『コンティニュー』レビュー:寝起きに弾幕、ラスボスはメル・ギブソン !どう考えても無理ゲーだろが!

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 ここ数年、流行りすぎが否めないタイムループ映画。しかし、本作のループは容赦ないぞ!寝起きから次々と襲いかかる殺し屋を片付けながら、ラスボスのメル・ギブソンを倒し、妻のナオミ・ワッツを救え!嫌になるほど繰り返されるFatalityな殺戮シーン!最高の無理ゲーをフランク・グリロと一緒にクリアしよう!

タイムループ映画多過ぎ問題にとどめを刺す一作!

© 2019 Georgia Film Fund 72, LLC All Rights Reserved

 まったく、どいつもこいつもタイムループしやがって!『ハッピー・デス・デイ』(2017)以降、やたらと流行っているタイムループもの。死ねばリセット、最初からやり直し。ループからの脱出方法を巡って、てんやわんや。もはやコンティニューを繰り返すゲームのようだ。そこで本作は「いっそのこと、ゲームみたいな映画にしちゃえばいいじゃん!」という発想の元に制作された。本作の原題は『Boss Level』だが、邦題は『コンティニュー』。「またしょーもない邦題を付けやがって!」と思うのは早い!元々は『コンティニュー』というタイトルで書かれた脚本なのだ!ちょっと紛らわしいぞ!しかも、監督のジョー・カーナハン(ex.『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』、『ザ・グレイ』)は『ハッピー・デス・デイ』よりもはるか前。2010年に本作の脚本を書き上げている。だから最近のポップなタイムループ映画とは違い、彼ならではのバイオレンスに満ちた作品になっている。だた、ちょっとハード過ぎて、制作にGoサインがでなかったのである。さてその内容とは……。

攻略法なし!止める方法もなし!無限に続く無理ゲーをどうにかしろ!

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 寝起きからナタを持った殺し屋が襲いかかり、それを倒すや否や、窓からヘリコプターからガトリング砲がガリガリと打ち込まれる。上手く逃れ、車で逃走しても追っ手は次々と現れる。銃で蜂の巣にされ、刀で首を切り落とされ、爆弾で吹き飛ばされて、結局は殺されてしまう。そして目覚めるとまたナタ男に襲われる。
 一体、どうしてこんなことになったのか。ロイ(フランク・グリロ)は、追っ手を倒しながら熟考するも、全く状況を理解できない。どこに行っても現れる殺し屋。だが、何度も何度も繰り返すうち、科学者である元妻ジェマ(ナオミ・ワッツ)がタイムループの鍵を握っていることに気がつく。繰り返す日々の中で鍛錬を繰り返し、ジェマの上司ヴェンター(メル・ギブソン)が刺客を差し向けていることを知る。
 無理。とにかく無理である。少しのミスでも即死。だって相手は凄腕の殺し屋。ロイも元特殊部隊員だが、立て続けに殺し屋に襲われてはたまった物ではない。だが、何度も繰り返せばパターンが見えてくる。そうまるでゲームのように……。相手が知能犯的殺し屋なら裏をかけば良い。刀使いなら、刀を習えば良い。死んでも前の経験が生かされる。ゲーム用語でいう”強くてコンティニュー”(英語で言うなら”NewGame+”)を映画で再現。ゲーマー諸君にはたまらない作品だ。もちろんゲーマーでなくても「あー、そうか、そういう方法があるのか!」と楽しめる納得の一作に仕上がっている。
 何故、同じ日が繰り返されるのか?何故、殺し屋が正確に自分を狙ってくるのか?繰り返されるたびに真実が明かされていくのはループ物の醍醐味。さらに本作にはロイ自身が”レベルアップ”していく様をプラス。次第に強くなり、歯が立たなかった殺し屋共を片手間にブチ殺していく様は胸のすく思いだ。
 しかし、本作、とにかく繰り返される。嫌というほど繰り返される。通常のループ物では省略されるであろう、同じパターンのループも淡々と繰り返す。物凄くクドいのだ。冒頭のナタのシーンは10回以上見せられるので、覚悟して欲しい。この映画はロイとともに観客も修行していく映画。この一体感が本作の醍醐味だ。

メル・ギブソンが相手だと何故、無理ゲー感が漂うのか?

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 有名俳優が募った本作。ナオミ・ワッツはナオミ・ワッツしているし、グリロもグリロだ。ミシェル・ヨーも剣術の師匠として登場し、これまたミシェル・ヨーらしい。当然メル・ギブソンもメルメルしているのだが、世界的にメル・ギブソンというと、ラッセル・クロウとならんで”勝てる気がしない俳優”という印象だ。もちろんオリジナル版『マッド・マックス』や『リーサル・ウェポン』の印象が強いこともあるのだろう。だがメルの監督作がおかしいのだ。『顔のない天使』(1993)、『ブレイブ・ハート』(1995)、『アポカリプト』(2006)、『ハクソーリッジ』(2016)。どれも確固たる彼の信念に基づいて制作された名作。しかし、必要以上に残酷な話だ。さらにプライベートのやんちゃっぷりもあげられるだろう。敬虔なカトリック信者の割には飲酒運転で逮捕され、しまいにゃ
”Fucking Jews... the Jews are responsible for all the wars in the world. Are you a Jew?"
(糞ユダヤ人め……世の中の戦争は全部ユダ公がわるい。あんたユダヤ人かい?)
などという始末。このあたりは『サウスパーク』でもネタとして扱われている。

このいじられ方は、普通じゃない……。

 なぜメルのゴシップを持ち出してまで、こんな話をしたのか?それは本作の無理ゲーぷりを筆者がゴリゴリと強調したいからだ!そしてロイの「無理じゃん……」という気持ちと一体化して欲しいのだ!さて、何回目のループでロイはメルを倒すことが出来るのか?予想しながら本作を楽しんで欲しい!!

『コンティニュー』
監督:ジョー・カーナハン
出演:フランク・グリロ、メル・ギブソン、ナオミ・ワッツ
2021年/アメリカ/100分/シネマスコープ/DCP5.1ch/原題:BOSS LEVEL/PG-12
配給:クロックワークス
6⽉4⽇(⾦)新宿バルト9ほか全国ロードショー

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