アマチュア無線連盟、27年ぶり会員増加 コロナ禍で「つながり」見直され

携帯電話やインターネットの普及で長らく下火が続いていたアマチュア無線の人気が復活の兆しを見せている。

愛好家の団体である日本アマチュア連盟(JARL)の2020年度の会員数が27年ぶりに増加した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、室内でできる趣味として見直されたとみられる。JARLが2021年6月10日に発表した。

JARLは、コールサインを持っていなくても会員になれる愛好家の団体。アマチュア無線に親しみながらグッズ収集などの趣味や愛好家同士の交流を楽しむことを目的としている。

JARL会員、1995年ピークに10年で半減

JARLの2020年度末の会員数は6万5788人で、前年同期比で574人増えた。JARLでは会員数を毎年度末で集計しており、増加に転じたのは1994年度以来と説明した。増加は「コロナ禍のステイホームを追い風に、会員増強活動が奏功した」とみている。

「自己訓練」や「技術的研究」を目的とするアマチュア無線だが、携帯電話が普及する前の1990年代半ばごろまでは、手軽なコミュニケーション手段という側面が注目され、95年3月末時点の「アマチュア無線局数」は136万4316局となり、ピークを迎えた。

しかし同年以降は、インターネットの加速度的な普及で、アマチュア無線局数は大幅減少の一途。2021年度末は38万6588局と、ピークの3分の1以下にまで落ち込んでいる。

JARLの会員数もアマチュア無線局数の減少と軌を一にして減少し、95年には19万人以上いたが、10年足らずで半減した。

JARLでは低落傾向からの反転を目指して、近年、特典の拡充などで会員増強活動を展開。また、2011年の東日本大震災など災害時にネットや電話回線が不通になった際にアマチュア無線が通信手段として重要な役割を果たしたことが存在のアピールにつながった。

JARLは、

「さまざまな施策に加え,積極的なPRを進めたことが実を結び、コロナ禍のステイホーム指向と相まって会員数の漸減傾向が改善した」

と話す。

デジタルを使った通信に押されているアマチュア無線だが、すでに開発が行われている第6世代(6G)移動通信システムや、特定の土地や建物で使われるとされるローカル5Gなど情報通信技術を学ぶための入門にもなる。JARLによると、アマチュア無線を重視している総務省は2021年3月、免許のない人でも、有資格者の指導でアマチュア無線ができるよう省令を改正。「社会におけるアマチュア無線の活用の場が広まり、親子や学校での体験機会拡大を通じてアマチュア無線普及し、さらにはICT(情報通信技術)人材育成に繋がることが期待されている」という。

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