世界に約100人、鼻のない8歳女児「手術で新しい鼻ができるのを心待ちに」(北アイルランド)

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北アイルランドのデリー地方に住むテッサ・エヴァンズちゃん(Tessa Evans、8)は、世界で100人ほどしかいない遺伝子疾患「Bosma無鼻症小眼球症候群(Bosma arhinia microphthalmia syndrome、以下BAM)」を患っている。

BAMの患者は知能は正常だが、無鼻、鼻孔の閉鎖、小眼球、ホルモンの作用の低下などが特徴で、テッサちゃんの場合は鼻がなく匂いを感じることができない。また左目の視力はなく、右目は弱視で、近い将来には月経を起こすためにホルモン補充療法が必要になる。

4児の母であるグラーニアさん(Grainnie)はそんな娘について、「妊娠20週の超音波検査で、テッサの顔が平坦すぎることが分かったの。でも健康には問題がないと言われ、妊娠は継続したわ。ただ誕生後、次々と問題が出てきてね。パニック状態で本当にショックだった。『この子は大丈夫なのかしら。このまま生きることができるのかしら』と心配でしかたがなかったわ」と当時を振り返る。

医師らはテッサちゃんが楽に呼吸できるようにと、生後8日目で気管切開を行った。さらに生後11週には左目の白内障などの手術を行ったが、左目は出血が酷く視力を失った。

テッサちゃんは今でも喉元に気管チューブを付けており、定期的な交換や医師の診察は欠かせない。先端にスピーチバルブを付ければ大きな声で話すことも可能で、きょうだいらと外で走り回るなど非常に活発だ。また鼻がないことを誰よりもしっかりと認識しており、「いい匂いを嗅ぐことができないのは残念だけど、悪臭を感じないってのは最高よ」とジョークを交えて話す。

そんなテッサちゃんは2歳の時、世界で初めて3Dプリンタを駆使した鼻のインプラント手術を受けた。鼻は発育に応じて手術が必要で、テッサちゃんが4歳の時、医師らはより大きな鼻にするために手術を実施。しかしながら術後、縫合不全などによる感染症に罹り、形成された鼻は切除されたのだった。

それから4年が経過し、テッサちゃんには来年、ロンドンの「グレート・オーモンド・ストリート小児病院」のジュリン・オン(Juling Ong)医師が率いるチームが、最先端のデジタル技術を駆使した新しい鼻のインプラント手術を計画しているという。

テッサちゃんはこの手術を心待ちにしているそうで、「怖くないといいな」とちょっぴり心配しながらも「本当に待ちきれないの。だって新しい鼻ができたら幸せになれるもの。そうして最初にしたいことは、眼鏡をかけることよ!」と嬉しそうに語った。

グラーニアさんによると、テッサちゃんは生まれながら匂いを感知する脳の一部が欠損しているため、たとえ鼻孔を作ったとしても匂いを感じることはないという。それでも「テッサは良い意味で多くの人の期待を裏切ってきたの」と娘の芯の強さを褒め、「鼻がない今のままでも十分ゴージャスだと思うけど、来年の手術の成功を願っているわ」と続けた。

またテッサちゃんの父ネイサンさん(Nathan)も「あの子が部屋に入ってくると、どんな場所でもムードが一気に明るくなるんだよね。テッサはみんなをハッピーにしてくれるんだよ」と語り、娘の底抜けの明るさを絶賛した。

そしてテッサちゃん自身はというと、最後に「BAM症候群だからといって、何もしないでいるということはないわ!」としっかりとした口調で語り、今後も病気に負けず様々なことに挑戦していくことを明かした。

画像は『Tessa; Born Extraordinary 2021年6月5日付Facebook「Absolutely thrilled to share Tessa’s Born Different video」、2021年2月28日付Facebook「It’s #RareDiseaseDay」、2021年3月14日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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  • Techinsight japan

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