世界的ベストセラーの映画化!『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズ解説

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ダン・ブラウンのベストセラーをロン・ハワードが映画化した「ダヴィンチ・コード」シリーズ。トム・ハンクス演じる大学教授が古典的芸術作品に隠された謎を解き明かして事件の真相や陰謀に迫る、知的好奇心を刺激する名シリーズです。映画シリーズ三作について解説します。

名画に隠されたイエス・キリストの秘密とは?『ダ・ヴィンチ・コード』

あらすじ

ルーブル美術館の館長ソニエールが館内で何者かに殺害される。遺体はレオナルド・ダ・ヴィンチによる素描「ウィトルウィウス的人体図」を模した形で横たえられていた。

ソニエールと面識のあった宗教象徴学者のハーバード大学教授ロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)は警察に捜査協力を求められるが、ダイイングメッセージに名前が残されていたことから、容疑者とみなされてしまう。しかし館長の孫娘で暗号解読官のソフィー(オドレイ・トトゥ)は、ダイングメッセージが「ロバート・ラングドン教授を探し出して彼に託せ」という意味だと読み解き、教授を助け出す。

やがて二人はソニエールが残したメッセージから、殺害の背景にイエス・キリストにまつわる秘密が関係していると知る。
ラングドン教授は警察の猛追をかわしダ・ヴィンチの名画に隠された暗号を読み解きながら、キリスト教最大のタブーに迫っていく……!

ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード

2006年/アメリカ/150分

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ダン・ブラウンの原作では『天使と悪魔』に続く二作目ですが、映画では一作目にあたります。

「モナ・リザ」「最後の晩餐」などのダ・ヴィンチの名画とキリスト教にまつわるさまざまな流説を絡ませた内容はミステリーファンから大いに支持され、世界的大ヒットを記録しました。

「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」との注意書きがあったことから、ローマ・カトリック教会から「イエス・キリストを冒涜している」として批判されたり、多くの研究者の間で論争を巻き起こすなど、物議を醸しました。

実際にルーブル美術館での撮影が許可された初めての映画でもあり、教会や史跡など世界的名所が登場するのも観光気分が味わえて楽しい。

コンクラーヴェ(教皇選挙)の陰でうごめく陰謀!『天使と悪魔』

あらすじ

ローマ教皇が死去し、次の教皇を決める「コンクラーヴェ」のために全国の枢機卿や信徒がバチカン市国に集まる。

その頃、次期教皇候補の4人が何者かに拉致され、バチカンには犯人から「一時間ごとに一人ずつ枢機卿を殺し、バチカンを滅ぼす」とのメッセ―ジが届く。
バチカン警察の捜査官から協力を依頼されたラングドン教授は、事件の背後に、教会に弾圧され迫害された科学者たちによる秘密結社「イルミナティ」が関わっていると推測する。
やがて、スイスの研究所から奪われた強大な威力を持つ「反物質」を使い、犯人がバチカンの消滅を目論んでいる可能性が出て来る。

タイムリミットが刻一刻と迫りくる中、ラングドン教授はカメルレンゴ(ローマ教皇の秘書長)であるマッケンナ司祭(ユアン・マクレガー)や反物質の研究者であるヴィットリア博士(アイェレット・ゾラ―)の協力を得、宗教と科学の長年の対立に触れながら、バチカンの危機を救うため奔走する。

天使と悪魔

天使と悪魔

2009年/アメリカ/140分

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原作では一作目にあたる『天使と悪魔』。映画一作目『ダ・ヴィンチ・コード』の成功を受け、原作とは時系列を変更した形で続編として作られました(そのため、教授が前作での活躍によりカトリック教会に目を付けられていたりする)。

黒幕となる人物の背景が変更削除されていたり、解決までのプロセスなどに原作と若干の違いも。脚本に『ミッション:インポッシブル』や『スパイダーマン(2002)』のデヴィッド・コープを迎え、前作よりもエンタメに振り切った宗教ミステリーとなっています。

本作で、重要な鍵となるのが秘密結社の「イルミナティ」。イエズス会の大学教育に反対したドイツの哲学者アダム・ヴァイスハウプトによって1776年に設立され、キリスト教に代わる自由思想や理性宗教の普及をはかったと言われています。
ドイツ南部とオーストリアで急速に拡大するものの、危険性を覚えたカトリック教会などらの働きによって設立から9年ほどで禁止されました。

解散後も陰謀論的な象徴として様々な著作に登場、実在の秘密結社「フリーメイソン」を支配している裏の組織、といった説を唱える陰謀論者も存在します。謎が多い組織だけに想像が膨らむのでしょうね。

映画では「宗教」と敵対する「科学」を象徴する存在として扱われます。しかしどちらが悪なのか、といった二元論的な話には着地しません。

宗教の欺瞞を暴き、科学の暴走を止める。あくまでも理性的なアプローチで、真相に迫る教授が印象的です。

過激思想のバイオテロを阻止せよ!『インフェルノ』

あらすじ

フィレンツェの病院で目を覚ましたラングドン教授。しかし記憶があいまいでこの世ならざる幻覚に悩まされる。
担当医のシエナ(フェリシティ・ジョーンズ)から頭部を弾丸がかすめたこと、そのせいで記憶障害が起きていることを告げられる。すると病院内に襲撃者が現れ、教授はシエナと共に病院を逃げ出すことに。

どうやらWHOや警察に追われているようだが、教授はまったく身に覚えがない。
自身の持ち物から小型プロジェクターを見つけ中身を映し出してみると、そこにはダンテの「神曲(時獄篇)」に登場する地獄をモチーフにしたボッティチェリの絵画に暗号が記された画像が収められていた。

やがて世界の人口増加を危惧したことから過激な思想に傾倒する実業家ゾブリストが、開発した未知のウイルスを用いてバイオテロを企てていることが判明。画像にはウイルスの隠し場所へのヒントが記されているとわかる。
教授は謎の殺し屋や警察に追われながら、テロを防ごうとイスタンブールへと向かうが……。

インフェルノ(2016)

インフェルノ(2016)

2016年/アメリカ/121分

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原作シリーズ四作目。ラングドン教授が一時的に記憶喪失となったことで、前二作よりも入り組んだミステリーとなっています。
幻想的でグロテスクな表現で、映画のテーマである「地獄」を視覚的に見せる演出も禍々しい。

フィレンツェのヴェッキオ宮殿やイスタンブールのアヤソフィアなど、ヨーロッパの史跡や博物館などの名所が登場し、古い建物の秘密の通路や入り口などが逃走経路として使われているのもわくわくしますね。

脚本は前作と同じくデヴィッド・コープが執筆しており、追うものと追われるものの攻防にエンタメ性を感じられる作品になっています。

ちなみに原作出版の際、流出をおそれた出版側が「外部に漏らさない」との誓約のもとに翻訳者を地下室に隔離して翻訳を行わせたという逸話があり、この実話をモチーフにして2019年には『9人の翻訳者 囚われたベストセラー』というスリラー映画が作られました。

9人の翻訳家 囚われたベストセラー

9人の翻訳家 囚われたベストセラー

2019年/フランス=ベルギー/105分

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