多種多様な「からあげ」が集まる絵本に込められた思い…作家・キリーロバ・ナージャが子どもたちに伝えたいメッセージとは?

住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。“頑張るプロフェッショナルの女性の素顔に迫る”をテーマに、各界で活躍されている素敵な女性をゲストに迎えて話を伺うコーナー「Blue Ocean Professional supported by あきゅらいず」。6月21日(月)放送のゲストは、コピーライター・作家のキリーロバ・ナージャさん。今回の放送では、さまざまな個性を持つ子どもたちを応援する絵本「からあげビーチ」(文響社)について語りました。


(左から)キリーロバ・ナージャさん、住吉美紀



キリーロバさんはロシアのレニングラード生まれ。ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダの現地校で多様な教育を受けて育ちます。その後、日本の広告代理店に入社し、2015年には世界のコピーライターランキングで1位に選ばれました。

◆日本で暮らしてビックリしたことは?

住吉:ご両親のお仕事か環境の影響で、いろんな国を引っ越しながらお育ちになったんですね?

キリーロバ:そうですね。両親の仕事の関係で、小学生の頃は毎年違う国の学校に通っていました。

住吉:そうなんですね。最初に引っ越した国はどちらで、何歳ぐらいのことでしたか?

キリーロバ:7歳になるかならないかぐらいのときに、日本にはじめて来ました。

住吉:日本が最初だったんですか! ロシアから日本に来てビックリするようなことは、けっこうありませんでしたか?

キリーロバ:いっぱいありましたね。はじめての海外で言葉は通じないし、文化も違いましたので。学校に通っていくなかで、想像できないことが毎日起きました。すごく混乱しましたが楽しく過ごしました。

住吉:今覚えている、すごくビックリしたことって何ですか?

キリーロバ:たくさんありますが、まずは登校ですね。ロシアでは親と一緒に学校へ行くんですよ。

住吉:へええ!

キリーロバ:日本で親と一緒に学校に行ったらビックリされましたね。

住吉:ご両親もビックリされた?

キリーロバ:そうですね。

住吉:学校のなかだと何かあります?

キリーロバ:当時はみんな名札を付けていましたけど、名札は日本にしかありませんでしたね。

住吉:名札! たしかにそうですね。

キリーロバ:“クラスの子の名前はわかるのに、なんで名札を付けるんだろう?”って思っていました。あとは、クラスのみんなと教室で給食を食べるのも不思議な感覚でした。

住吉:ああ! 海外だとランチルームみたいな場所がありますもんね。ちなみに6、7歳くらいの年齢ですと、最初は変化が怖かったり不安があったりしますが、すぐに馴染んで楽しみはじめますよね。日本は性に合いましたか?

キリーロバ:そうですね。日本は、他の国よりもロシアと文化が違っていましたが、馴染みました。結果的に一番長く住んでいる国が日本になりましたね。


キリーロバさんは、企業イベントなどで「世界の教育システム」や「文化の違い」などの講演もおこなっています



◆多国の“普通”に触れて多くの視点を得ることができた

住吉:広告業界やコピーライターの仕事は、機微を言葉にして、みんなが思っているところを狙って売り込むじゃないですか? それを違う文化から来た人がするのは、本当にすごいことだと思います。仕事をスタートした頃は、失敗ってありましたか?

キリーロバ:たくさんありましたね。コピーを書くときは、別の側面を知っているから面白いアイデアが浮かぶのですが、そこを前面に出すとズレてしまって。逆に、違う文化を知っているので、新しい視点を提供できることもありました。そこのバランスを探っていました。“日本ではこういうのが面白いんだな”と(気づかされたり)、言葉遣いも含めていろいろ大変でしたね。

住吉:文化の狭間にいることで、誰とも違う寂しさを感じることはありませんでしたか?

キリーロバ:ありましたね。毎年違う国に移っていた頃は、ずっと思っていました。“これが普通だ”ってことが毎年変わっていくんです。そうすると“絶対的な普通”っていうものがないので、自分のなかで“私はこれが普通だ”ってことを発見していくしかありませんでした。発見できてから、いろんな“普通”と出会うのが楽しくなりました。自分は自分というか、“世界で1人だけの普通”を楽しめるようになってから、つらさが減っていきましたね。

住吉:なるほど。だからこそ、いろんな方の立場がわかるようになられたということですね。


佐賀・武雄でワークショップを開催したときのお写真



◆さまざまな個性を持つ子どもたちを応援する絵本を出版

住吉:キリーロバさんは、これまでの経歴を活かして絵本づくりをされています。今回ピックアップするのは、「レアキッズ(※)」のための絵本シリーズです。レアキッズという言葉を生み出された背景をお聞かせいただけますか?
(※)アレルギーを持っていたり、海外にルーツがあったり、左利きだったり……などと人と違う部分を持つ子どもたちのこと。

キリーロバ:先程お話したことになってしまうのですが、絶対的な普通ってないんですよ。みんなが違うからこそ、それぞれのよさがあることに気付いたんです。大人になると、人と違う部分こそが強みになったり、才能に変わったりすることがありますし。

例えば、人見知りで恥ずかしがり屋、海外にルーツがある、食べられないものがある……といった、個性的で人と違うレアな部分を持った子ども、つまりレアキッズはたくさんいます。レアな部分を“欠点”ではなく“勲章”として自分の強みにできる世の中になればいいなと思い、子どもたちにエールを送る目的で「レアキッズ」の絵本シリーズを作りました。

住吉:なるほど。今回はそのシリーズの1作目である絵本「からあげビーチ」(文響社)が目の前に置いてあります。表紙には大きくてかわいいからあげがビーチにいて、レモンを持っています。夏のビーチにやってきたからあげ家族。そこには、世界中からたくさんのからあげたちが集まってきて、「さあ、ころもをぬごう!」というストーリーです。

キリーロバ:ころもを着ているからあげは一見同じに見えるし、子どもからすると“からあげの肉は鶏肉だよね”って思っちゃいますよね。だけど実は、ころもの内側にはさまざまな中身があります。絵本には、中身がタコやサトイモのからあげがいたり、グルテンフリーのころもを着ているからあげもいます。

(外見は同じように見えても)中身は全然違うんだねっていうことを伝えたくて描いた絵本です。あとは、食の多様性もテーマに入っています。ベジタリアンとかヴィーガンとかハラール(イスラム法上で許されている食材などを指す言葉)とか、たくさんの食習慣を持った方がいるんだよ、ってことを子どもたちに伝えたいです。


キリーロバさんと今年5月に出版した絵本「からあげビーチ」



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聴取期限 2021年6月29日(火)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト: http://www.tfm.co.jp/bo/
特設サイト: https://www.tfm.co.jp/bo/aky/

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