『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』 音を立てられない!緊張感MAXのスリラー待望の続編登場!

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音に反応して襲って来る“何か”に蹂躙された世界を舞台に、生き残ろうとする一家の必死の戦いを描いて世界中で大ヒットしたサスペンス・ホラーの続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(6月18日公開)。新たな命が加わった一家がさらなる危機に立ち向かう。観ているこちらも沈黙してしまうこの作品をご紹介!

『クワイエット・プレイス』について

©2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

2018年に公開された第1作は、『プロミスト・ランド』(2012)などに出演したジョン・クラシンスキーが2人の脚本家と共同で執筆した脚本を自身の監督で映画化したもので、彼の妻であるエミリー・ブラントが主演を務めた。

2020年。宇宙から来た“何か”によって世界中が混乱し荒廃していた。彼らは目が見えないが、その分聴覚が非常に発達していた。彼らは音がすると飛びかかり、人間を食っていた。呼吸の音すら聞き逃さない彼らによって人類は滅亡の危機に瀕し、世界は文字通り「死の静寂」に包まれていた。
そんな状況の中を、アメリカの田舎町に住むアボット一家は、知恵と努力と絆で生き延びていた。娘のリーガン(ミリセント・シモンズ)が聾啞者であることから元々手話になじみがあった彼らは、日常会話を手話で行なうことで音を立てずに意思の疎通を図ることができた。他にも、歩くことなど日常生活全般で音を立てない工夫を怠らず、この状況を切り抜けていた。だが、ある時、幼い末っ子ボーが誤って音を立ててしまったため、命を落としてしまう。それを自分のせいだと思い込んだリーガンは自分を責め続け、それがきっかけで一家の絆は弱まり始める。
1年後、リーガンが抱いていた疎外感は募る一方だったが、妊娠中だった母イヴリン(ブラント)が産気づく。出産の段階で音が出るのは間違いない。一家は安全な地下室に移動するが、“彼ら”はすでに一家の存在に気づいていた…。

限られた出演者や舞台で予算を抑え、設定と演出力で観客を最後まで映画に引き込む巧みな作り。登場人物たちと同様、観客も息の音すら立てられなく恐怖演出は見事。リアリティを重視したクラシンスキーの強い意向で、リーガン役には実際に聾唖者であるシモンズが起用された。
優れたサスペンスであると同時に家族のドラマもしっかり描き、さらには危機的状況陥った人々のエゴや危機感の欠如など、昨今のコロナ禍を予見したような部分もあり、深い内容の作品として仕上がった。
アメリカはもちろん世界中で異例の大ヒットを記録し、早い段階で続編の製作が決定していた。そしてついに、世界中の映画ファンの期待に応えて登場したのが、続編である本作だ。

『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』あらすじ(ネタバレなし)

©2019 Paramount Pictures. All rights reserved.

話は“始まり”の日にさかのぼる。町で平和な休日を過ごしていたアボット一家。しかし、突如上空に何かが現れ、さまざまな異変が起こり始める。町はパニックに陥り、人々は“何か”に襲われ次々に犠牲になる。混乱の中で一度は二手に分かれてしまった一家だったが辛うじて合流。その中で、一家は“何か”が音を立てたものを一瞬にして襲うという事実に気がつく。(前作はこの約3ヶ月後から話が始まり、さらにその1年後までが描かれる。そして、前作の物語の後へと、一気に話は飛ぶ)

父リー(クラシンスキー)の命や家と引き換えに新たな命を授かったアボット一家だったが、生まれたばかりの赤ん坊はどうしても泣いたりして音を立ててしまう。イヴリンは意を決して、新しい家を捜すため一家で旅立つことにする。何とか旅を続けてきた一家だったが、“何か”の襲撃を受けて廃工場へと逃げ込む。そこには、一家と顔見知りの男エメット(キリアン・マーフィー)が潜伏していた。かろうじて生き延びていた彼は、一家が危険を招くことを恐れてすぐに出ていくように告げる。
だが、リーガンは旅の間に“何か”の弱点に気がつく。さらに、ある所から音楽が発信されていることを知った彼女は、他の生存者たちを求めて発信源へと一人で旅立ってしまう。エメットはイヴリンに懇願され、仕方なくリーガンを連れ戻すため後を追い始める。しかし、状況は次第に悪化し、一家はさらに分断することに…。

このご時世にピッタリ(?)な沈黙型サスペンスと家族のドラマがさらに進化

NEW YORK, NEW YORK - MARCH 08: Djimon Hounsou, Millicent Simmonds, Cillian Murphy, Emily Blunt and John Krasinski attend the "A Quiet Place Part II" World Premiere at Rose Theater, Jazz at Lincoln Center on March 08, 2020 in New York City. (Photo by Mike Coppola/Getty Images)

前作よりさらに前にさかのぼった「エピソード0」的部分から始まり、一気に最新の状況へとジャンプする大胆な構成。赤ん坊の誕生が一家に生きる希望と生命の危機を同時に持ってくるという皮肉な設定。ますます微妙になる一家の絆。そして、他の生存者が住む“新天地”の存在…と、恐怖・サスペンス・ホームドラマ・アドベンチャーの各要素がさらに進展していく巧みな脚本。
前作では出ずっぱりだったクラシンスキーは、今回は冒頭部分だけの出演に抑えて監督により集中できたのか、続編映画にありがちな質やパワーの低下はまったくない。サスペンスとサバイバル・ドラマがバランスよく融合して互いを盛り上げるという、理想的な仕上がりになった。特に、「守ってくれる存在」だった父親を失ったことと、「守るべき存在」である赤ん坊が生まれたことで、二人の子供たちが生き残るため成長していく姿が丁寧に描かれ、緊張感あふれるメインのストーリーに人間ドラマとしての骨格をしっかりと作り上げている。
アボット家の面々は、長男マーカス役のノア・ジュープも含めて前作のキャストが全員続投。加えて、クリストファー・ノーラン作品の常連としてもおなじみの個性派俳優マーフィーが、一癖あるキャラのエメットを好演している。

日本に先駆けて5月28日に公開されたアメリカでは再び大ヒットを記録して好調なスタートきった本作。今回も、観ているこちらも音を立てないように身動きも取れなくなるような緊張感の中で堪能できる。もともと映画を観ながら大声で喋る人が(基本的には)いないため映画館では新型コロナウイルスの集団感染が発生していないと言われているが、その点でもまさに本作は現在映画館で鑑賞するにはもってこいの作品かも知れない。

生活音などに邪魔されることなく、映画館で「沈黙を堪能する」という不思議な楽しみ方もできる作品だ。

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