銀座初!? 間借りおにぎり専門店『美味むすびuma』の絶品おむすびを食べてきた

 既存店舗の空き時間を利用して、別の店や業態が活用する“間借り”レストランが近年増加中。間借りカレーや間借りラーメンなど、新たなグルメジャンルが生まれるなど、人気が高まっています。5月10日、銀座にオープンしたおむすび専門店『美味むすびuma』(うまむすびうま)もその一つ。

 何となく口に出して言いたくなる語呂の良い店舗名に誘われ、入り口のあるビルの2階へ向かいます。ここは元々、日本酒を愛する大人が夜な夜な集う隠れ家『囲炉裏割烹 ろばた』という店で、営業前のお昼の時間帯を活用して、『美味むすびuma』が間借り営業しているのです。

“シンプルな美味しさ”にあふれる最強のおむすび定食

 お店を営むのは、調理担当兼代表のけいこさんと、接客担当兼店長のなおこさん。財務省に約30年勤め、仲の良かった二人で退職後、新しいことにチャレンジしたいという思いがきっかけとなり、『美味むすびuma』を開業したそうです。

 以前より、知り合いの農家で栽培されている新潟県上越市のコシヒカリを取り寄せており、「この味を多くの人に知ってもらいたい」との思いも重なり、ご飯をたっぷり食べられる“おにぎり”にして提供することに。おかずにはなおこさん特製のスパイスから作るスープカレーと、けいこさん渾身の手作り総菜が脇を固めます。

 1個150gを目安に握っているそうですが、型からはみ出しまくっています。けいこさんは、「つい大きくなっちゃう」と茶目っ気たっぷり。

 炊き方、握り方にもこだわりがあり、手の中にしっかり包み込むように握っています。口の中に入れるとほろっとほどける絶妙さがポイント。

 日替わり総菜は、人気のからあげや卵焼き、備長炭で焼いたサバなど、どれもおむすびに合うおかずばかり。おむすびもからあげも、オーダーが入ってから握りたて、揚げたてを提供しています。

 おにぎりはシンプルな美味しさにあふれ、おかずなしで1個ペロッといただいてしまいました。程よい甘みと粘り、粒がしっかり立っていて、一粒ひとつぶ、もちもちっと存在感があります。

おにぎりだけじゃない! 唐揚げもカレーも専門店レベルの旨さ

 使っている岩塩は塩気にカドがなく、有明産の海苔の香りがこれまた食欲をそそります。これは、おむすび3個の「toraセット」にしておけばよかったかも!

 見てくださいな、このからあげ。「あれ、ここからあげ専門店だったかな?」と一瞬勘違いするほどビッグサイズです。幼児の握り拳よりも断然大きく、一見して100g近くありそうなほどの迫力。一応、50gを目安にカットしているそうなのですが、けいこさん曰く、「切っているうちに大きくなってしまって。でも小さいからあげって寂しいでしょ?」とこれまた愛嬌たっぷり。

 鶏肉の筋や脂身を丁寧に取り除き、カット後に塩を揉み込み寝かせています。余計な水分が抜けるため、身はしっとりしていて、噛み締めるたびに甘い脂がジュワッとあふれるのです。

 香味野菜の香りも良い塩梅。揚げたてをハフハフ言いながらかぶりつき、小気味の良い衣のサクサク感を堪能しつつ、おにぎりをパクッ。あぁ最高。抜群の相性ですね。

 ひじき、ネギ、昆布からとった出汁で作った玉子焼きは、どことなく懐かしさを感じさせる甘めの味付け。備長炭の香りをまとった鯖の焼き加減も絶妙です。

 スープカレーは玉ねぎと挽肉がたっぷり。程よくスパイシーで、コク深いです。ポジション的にはお味噌汁ですが、脇役っぽくなく、食べ応えもあり満腹感に満たされます。

 すべてのおかずが主役級の輝き。それに全く引けを取らないお米の凄み。コスパも最強で、非の打ちどころのないおむすび定食でした!

 なおこさんとけいこさんの温かで気さくな人柄と、「せっかく来たのだから、いっぱい食べていきなさいね」という心意気が、オープンして日は浅いですが、すでに銀座で働く腹ペコの男女に大好評。一人で来てもまるで家に帰ってきたかのような居心地の良い雰囲気で迎えていただけるのもうれしいですね。

 なお、おにぎり各種とスープカレーがテイクアウト可能。惣菜は店舗利用のみの提供になりますので、試してみていただきたいところ! ぜひ、銀座のおかんたちに会いに行ってみてください。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

●SHOP DATA

美味むすび uma

住:東京都中央区銀座6-4-5 土屋ビル2階「ろばた」内

営:11:30~14:00

休:金・日曜

https://twitter.com/umaumamusubi

https://www.instagram.com/uma.umamusubi/

2021/6/18 10:50

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