MCU『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』を考察!サムが伝えたメッセージを紐解く!

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2021年3月19日に、ディズニー・プラスで配信がスタートしたMCUフェイズ4の第2弾作品となる『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』。キャプテン・アメリカの系譜を辿る作品として大きな注目を集めています。そんな本作『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のサムの存在をピックアップします。※ネタバレあり!

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』について

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は2021年3月19日に、ディズニー・プラスで配信がスタートしたドラマ作品です。
『ワンダヴィジョン』同様に、これまでの映画と同様の世界観を持つMCUのドラマ、第二弾となる作品。
主人公は、タイトル通りファルコンことサム・ウィルソンとウィンター・ソルジャーのバッキー・バーンズが務めます。
演じるのは、サムがアンソニー・マッキー。
アンソニー・マッキーは、一つの大きな当たり役は、MCUでのファルコン役で、それ以外では幅広くいろんな作品に出演し活躍をしています。
もう一方のバッキーは、セバスチャン・スタンが務め、彼もまたアンソニー・マッキー同様に大きな当たり役を掴むというよりも、幅広くさまざまな役柄をこなす事で活躍を遂げている俳優です。
その他には、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』以来となるエージェント13ことシャロン・カーター役のエミリー・ヴァンキャンプが復帰。
さらには、同映画でヴィランだったヘルムート・ジモが、バロン・ジモとして原作の設定さながらに再登場を果たすことでも話題に上がりました。

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の作品情報

原題:The Falcon and the Winter Soldier
監督:カリ・スコグランド
脚本:マルコム・スペルマン、デレク・コルスタッド
原案:マルコム・スペルマン
出演:アンソニー・マッキー、セバスチャン・スタン、ワイアット・ラッセル、ダニエル・ブリュール、エミリー・ヴァンキャンプ、エリン・ケリーマン、ジョルジュ・サンピエール、フローレンス・カサンバ、ジュリア・ルイス=ドレイファス
公開:2021年3月19日
構成:1話あたり約50分(全6話)

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のあらすじ(ネタバレなし)

『アベンジャーズ/エンドゲーム』から半年、ファルコンことサム・ウィルソンは、忙しく任務についていた。
ファルコンは、軍と協力関係にあり、共に行動をしていた。
しかしサムには、ひとつ大きな試練があった。
それは、スティーブ・ロジャース、キャプテン・アメリカより受け継いだ盾の処遇だった。
サム自身が2代目キャプテン・アメリカを継ぐのか…
しかし、サムにはその重責はあまりにも重かったのだ。

サム・ウィルソンの葛藤

ここからは、サム・ウィルソンが、何故こんなにもキャプテン・アメリカを継ぐことに悩んでいたのか、その葛藤について解説していきます。
サムが置かれている状況を再確認するためにも、ご活用くださいませ。

サム・ウィルソンという男

サム・ウィルソンがMCUに初登場を果たしたのは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)。
ワシントンにてランニング中で、超人兵士となっているスティーブ・ロジャースに左側から何度も追い抜かれる度に「左から失礼(On Your Left.)」と言われる場面は、名場面のひとつとして、スティーブとサムの関係性を表す出会いのシーン。
この言葉は、窮地に陥った『アベンジャーズ/エンドゲーム』でも、ファルコンたちが空白の5年から復帰する場面で、使われている象徴的なもの。
この言葉をきっかけに知り合った2人は、その後スティーブの方から、サムの職場へ訪問していました。
サムは最初、退役軍人の心のケアをしていました。
この職業からも、最初はあまり戦場に出ない人物だと思われていましたが、ファルコンとして非常に重要な役割を担うようになっていきます。
サムという人物への人となりは、トニー・スタークからも一目置かれており、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』では、スティーブの行方を追うのにまず最初に話をしに行ったのがサムであり、信頼が現れていた場面の一つです。

