170円の豪華すぎる社食が話題のメーカー、「井上尚弥やパッキャオの拳」を作っていた

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 Twitterに投稿された、大量に積まれたステーキの写真が世間をざわつかせた。写真だけを見れば、ステーキ店のメニューなのかと想像する方も多いはず。だが驚くことに、このステーキの山は、とある会社で提供されている社員食堂のメニューらしいのだ。

 その会社は、広島県にある精密金属部品メーカー・株式会社キャステム。福利厚生の一環として、社食にかかる費用の大部分を会社が負担し、社員の負担はなんと一食170円のみ。

 他のツイートを見ても、かなり豪華な社食の写真が投稿されている。たった170円でこうした社食を食べられるとは、社員にとっては喜ばしい限りだろう。

 今回は、この写真を投稿した株式会社キャステムの商品開発担当・池田真一さん(Twitter:@IRON_IKEDA)に、会社の名物社食が生み出された経緯や、一体どのような仕事をしている会社なのかを伺った。

◆社食専属のシェフまで雇ってしまう、社食にかける熱い想い

 豪華な社食を安価で提供する社員食堂は、どうやって生まれたのだろうか。

「社長の『おいしいお昼ご飯を社員に食べさせてあげたい!』という想いから、この社員食堂は2018年4月1日にオープンしました。

 一般的には社食って外部委託する会社が多いですが、そうなるとどうしても低コスト化に走ってしまいがち。当社では、シェフをキャステムの社員として採用しました。それ以前は仕出しのお弁当をとっていましたが、社員のために献身的に料理に打ち込んでもらえる環境を整えたんです。それほど、社食への力の入れ方が強い社長なんですよ」(株式会社キャステム・池田さん、以下同)

 ボリューミーな社食が提供される背景には、社長の社食へかける熱意と、社員への温情があるようだ。

◆鰻や極厚牛タン、ローストビーフも…

 そして、その社員食堂では、『仲間と同じ釜の飯を食う』というコンセプトのもと、1日1種類のメニューが提供されているようだ。

「月曜日は1週間の始まりなので『よーい丼!』の日。水曜日は麺とお楽しみデザートの日で、金曜日は『おつカレーさま』でカレーの日です。あとは、極厚牛タン、藁焼きのカツオのタタキ、親子丼(イクラとサーモン)などが提供された日もありましたね。

 他にも、月に一回チャレンジデーというものがあり、ステーキやローストビーフ、鰻や『大人様ランチ』など、社員がさらに笑顔になるメニューを企画しています。

 また、1日1種類のメニューとは別に、カレーは毎日提供されています。アレルギーや好き嫌いでどうしても食べられないという人のために、『カレーがあれば丸く収まる!』という社長の鶴の一声でそうなりました。

 ちなみに、この度ツイートで話題になった大量のステーキは、【肉フェス~ステキなステーキ♡~】でのブラックアンガス牛の食べ放題でした。『今月もみんなお疲れ様!』というメッセージと、ひと月の予算をやりくりして余裕が出た分、社員食堂利用者への大還元祭となっています」

◆ユニークなのは社食だけじゃない!

 今回、豪華すぎる社食として注目を浴びることとなった株式会社キャステムは、そもそもどういった事業を展開している会社なのだろうか。

「本業は精密金属部品メーカーで、電車・工作機械・医療機器等、あらゆる産業の精密部品の製造販売を主軸としています。

 その技術を活かして、2017年から個人のお客様を対象としたアイデア商品の企画・製造・販売を開始しました。例えば『モンスターボール虫かご』、原作を完全再現した鋼製の『ロビンマスク』。

 令和元年には、日本最速の新元号グッズの発売にも挑戦し、新元号発表から2分27秒後に『令和ぐい呑み』を発売しました。この商品の反響は大きく、様々なメディアに取り上げられましたね」

『令和ぐい呑み』は現在、令和の文字の部分を名前や好きな言葉などに変更出来るサービスも行われている。

◆マニー・パッキャオや井上尚弥の拳を3Dスキャン

 今、特に力を入れている事業は何なのか。

「著名人の身体の一部や全身、歴史的な物を御本人から型をとったり、3Dスキャンしたりすることで作られる商品です。『History Maker』というブランドで運営しています。

 コンセプトは“その瞬間を永遠に”です。金属という永遠に壊れることのない材質で、手の血管やシワ、毛穴までも再現しています。地元の広島東洋カープの選手を題材にしたことからスタートしたブランドですが、マニー・パッキャオ選手や井上尚弥選手、長州力さん、STU48プロ野球選手など、多数の実績があります。

 当社で続けているのは、常識にとらわれないモノづくりへの挑戦。ありがたいことに今、これまでに無いグッズを次々と生み出していると、大変注目を受けています」

 そんな勢いに乗っている株式会社キャステムの今後の展望について伺った。

「『ロビンマスク』や『バナナハンマー』のように、想像の斜め上を行く商品を開発することが当社の“らしさ”だと思っております。これまでにない話題性抜群のヒット商品を次々と生み出していきたいです。

『バナナハンマー』に関しては、海外のメディアでも大きく取り上げていただき、アメリカや台湾、韓国などからも多く問い合わせがきています。今年から、海外に向けた販売にも力を注いでいきたいです」

——どうやらあの豪盛な社食は、社員のモノづくりへのパッションに繋がる原動力となっているようだ。

<取材・文/海老エリカ(A4studio)>


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