■前回のあらすじ

財産分与を求めるとあっさり離婚に同意した悠一。社内での噂に悩まされながらも、それでも一人で生きていくことを頑張ろうとしていた矢先…。

悠一との離婚から1年後。

ようやく落ち着いた日々が戻ってきました。そんなある日のカフェでのこと…。

隣の席から聞こえてきた離婚話は、どこにでもありそうな夫婦の別れ話。ただあまりに自分と似た境遇に「まさかね…」と思いながら、つい聞き耳を立てていたのですがどんどん自分の話に思えてきて。さらにその人は高級取りだった元夫からの財産分与があり、財産の分与を請求していたそうで、余裕がある暮らしぶりがうかがえました。

そして何と…！

その瞬間、一気に忘れかけていた離婚のことがフラッシュバックしました。

私はずっと自分のことしか考えていませんでした。彼が結婚していると知ったときに自分が裏切られたとショックを受けましたが、そのときに彼の家族のことまで、深く考えることはなかったのです。

初めにこの人の夫を奪ったのは私――。

天罰が下ったんだ。そう思いました。

どうしてこんなことになったのか…。

何度も踏みとどまって考えるチャンスはあったはず。そのひとつひとつの機会に考えることを放棄し、自分のしていることに目をつぶってきた私。前の奥さんは、財産分与という形で区切りをつけたけれど、私はそれすらもできませんでした。

私が結婚と離婚で苦しい思いをしたのは、正しい道を選べなかった自分を見つめ直すためだったのかもしれません。

あの時もっと考えていれば…、あの時もっと…、未だに後悔をすることがたくさんあります。

それでも私は二度と自分の心を偽ることなく、そして誰かを傷つけることなく生きていきたいと思っています。

※この漫画は実話をべースにしたフィクションです