「社会への不満は何ですか?」中年男性たちの怒りは、コロナ行政や上級国民へ

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 コロナ禍で揺れる日本。今、そのど真ん中で生きる中年男性たちは何を考えているのだろうか? そこでSPA!は、40~55歳の男性会社員3300人(既婚2500人、独身800人)の大調査を敢行。今回は社会篇。「社会に対して抱える不満は何ですか?」に寄せらてた回答からみえた中年男性たちの実像とは……。

◆社会に対して抱える不満は何ですか?

 現在の社会状況を考えれば当然の結果とも言えるが、中年の怒りの矛先は今、「コロナ禍での行政の在り方」にもっとも向けられている(3300人中48.6%が不満、複数回答可)。

 一方で、労働環境に不満を覚えている人は少なく、「『上級国民』のエゴ 27.5%」や「利権構造や責任逃れ 20.8%」といった、より政治的な問題に目が行く。

 実際、「オリンピックの人材募集の予算に象徴されるように、政治家と繋がっている人たちが甘い蜜を吸える。真面目に働くのが馬鹿らしい」(45歳・小売り)といった“上級”への憤りが寄せられた。

◆仕事の不満は解消しにくい

 こうした背景について、中年の抱える社会問題に詳しいフリーライターの赤木智弘氏はこう読み解く。

「40・50代になれば、社会的な評価や職場での地位が定まってくるため、自身の生活に密着した労働環境などの不満は解消しにくく、そこに不満を持てば逆にストレスになるだけ。代わりに、やり場のない怒りを、仕事とは直接関係のない社会的な“強者”にぶつけることで発散しがちになります」

 また、「ネット上の言葉の暴力 19.3%」に嫌悪感を露わにした中年も少なくない。

「ネットでは、一部のクラスターの意見に便乗してストレスをまき散らしているだけの主張も少なくない。彼らの怒りを鵜呑みにするとイタい中年になってしまうので、多くの人は賢明に対処していると思います」

◆年収の違いで結果に差

 さらに、年収の違いによって、結果に差が見られたのが「不満がない 13.4%」だ。内訳を詳しく見ると、年収1000万円以上で約10%に対し、年収300万円台では約16%と、なぜか低年収になるほど不満が減っていく現象が見られた。

「年収100万円、200万円台に比べ、『自分はまだマシ』と下駄を履かせているのかも。ただ、アンケートを通じて、身近な問題ではなくマクロな政治や国際情勢へ怒りを向ける傾向が強いのは気になります。

 僕らロスジェネ世代は、当事者が声を上げなければ誰も救ってくれない。だから、日本の未来より自分たちの将来を優先したほうがいい。『若い世代に同じ苦労をさせたくない』と言っているうちに、10年後に自分たちが見捨てられていたら本末転倒です」

 身近な暮らしを好転させるには、まず声を上げることが大切だろう。

◆「ニッポンの中年」社会の3か条

・自分の抱える不満から目を逸らさない
・ネット上の主張を鵜呑みにしてはいけない
・「社会のため」よりまず「自分のため」でいい

【フリーライター 赤木智弘氏】
貧困問題を中心に、社会に蔓延する既得権益層に都合のいい考え方を批判。著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』(朝日新聞出版)

<取材・文/週刊SPA!編集部 モデル協力/古賀プロダクション アンケート/クロス・マーケティングQIQUMOにて調査>

―[中年のお悩み白書]―


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  • 日刊SPA!

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