草木を覆いつくす白い物体 一面に広がるクモの糸に地元民衝撃(豪)

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激しい雨に見舞われたのはオーストラリアのビクトリア州で、道路冠水のほかに住宅98軒が居住不可能な状態になり、さらに住宅84軒が浸水被害を受けたと公表されている。

猛威を振るった暴風雨もさることながら、同州南東部に位置するギップスランド地域では驚きの光景が広がったことで話題を呼んでいる。

同地域で地方議員として活躍するキャロライン・クロスリーさん(Carolyn Crossley)は今月14日、自身のFacebookに1本の動画を投稿した。そこには薄く白いシルクの布のようなものが、背の高い木から地面に生える草まで全てを覆うようにして広がっており、風にあおられてフワフワと動いている。

遠くまで広がるこの光景は日の光の加減もあり美しいと感じる人もいるかもしれないが、実はこれ、全てクモの糸からできたものだという。よく見ると、白い布のように見える糸の集合体の上に小さなクモが点在していることが確認できる。

動画の後半にはカメラの近くにある白いポールが映っており、そこには無数のクモがうごめく様子も捉えられていた。キャロラインさんは「この動画を共有せずにはいられなかったですね。自然は美しいものですが、破壊的でもあります。家屋の浸水を引き起こし、農場や企業を混乱に陥れた激しい天候は、未だに300軒の停電を引き起こしています」と記している。

この動画には「素晴らしい。信じられない光景だね」「ちょっと気味が悪いけど、これはすごい」「確かにこれは撮影せずにはいられないよ」「直接見てみたかったな」と驚きや感嘆の声が寄せられた。

メルボルン博物館で昆虫学の学芸員として勤めるケン・ウォーカーさん(Ken Walker)は「ビクトリア州では、雨の多い冬の時期になると時折見られる光景です。クモは様々な種類の糸を作り出しますが、今回の“バルーニング(ballooning)”と呼ばれる行動に使われる糸は非常に細く、これを使用して風に乗って飛んで行くのです。クモたちは100キロの距離を飛ぶこともできるんですよ」と、今回の光景はそれほど珍しいものではないと明かしている。

続けて「今回の場合は急速に水害が広がったため、バルーニングで遠くへ逃げるのではなく、近くの植物の上へ逃げようとしたのです。バルーニングに使う糸は空気よりも軽いため、高い位置にある植物に投げ縄のようにしてひっかけ、それを伝って登っていたということですね」と説明した。

今回のように、膨大な数のクモが一斉にバルーニングを行うとお互いの糸が結合し、家を覆ってしまうほど大きなものになる場合もあるという。ケンさんは「映像を見る限り、何百万匹ものクモが作り出したものでしょうね」と推測している。

オーストラリアでは現在、ビクトリア州と隣接するニューサウスウェールズ州でネズミの大量発生が起きており、街や農家に深刻な被害が出ている。こうしたことから「ネズミの次はクモか!?」といった声も多数あがっており、新たな惨事に多くの人が溜め息をついているようだ。

画像は『Carolyn Crossley 2021年6月14日付Facebook「Couldn’t resist sharing this gossamer web billowing in the breeze.」』『New York Post 2021年6月15日付「‘Apocalyptic’ spiderwebs carpet Australia after flooding, mouse plague」(Reddit)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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  • Techinsight japan

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