたが、日経平均が急回復した22日は一時、前日比4.7%高の1993円まで上昇し、再び年初来高値を更新しており、高水準を維持する可能性もありそうだ。

中期経営計画への評価高く

それでは5月26日発表の中期経営計画の内容を確認しておこう。2026年3月期までの5年間が対象で、重点戦略製品の投入や経営効率化などにより、最終年度の時価総額は、発表当時の約2.2倍の「7兆円以上を達成することが可能になる」としたのが特徴だ。

「可能になる」という表現ながら、中期経営計画で時価総額を事実上の目標として掲げたことは異例。別の見方をすれば「株価を2倍にします」と宣言したに等しく、株主に配慮する姿勢を鮮明にしていることが好感された。

中長期的な成長を支える重点戦略製品の記述も市場の評価を得た。たとえば、更年期ののぼせ、ほてり、発汗といった「血管運動神経症状」の改善を期待できる「フェゾリネタント」と呼ぶ製品について、ピークの売上高を3000億~5000億円と従来の2000億~3000億円から引き上げた。

SMBC日興証券は6月2日付のリポートで「今回の経営計画はフェゾリネタントへの期待を高めるだろう」と指摘した。経営計画ではこうした重点戦略製品の売り上げを2026年3月期に1.2兆円以上にする、との目標を掲げた。

販管費抑え、早期退職、開発費の増額に市場は好感

一方、経営効率化については業務のデジタル化の進展などにより、2026年3月期の販売管理費を2021年3月期と同水準の約3900億円に抑え、販管費率を同期間に31%から21%に低下させる。研究開発費については2021年3月期の2240億円から2026年3月期に約3500億円へ増やすとした。

経営計画の発表後、その内容の具体化とも言える発表が続いた。6月3日には450人を想定人員として希望退職を募集すると発表した。中期経営計画の実行に必要な組織などの見直しを行った結果、「早期退職優遇制度」を導入するとし、退職日は2021年12月末日。2021年3月期は減益ながらも1205億円の最終利益を確保し、2022年3月期に2090億円の最終利益を見込む中での人員構成の見直しを市場は好感した。

6月17日にはピーナツアレルギー向けワクチンの開発を中止すると発表。これに伴い、無形資産の減損損失215億円を計上する。短期的には結構な規模の損失となるが、中長期的には「時価総額7兆円」に向けた有効な施策だと受け止められ、株価を押し上げたようだ。

(ジャーナリスト 済田経夫)

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