痛いくらいに切ない世界を浴びたい時に!恩田陸のおすすめ小説5選

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恩田陸さんの小説に共通するのは狂おしいくらいの「切なさ」の描写です。人は自分に纏わりつく心の痛みを同じくらい、もしくはもっと深いレベルの痛みを追体験することで癒そうとする部分があります。今、何となく辛い気持ちに襲われているなら恩田陸さんの世界に身を投じてみましょう。

恩田陸はミステリーだけじゃない!ジャンル多数なのに、全てが切ない

卒業証書 思い出 女子

恩田陸の作品は、郷愁を誘う描写・繊細で切ないのに後味が悪くない描写が特徴です。ミステリー・ホラー・青春もの・ファンタジー・SFなど執筆するジャンルは様々で作風がそれぞれ違いますが、全ての作品において登場人物たちへの切ない描写が必ずあるのです。恩田陸は執筆数がとても多い作家なので、あなたの好みの設定のものが必ず見つかるはずです。

六番目の小夜子

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恩田陸/新潮社/全1巻/完結

〇あらすじ
主人公潮田玲が通う学校には、3年に一度「サヨコ」が選ばれる。サヨコになった者は始業式に赤い花を生けること、誰にも知られずにサヨコを演じること、卒業式の日に次のサヨコを指名することが決められている。玲は次のサヨコに選ばれた幼馴染に役目を変わってもらい、人知れず始業式の日にしきたり通りに赤い花を生けに行く。しかし既に何者かが赤い花を生けた後だった。始業式に玲がやったわけではない事故が起こり、皆がサヨコの仕業だと騒ぎ立てる。そんな中「津村小夜子」というサヨコの名を持つ、謎めいた美少女が転校してくる。

〇おすすめポイント
恩田陸先生の初作品にしてその名を世に知らしめた名作です。誰が強制したわけでもないけれど、学校に伝わっているものに対する少女たちの好奇心と戸惑いが生き生きと描かれています。そこにあるのは必ずしも光の部分だけではなく、闇の部分もしっかり描写されていて一気に引き込まれます。過去にNHKドラマとしてドラマ化していて、謎の美少女転校生「津村小夜子」に栗山千明、主人公は鈴木杏、他に山田孝之・松本まりか・山崎育三郎と現在活躍されている方々がキャスティングされています。ぜひ発売されているDVDをチェックしてみてくださいね。

夜のピクニック

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夜のピクニック(新潮文庫) Kindle版

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恩田陸/新潮社/小説新潮/全1巻/完結

〇あらすじ
甲田貴子が通う高校では、全校生徒が1日かけて80kmを歩く伝統行事「歩行祭」が毎年行われていた。3年生になった貴子は、最後の歩行祭で3年間接点を持てなかった西脇融に話し掛けると決心した。そこには恋ではないけれど、貴子にとってとても大切な秘密が隠れていて…

〇おすすめポイント
実際にいくつかの高校で行われている「歩行祭」がテーマになっている本作は、特別な事件が起こるわけではないけれど少年少女の複雑な心理を瑞々しく描いています。貴子がある理由で融を意識していることで、周囲が恋愛絡みだと誤解してくっ付けようとしてしまう流れにむず痒い気持ちになるはず。何てことない行事なのに、何故か特別に感じる。誰しもが覚えがあるのに目を逸らしてきた青春時代の心が流れ込んできます。

〇2006年に多部未華子主演で映画化
多部未華子・石田卓也・郭智博・貫地谷しほり・柄本佑・加藤ローサ・池松壮亮他
本作の世界観を大事にしたキャスティングで、公開当時話題になりました。多部さん始めキャスト陣の丁寧な演技が観る人の心に響く仕上がりになっています。

夜のピクニック

夜のピクニック

2006年/日本/117分

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ネバーランド

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ネバーランド (集英社文庫) Kindle版

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恩田陸/集英社/全1巻/完結

〇あらすじ
寮付きの有名私立男子校では冬休みを迎え、事情のある3人の生徒を除き皆帰省していた。クリスマスイブの夜、通学組の統が加わり自分のことを語る告白ゲームを始める。楽しいノリで始まったゲームだったが、次第に4人はそれぞれの自分の重たい過去を打ち明け始め…

〇おすすめポイント
2001年に今井翼・三宅健のダブル主演でドラマ化し、話題になったことを覚えている人も多いのではないでしょうか。少年たちの繊細な時期の心情が、寮生活という特殊な空間の中で優しさと闇を携えて表現されています。恩田先生が表現する、危なげな世代の揺れ動く心の機微が響く作品です。

七月に流れる花

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七月に流れる花 (講談社タイガ) Kindle版

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恩田陸/講談社/講談社ミステリーランド/全1巻/完結

〇あらすじ
中途半端な6月という時期に夏流に転校してきたミチルは、友達ができないまま夏休みを迎えることになり寂しい気持ちで家路を辿っていた。そんな時図工の時間でミチルだけ描くことができなかった「夏の人」そして「みどりおとこ」らしき怪しい影に後を追われ逃げ纏う。手元には、呼ばれた子どもが必ず赴かなくてはいけない夏流城での林間学校への招待状があり…

〇おすすめポイント
少年少女向けに企画されていた「講談社ミステリーランド」に寄せられた作品で、少年視点から描いた「八月は冷たい城」と対になっています。子ども向けと言うにはおどろおどろしい、恩田先生ならではの柔らかさとおどろおどろしさが融合した作品です。夏は何だか明るいものだけではなく、得体の知れない何かを連れてくるような気がする、そんな子どもの頃の好奇心を満たしてくれます。かつて子どもだった大人にもぜひ読んで欲しい作品です。

八月は冷たい城

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八月は冷たい城 (講談社タイガ) Kindle版

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恩田陸/講談社/講談社ミステリーランド/全1巻/完結

〇あらすじ
光彦の住む夏流では毎年、夏流城で特定の子どもたちを招いた林間学校が行われる。その理由は大人たちから差し障りのないものを聞いてはいたが、光彦は納得できないでいた。呼び出された子どもたちと城に到着した光彦の目に飛び込んできたのは、首が手折られたひまわりの花。それは丁度城を訪れた子どもたちと同じ数。子どもたちの間にお互いを疑う不穏な空気が流れだし、事件が起こり出す…

〇おすすめポイント
先ほど紹介した少女視点の「七月に流れる花」と対になっている、少年視点の作品です。 毎年行われている、招待されると強制的に参加しなければならなくなる林間学校。冒頭で彼らが言う「もうすぐ、皆みなしごになる」という不穏な言葉。「七月に流れる花」の流れを汲みながら読み進めると、「みどりおとこ」にどんな秘密が隠れているのか童心が呼びよこされワクワクします。果たして無事に夏流城から光彦達は帰還できるのか、ぜひ見届けて下さい。

まとめ

恩田陸先生の作品をジャンルにこだわらず紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。恩田先生の作品は設定がディープなもの、闇深い印象のものが多く読むか迷われる人も多いと思います。しかし恩田先生の作品は嫌な感覚が尾を引かないのです。読後に残るのは、少しの爽やかさを含んだ切なさです。誰しもが持っている、抱きしめたくなるような愛しい気持ちが恩田先生の作品を読むと呼び起されます。切ない気持ちに浸りたいときは、ぜひ恩田陸作品を手に取ってみて下さい。

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