『怪奇!YesどんぐりRPGちゃんねる』ほぼ無名のギャガーが芸人仲間から「ギャグユニットの正解を出した」といわしめる理由

 すでに群雄割拠の芸人YouTubeの中で、世間的にはほぼ無名の芸人たちがコンスタントに数字を稼ぎ、10万~50万PVを超えるものも多数ある。それが、3人のピン芸人から成るギャグユニット「怪奇!YesどんぐりRPG」だ。

 これまでまったくといっていいほど無名だった彼らは、「M-1グランプリ2018」の3回戦で披露した「プレイヤーチェンジ」のネタで、一挙に芸人の注目が集まった。

 同業者として覚えている事は当時、自分がどのライブ会場で芸人と話していても彼らのそのネタが必ず話題にあがり、「ギャグユニットの正解を出した」とまで言われていた事だ。

 特にギャグ中心でやっている芸人は、全員が「なぜこのパッケージを自分が思い付かなかったんだ」と嘆いていた。それほど、今までありそうでなかった、そして革命的な、コロンブスの卵的発想のネタだったのだ。

 そんな彼らが現在、世間的な知名度以上にバズっている理由は、旧時代の芸人と一線を画す、現代の芸人の闘い方をしているからである。旧時代の芸人が「ネタのおもしろさ」だけで勝負しているのに対し、彼らは「ネタのおもしろさ」と「ネタの拡散性」を考慮に入れて勝負をしているのだ。

 やや誇張していうと、彼らは賞レースをそこまで狙っていないはずだ。

 彼らは、M-1やキングオブコントの優勝ではなく、YouTubeやTikTokで戦略的にバズり、そこから芸能界で台頭する事を狙っているのだ。そのSNS攻略の武器として利用しているのが、上述した彼らのネタ「プレイヤーチェンジ」のパッケージである。

 「プレイヤーチェンジ」のパッケージは非常にシンプルで、1名がギャグを披露し、プレイヤーチェンジをして次の芸人に変わり、その芸人がギャグを披露する……という流れを繰り返すというもの。

 そのシンプル性ゆえ、一般の人でも簡単にみんなが誰とでも真似することができ、さらに、動画の時間も20秒程度に収まるため、非常に拡散性が高い。

 また、彼らのYouTube動画を人気順に並べてみると、知名度のある人気芸人とのコラボネタが上位にあがってくる。この「コラボ可能なネタだから、他の芸人とコラボしてPVを稼ぐ」という発想は、今でこそお笑い界に浸透しているが、自分の記憶ではお笑い界にその発想を浸透させた人間こそ、他ならぬ彼らであったはずだ。

 つまり彼らは、舞台のネタをSNSに連動させる事に成功した、パイオニアなのである。

 当時彼らがYouTubeでネタをコラボし始め、その手法が非常におもしろかった事から、やはり「その手があったか!」と、若手芸人の中で一気に「ネタのコラボ」という概念が浸透したように感じる。そしてそのコラボ作戦は大当たりし、結果、知名度以上の高いPV数を叩き出す事に成功しているわけだ。

 最近のお笑いブームにのってさらに露出を増やしている彼らだが、現在のテレビの使い勝手として、ギャグというジャンルはどうなのだろうか。

 個人的には、最近のテレビの「無名の芸人は、ネタでもトーク中でも、できる限り短い時間で笑いをとってくれ」という需要に、非常にマッチしていると感じる。

 そもそも芸人の感覚でいうと、「ギャグ」というネタの応用性は抜群に高い。ギャグとは「会話の流れに関係なくできる超ショートネタ」であり、かつ、「会話の流れに沿ってもできる超ショートネタ」なのだ。

 通常、ギャガーがギャグを作る際は、「喜怒哀楽を起点に発動できる」ギャグから作る。

 そうする事で、「言い合いになって怒った時」「誰かにたしなめられて謝る時」「ありがとうとお礼を言う時」など、「会話の流れに沿ってもできる」ようになり、ほぼどの状況でもギャグを差し込む事ができるようになるのだ。

 結果、ネタとしてのギャグだけでなく、トークの隙間、ロケコメントでの差し込み、ゲストへのギャグプレゼントなど、使い所が満載のギャガーに仕上がっていく。

 だがしかし、これは当然前提として「そのギャグが鉄板でウケる」という条件をクリアしていなくてはならない。

怪奇!YesどんぐりRPGのギャグの凄さ!

 その点でも、怪奇!YesどんぐりRPGは一歩抜きん出ている。彼らは「ギャグ」というネタを、猛烈に進化させている。従来のギャグは「動きとリズム」中心であったが、彼らのギャグは「動きとリズム」に加え、「答え合わせネタ」の要素も追加しているのだ。

 彼らのギャグの構成は「動きをフリ」にし、そのシチュエーションを最後の一言で伝え、「その答え合わせ」によって笑いにかえるというものだ。

 この手法を分かりやすくいうと、霜降り明星のネタの、せいやのボケと粗品のツッコミを1人でやってるようなもので、従来のギャグと比べて、抜群に台本がおもしろく、「ネタ」としての作品性を高める事に成功している、というわけだ。

 従来からある「ギャグ」のジャンルを、進化させ、パッケージ化し、かつ、SNSへの連動に成功した怪奇!YesどんぐりRPG。是非、彼らの活躍を、同ちゃんねるにてご視聴頂きたい。

 

  • 6/13 21:00
  • サイゾー

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