砕氷船の船員が見つけたフワフワの生き物 流氷の上を彷徨う犬に驚き(露)

ロシアの砕氷船「Alexander Sannikov」が北極圏にあるヤマロ・ネネツ自治管区付近を航海中、船のそばに白いフワフワの生き物が歩いている姿を見つけた。

この生き物はロシア北部やシベリア原産の犬「サモエド」であることが判明し、人里離れた流氷の上をたった1匹で彷徨う姿には船員たちも驚いたという。当時の様子は動画におさめられているが、犬は人に慣れていたようで、船員の姿を見ると嬉しそうに尻尾を振って近くに寄ってきた。

サモエドは寒い地域には慣れているが、鋭利な氷の表面で脚をケガしていたようで痛みを我慢しながら歩く姿が確認できる。この犬は流氷が海岸を離れる前にここまでやって来たようだが、発見時に流氷は離岸していたため自力でもとの場所に戻るのは不可能だった。

船員が地元の人に連絡を取ると、この犬は“アイカ(Aika、1)”という名前で、同地域の居住区域であるミス・カメンニー村で飼われていたことが分かった。飼い主のスヴェトラーナ・チャリーシュバさん(Svetlana Chereshneva)によると、アイカは先月21日に空いていたドアから出て行ってしまい、そのまま行方不明になったそうだ。

それから数日間、村人総出でアイカを捜し回ったが見つからず、スヴェトラーナさん一家は「アイカはもう戻らない」と覚悟した。流氷が海岸から離れ海に流れ出るシーズンでもあり「氷と氷の間にできた隙間に落ちてしまったのかもしれない」とスヴェトラーナさんは考えたという。

そんな中、アイカが見つかったという一報を受けたスヴェトラーナさんたちは「最初にアイカが映る動画を見せてもらった時は、体が氷に覆われて元気がなく、アイカだと認識することができませんでした」と困惑したことを明かしている。

船員たちはアイカを救出するために可動式の階段を降ろしたが、尻尾を振りながらも警戒しているようだったので、口笛を吹いたり名前を呼んだりして注意を引き、ビスケットを使って誘導した。無事に乗船できたアイカは多くの船員に囲まれると、安堵したような表情を見せたという。そしてアイカは大きなホバークラフトに乗り込むと、村まで送り届けられた。

アイカと再会を果たしたスヴェトラーナさんは「アイカは自宅に戻ってくると、最初の日はずっと眠っていました。でも翌日からは食欲も出てきて、いつもの明るいアイカに戻りましたね。氷でケガをしていた肉球も治り、今まで通りに歩くこともできています」と元気になった姿に喜んでいる。

ちなみにアイカは今回の件で何かを学んだようで、スヴェトラーナさんたちから離れようとせず、外に走り出ようともしなくなったそうだ。

画像は『The Moscow Times 2021年6月8日付「Russia Arctic Sailors Rescue Lost Dog After Weeklong Search」(Gazpromneft-Yamal)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2021/6/12 14:30

この記事のみんなのコメント

3
  • 別天津神

    6/13 11:17

    また阿呆がおる…(・o・)ワイテキタ…

  • 観音寺六角

    6/12 19:23

    タロとジロか🤔

  • あきひろ

    6/12 18:59

    海洋投棄駄目!ゼッタイ!

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