責任感、自責の念が「隠れ残業」につながるケースも…テレワークで増える長時間労働、現役弁護士がコロナ禍の“働き方”にアドバイス

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本部長・マンボウやしろと秘書・浜崎美保が、リスナーのみなさんと「社会人の働き方・生き方」を一緒に考えていくTOKYO FMの番組「Skyrocket Company」。毎月第4水曜日のコーナー「スカロケ法務部」(19:15頃~)では、リスナー社員が“明日遭遇するかもしれない身近なトラブル”を、弁護士法人法律事務所オーセンスの弁護士・西尾公伸(にしお・あきのぶ)さんが、法的観点からわかりやすくアドバイスしていきます。4月28日(水)の放送では「コロナ禍における働き方の変化」について話を伺いました。


(左から)マンボウやしろ、弁護士法人法律事務所オーセンスの弁護士・西尾公伸さん、浜崎美保



コロナ禍で生活様式はガラリと変わり、テレワークや副業解禁ブームなど働き方にも変化が生じているなか、オーセンスではテレワークによる「労働時間の管理」についての相談件数が増えている傾向にあると西尾さん。

従来の通勤する労働形態ではなく、自宅やカフェ、オフィススペースなどで作業をするテレワークへとシフトする企業もあるなか、企業にとっての義務である従業員の労働時間をどのようにして管理するのか、という点が企業にとっては「とても大きな悩み」と言います。

その一方で、従業員もテレワークの場合は、管理する立場の人の目に直接触れないこともあり、「隠れ長時間労働や、隠れ残業がけっこう起きやすい」と指摘します。例えば、“仕事が遅いのは自分のスキルが、まだまだだから……”と思い込んでしまい、就業時間外にも関わらず気づけば長時間作業をしていたというケースも。

このような自責の念や責任感などからくる“隠れ長時間労働”や“隠れ残業”について、西尾さんは「(従業員が)健康を害してしまうと、『会社側が管理できていなかった』と責任を追及される原因になり得るし、本人にとっても不幸になる」と警鐘を鳴らします。

西尾さんによると、厚生労働省が定めたガイドラインでは、企業には従業員の労務管理をしなければならない義務があるものの、現状、テレワークのケースでは従業員からの“自己申告”をベースにしている企業が多いと言います。ガイドラインでは、労務管理における自己申告は基本的に“例外”。“なるべく避けるべきこと”とされていると言い、「できる限り、客観的な資料を基礎にして確認しなければならない」と西尾さん。そして、これはテレワークであっても同じだそうです。

従業員が押さえておくべきポイントとしてあらためて、「(労働時間の)自己申告は例外的なこと。基本的には、会社側に管理する義務があるということをまず認識してほしい」と念押しし、「客観的な資料に基づいて会社側に確認してもらうこと。そして、会社側から見えないところでの労働は避けるよう意識すべき」と注意を促します。

逆に企業側に向けては、「きちんと労務管理をすること」と明言。セキュリティ問題や情報漏えいなど、テレワークに伴うさまざまな弊害やリスクがあるため、「そのあたりのルール決めや社内での規定づくり、セキュリティソフトの導入などをきちんとやっておかないと、会社にとっての大きなリスクになる」と説明します。

また、会社外での働き方の大きなトピックとして西尾さんが挙げたのは、“副業と人材の流動化”。コロナ禍で副業を解禁する企業も増えたり、雇用維持のために在籍型出向に取り組む事業主に向けて「在籍型出向支援の制度」もスタートするなど、広がりを見せています。

また、テレワークの導入や生産性向上の妨げになるとして、廃止を求める声も多い「ハンコ」。政府は“脱ハンコ”に向けた取り組みを進めています。西尾さんのもとには、“電子契約に関する問い合わせ”が多数あると言い、「“電子契約は法的に有効なのか?”“電子契約の場合、裁判でもちゃんと証拠になるのか?”などの相談がかなり増えました」と実感を語っていました。



なお、「スカロケ法務部」では、リスナー社員からの法律相談を募集しています。番組で紹介されたメッセージに、現役弁護士である西尾さんがアドバイスします。「スカロケ」番組Webサイトのメッセージフォームから、プルダウンで“スカロケ法務部に相談”を選んでメッセージをお寄せください。

次回の「スカロケ法務部」は、6月23日(水)の放送にてお届け予定です。どうぞお楽しみに!

<番組概要>
番組名:Skyrocket Company
放送日時:毎週月~木曜17:00~19:48
パーソナリティ:本部長・マンボウやしろ、秘書・浜崎美保
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/sky/

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  • 6/2 21:00
  • TOKYO FM+

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