開催是非が問われる「東京オリンピック」、コロナ禍のスポーツ界…現役弁護士が法的観点から解説

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本部長・マンボウやしろと秘書・浜崎美保が、リスナーのみなさんと「社会人の働き方・生き方」を一緒に考えていくTOKYO FMの番組「Skyrocket Company」。毎月第4水曜日のコーナー「スカロケ法務部」(19:15頃~)では、リスナー社員が明日遭遇するかもしれない身近なトラブルを、弁護士法人法律事務所オーセンスの弁護士・西尾公伸さんが、法的観点からわかりやすくアドバイスしていきます。5月26日(水)の放送では、「コロナ禍におけるスポーツ界の現状」や「東京オリンピック」について伺ったほか、リスナー社員から寄せられた法律相談に答えました。


(左から)マンボウやしろ、西尾公伸さん、浜崎美保



コロナ禍でさまざまな業種が大打撃を受けるなか、スポーツ界も例外ではありません。無観客での試合開催や、有観客で開催する場合は収容人数に上限を設けるなど、従来の形で開催することができず、収益面でもダメージを受けています。

例えば、プロ野球の2020年シーズンは約3ヵ月遅れでの開幕を余儀なくされ、年間試合数も1球団143試合から120試合に減少しました。そうした影響を受けながらも、「選手に対しては(コロナの影響で)試合が少なかったから報酬が減るというような調整はなかった」と西尾さん。とはいえ、いまだ新型コロナ収束の見通しが立たないこともあり、今までは年棒の契約条項にはなかった(シーズンの状況に応じて)調整できるような内容を盛り込むのか否かなど、各球団で協議がなされたと言います。

西尾さんによると、スポーツ関連に特化した「スポーツ法務」と言われる分野があり、例えばエージェント(代理人)として所属チームとの契約交渉に臨んだり、スポーツ事故が発生した場合の対応をしたり、選手の肖像権(パブリシティ権)などに関するマネージメントなどが、その領域に含まれると言います。

現在、コロナ禍での東京オリンピック開催に是非が問われているなか、スポーツ法務の観点から見ると、西尾さんは「注目するところは、(オリンピックを)開催するとして、それをどういう形でおこなうべきか」と指摘。

IOC(国際オリンピック委員会)は、東京オリンピックを安全・安心な形で開催するためにどのような感染症対策を講じるべきか、状況に応じて指針をアップデートしながら「プレイブック(ルールブック)」を公表しています。

西尾さんは、「大きな違反時には、ペナルティが予定されている。平時ではなくコロナ禍での開催となると、感染拡大の状況次第では中断(の可能性)もあり得る。そうしたことを考えると、違反の重大性に見合った措置として、(違反した選手に対して)資格の取り消しなどもあり得ると思う」とも。

また、近年はアスリートの盗撮や画像・動画の悪用が問題視されています。先日、女性アスリートの画像を無断でアダルトサイトに掲載し、著作権法違反容疑で逮捕者が出ました。今回の事件は氷山の一角に過ぎず、アスリートの画像を性的に扱った被害報告も数多く挙がっている現状に、西尾さんは「これまで保護されていなかった新たな法域ではないかということで、立法論について議論もされている」と語ります。

◆自宅待機の間、給料が出ない…

コーナー後半では、リスナー社員から寄せられた法律相談に、西尾さんが答えました。

<リスナー社員からのメッセージ>
介護職をしています。先日、職員と利用者様に新型コロナの陽性者が判明し、濃厚接触者になりました。自宅待機のため、その間の給料が出ません。現在、給付申請できる手当はありますか? 会社の休業手当などはなく、雇用契約書ももらっていません。(東京都 53歳・女性)

この相談に、西尾さんが“給付申請できる可能性のあるもの”として挙げたのは、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」。

「例えば、(会社から)休業手当が出なくてコロナのせいで収入が途絶えたなど、そういった方に対して従業員が直接手続きをおこなうことで、(申請が受理されれば)給付を受けることができる制度」と説明します。

さらに、リスナー社員の文面からも「適用を受けられる可能性を十分感じたので、申請できるかどうか(対象となる要件などを満たしているか)確認をしていただきたい。そのほかにも、いくつか考えられる手当がありそうです。大変気の毒に思いますし、なんとかし得る可能性のある事案だと思います。厚生労働省のサイトで、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金などについて調べていただけたら情報が得られると思いますので、ぜひ確認して申請してほしい」と呼びかけていました。

*  

なお、「スカロケ法務部」では、リスナー社員からの法律相談を募集しています。番組で紹介されたメッセージに、現役弁護士である西尾さんがアドバイスします。「スカロケ」番組Webサイトのメッセージフォームから、プルダウンで“スカロケ法務部に相談”を選んでメッセージをお寄せください。

次回の「スカロケ法務部」は、6月23日(水)の放送にてお届け予定です。どうぞお楽しみに!

<番組概要>
番組名:Skyrocket Company
放送日時:毎週月~木曜17:00~19:48
パーソナリティ:本部長・マンボウやしろ、秘書・浜崎美保
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/sky/

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  • 6/3 6:00
  • TOKYO FM+

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