昔は宿場所としてにぎわった袋井市、歴史ある「遠州三山」を巡る

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 遠い昔、東西から行き交う人々の宿場所としてにぎわっていたといわれる、静岡県の真ん中にある袋井市。三つの寺院巡りとして、「遠州三山」が人気である。最近では御朱印を趣味で集める人が増え、全国から参拝客が後を絶たないときもある。寺院のうちの一つ「法多山尊永寺」は、厄除観音としても有名。境内で売られている厄除だんごは、徳川家定・第十三代将軍のころから名物という。今回は、そんな遠州三山の歴史深い魅力を紹介したい。

 まず初めに紹介するのは、遠州三山の一つである医王山油山寺。油山寺は、大宝元年に無病息災と人々の豊かな暮らしを願って開山された真言宗のお寺である。はるか昔、境内を流れている「るりの滝」で眼を洗うと病気が治ったことから、眼を守護する仏様を祀る寺として今もなお多くの人々から信仰されている。
 また、天狗の姿をした健足の神様が山の守護神であり、足腰の悪い参拝客からも人気だ。油山寺の山全体が豊かであり、奈良時代から変わることのない風景が国や県の重要文化財として登録されている。
 二つ目は、室町時代に恕仲天誾禅師によって開山された萬松山可睡斎である。境内には、三方ヶ原の戦いで武田信玄軍から逃れた徳川家康が隠れたとされる洞窟が今現在も残されている。また、可睡斎は東京ドーム約10個分の広さの敷地があり、季節に応じて咲く5万本の花も参拝客から人気が高い。
 年間行事として、1200体ものお雛様が天井近くまで飾られる「可睡斎ひなまつり」や、「風鈴まつり」といった山門から本堂までの2000個の風鈴小道など、見て楽しめる行事も有名である。
 最後は、厄除観音で有名な法多山尊永寺である。法多山は、1290年前に聖武天皇の勅令を受けて行基が開山し、有名な武将の信仰を得て栄えてきたといわれている。冒頭でも紹介した厄除団子は、全国から買いに求める参拝客も多く、期間限定の栗だんごやさくらだんごなど、朝から行列ができるほどの人気だ。
 また、7月に行われる万灯祭は1年で最もご利益があるといわれており、何千もの灯籠が奉納される。
 このように、遠州三山では昔ながらの古い歴史がありつつ、小さな子どもから大人まで楽しめる行事もある。四季折々の違った景色が楽しめるのが、遠州三山の魅力である。また、三つの寺院は同じ市内にあるため、遠い地域から訪れた観光客でもバスやタクシーで巡ることができる。今はコロナ禍でなかなか難しい状況とはいえるが、日常を忘れて自然に癒される遠州三山を、一度訪れてみてはいかがだろうか。(フリーライター・寺田紗千)

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  • 6/13 14:00
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