6歳でマリファナ、12歳で覚せい剤、壮絶人生を送った48歳女性のビフォーアフター(米)

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米ワシントン州タコマで生まれ育ったジニー・バートンさんは両親が薬物依存症で、7人の子を産んだ母親は麻薬の密売人だった。また父親は凶器を使用した強盗を繰り返し、ジニーさんが4歳の時に刑務所に収監された。

そんなジニーさんがマリファナを知ったのはまだ6歳の時。精神疾患を抱えていた母から勧められたもので、12歳で覚せい剤(メタンフェタミン)、14歳にはクラックと呼ばれる高純度の麻薬に手を出した。

16歳になると、ジニーさんは母から麻薬を買っていた客にレイプされ、17歳で一度目の自殺を図った。その後、別の男性との子を妊娠するも、子供の父親は銃で撃たれて死亡。しばらくすると2人目を妊娠して結婚したが、夫から毎日のように虐待を受けた。

21歳になるとヘロインを注射器を使って打つようになり、ジャックという名の男と一緒に不法滞在するメキシコ人の麻薬ディーラーを銃で脅しては薬物を手に入れた。彼らが警察に行けないことを知ってのことだった。

そして23歳になる頃には酷い薬物依存で苦しみ、薬を手に入れるためならどんなことでもやった。

ジニーさんは「そばを通り過ぎる人がいれば、カバンをひったくった。周りにいた誰もが私の獲物で被害者だった。車も盗んだし、誰かを銃で撃ったこともあった。それも全ては薬物を手に入れるため。そして子供を取り上げられたの」と振り返り、どん底だった当時の生活についてこのように述べた。

「シャワーは長い間浴びず、糞のような臭いのまま街をうろつくの。私が捕まって重罪判決を受けたのは17回、州刑務所には3度収容された。出所後はいつもやり直そうと思うけど、薬物が欲しくてまた同じ人たちのところに戻るわけ。2008年から2年9か月も刑務所で過ごしたのに、また手を出した。そうやって毎回『今回こそは薬物を断つ』と決めても、その日の午後2時には使ってるのよ。だから希望も何もなかった。『もう死んだほうがまし。誰か私の命を奪ってくれないかしら』と思っていたわ。」

そんなジニーさんが最後に逮捕されたのは2012年の12月で、これが人生の転機になった。ジニーさんは「これを機会に絶対に人生をやり直してみせる」と決意し、薬物乱用により犯罪を起こした人のための特別なドラッグコート(裁判所)のプログラムへの参加を願い出た。そして裁判官らの監視のもと薬物依存の治療や教育を受け、一切の薬物から足を洗った。

こうして再生を誓ったジニーさんは、地元でボランティア活動を始め、カトリック教会でホームレスや薬物依存者をサポートする仕事を5年間勤めると、ワシントン州シアトルのコミュニティカレッジ(2年制大学)に入学した。

ジニーさんは「クラスの中では一番年上だったし、かなり大変だった」と笑うが、40歳を過ぎて初めて学ぶことへの喜びを見出し「自分もやればできる」と実感できるようになったという。そしてその後、成績優秀者に与えられる奨学金を利用して同州のワシントン大学に編入。政治学を専攻し、48歳で学位を取得した。

なおジニーさんは卒業後、自身のFacebookに薬物依存で逮捕された2005年のマグショットと卒業式の時の写真を並べて投稿している。

2枚の写真はまるで別人だが、ジニーさんは「人生のどん底にいた私に手を差し伸べてくれた人たちにはとても感謝しているわ。そして私は48歳で大学を卒業したことを心から誇りに思っている。信じられないくらいにね」と述べると、このように続けた。

「何度も途中でやめようと思ったし、楽な道を選ぶこともできた。でも私はあえて困難な道を選び、『努力すればなんだってできる』ということを学んだの。」

「今になって昔の写真を見ると『あの頃の自分は間違っていた』と思う。だから大学卒業時の写真を見ると涙が出てくるのよ。だって私は本当に頑張ったから。」

「ただ私はこの7年間で、20人以上の薬物依存者の葬式に参列してきた。依存は死と隣り合わせなの。だからこれからも学ぶことを続け、将来は刑務所の改革を行いたい。依存者には罰するだけではダメ。私は薬物依存で苦しむ人たちに、希望を与えていきたいの!」

ジニーさんは最近、薬物依存症の治療を終えた夫クリスさんと一緒にシアトルから同じ州内のロチェスターに引っ越しており、今後はワシントン大学の大学院でガバナンスを学び、修士号の取得を目指すという。

画像は『KMTR 2021年6月11日付「From 12-year-old meth addict to honors college scholar: The redemption of Ginny Burton」(Photo: Ginny Burton)(KOMO)(King County Jail)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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  • Techinsight japan

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