【万哲の馬場予報】スピードを磨いた距離延長組に向く舞台設定/ユニコーンS

【小田哲也(スポニチ)=コラム「万哲の馬場予報」】

■ユニコーンS(東京ダート1600m)

 土曜の東京は未明から雨が降り続き、ダートは午前9時54分の時点で「重馬場」に変更。日中も時折、雨が降る時間帯はあったが、継続的に強く降ることはなく、最終12Rまで重馬場で行われた。土曜現在は水が浮くようなことはなく、湿って時計が出るコンディション。土曜に東京で騎乗した騎手からは「硬く感じる」との声も出ていた。

 土曜は、ダート競走は6鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「3番手、4番手、3番手、2番手、2番手、15番手」。白毛馬ハヤヤッコが後方一気を決めた11R・スレイプニルS(ダート2100m)を除けば、好位組の活躍がとにかく目立った。スピードがフルに生きるコンディションで、Hペースにならなければ、簡単には止まらない。ちなみにハヤヤッコが勝った11Rは逃げたバスカヴィルが前半5F60秒5で飛ばして、先行勢には厳しく、後方勢が台頭した特殊な流れだった。

 日曜のユニコーンSの参考になるのは、同舞台で行われた9R・青梅特別だろう。昨年まではユニコーンSと同じ日に行われ、リンクすることが多いレースだった。今年の青梅特別はレース前半3F34秒8〜後半3F36秒4。Hペースに近い流れだったが、道中2番手にいた1番人気ウインドジャマーがあっさり抜け出して快勝した。勝ち時計1分35秒6は、同馬の過去最速(1分36秒7)を大きく更新。ウインドジャマーが強すぎた分、似たような位置にいた好位勢は崩れ、2着は4コーナー7番手の8番人気ヨンクが2着に届いた。ある程度ペースが落ち着けば、前の組に有利な状況。パワーよりもスピード、切れが生きる高速ダートといっていい。

 ただ、問題は土曜最終後の天気予報。土曜夜から再び雨が降り出し、日曜朝まで降り続く予報が出ている。日曜1Rの頃には雨は上がる見込みだが、1R発走時点では「不良」になっている可能性も高い。そして、ユニコーンSの頃には「重」か「稍重」まで回復する形か。前が有利な走りやすいダートとはいっても、前に行ける馬がカレンロマチェンコ、プロバーティオ、ゲンパチフォルツァ、地方馬イグナイターとそれなりに揃っている顔触れだけに、場合によってはHペース想定。こうなると、差し馬にも当然台頭の余地は出てくる。

 はっきりしているのは、優勝タイムが速くなる点。「1分35秒台前半」は確実だろう。1800からの短縮組よりは、1400や1200でスピードを磨いた馬の方が向く舞台設定かもしれない。

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2021/6/19 19:00

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