サムの心境

サムは、あくまでもスティーブ・ロジャースに導かれてアベンジャーズとして活動をしていた人物です。
スティーブが長い眠りから覚めて、初めて心を許せる友人ともいうべき存在、それがサム・ウィルソンでした。
そんなサムは、スティーブ亡き後でも悲しみを心に抱えつつも、しっかりただし木道をゆく強い人物です。
それが『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の第1話冒頭でも描かれてい流ように、しっかり任務をこなしていました。
しかし唯一の気がかり、それがキャプテン・アメリカの盾でした。
この盾をどう扱うべきなのか…
それがサムの心境を、表しています。
その結果、サムは、キャプテン・アメリカの盾を自分が継承せず、国へと返還するのでした。

サムの葛藤

サムは、なぜ盾を手放してしまったのか…
これはアメリカの歴史にも繋がる、非常に深い理由がありました。
サムは、黒人です。
アメリカで黒人は、迫害の理由の一因にもなる要因があります。
”肌の色が違う”という理由は、アメリカではとても難しい問題でもあったのです。
現在では当然、そう言ったものも少なくなりつつありますが、100年以上前のアメリカでは黒人は奴隷であり、人種分離政策というのがアメリカ南部では施策されていたほど。
それだけ、白人と黒人の間ではアイデンティティというものに、隔たりが存在していました。
当然、サムはそんな経験はしていない世代ではありますが、やはりアメリカ国内で黒人として生きる以上その障壁は少なからずあったことが、徐々に明かされていくのです。

サムのメッセージについて

https://marvel.disney.co.jp/content/dam/disney/characters/marvel/avengers-iw/1678_falcon_main.jpg

サム・ウィルソンは、黒人です。
MCUにおいて、黒人のヒーローはサムの他にブラックパンサーがいます。
しかしブラックパンサーは、アフリカのヒーローであり、アメリカではありません。
さらには、サムのアイデンティティを形成する上でもうひとつ大きな要因がありました。
それは、何も特殊能力を持たないヒーローだということ。
サムは、大きなウィングをつけて空を自由自在に飛ぶことができるヒーローで、アベンジャーズでも唯一無二な存在です。
しかし、極端なことを言ってしまえば、ファルコンは訓練次第で、素質がある人ならば誰にでも担うことができてしまうヒーローでもありました。
それでもサムは強い意志を持ち、高い身体能力でファルコンという存在を、アベンジャーズの中でも唯一無二なポジションを形成していったのです。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』では、そんなサムに、自身の考えを一変させるある出会いがもたらされたのでした。

黒人兵士の存在

ウィンター・ソルジャーことバッキーは、サムに盾を継承してほしいと考えていました。
しかし、サムにはその覚悟はありません。
何故なら、アメリカで黒人であるという事実が、そう考えさせていたのです。
その心境を知り、バッキーはサムにとある人物を紹介するのでした。
それが、国が隠蔽していた黒人の超人兵士、イザイア・ブラッドレー。
ちなみに余談ですが、イザイアの孫として登場したイーライ・ブラッドレーは、ヤング・アベンジャーズとして活躍するヒーローです。
MCUでも再登場の可能性が高い、キャラクターの1人ともされています。
そんな、イザイアの存在を知ったサムは、その事実を受け止め、ある決意を心に決めるのでした。

サムの決意

サムは、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の第一話で、盾を手放します。
国へと返還し、博物館への寄贈をするのでした。
ジェームズ・ローディにも言われますが、何故継がなかったのか…
それは、継がないという選択ではなく、継げないという状況だったのです。
スティーブ・ロジャースの後を担うには、それはあまりにも重い重責で、それを背負うには、この時点でのサムには出来なかったのです。
もちろんそれは、もうスティーブと共に戦うことも出来なければ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で5年ぶりの生還を果たしたサムには、時代への適応すらまだ出来ていなかったのですから。
それを経て、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の最終話では、ついにその全ての重責を背負う覚悟をします。
それがサムの決意だったのです。

サムが背負ったもの

サムは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の最後のセリフ、スティーブから盾を受け継いだ時に言った言葉を『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』でも再度持ち出しています。
「借り物みたいだ」と。
自分の物には、この盾をできなかったということ。
それは責任であり、シンボルであり象徴を、サムが持つことを許されるのか…
その葛藤があったのです。
でも、サムはその決意をしました。
キャプテン・アメリカの盾を、自分が持つこと。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の最後、サムはマスコミが多くいる場で、GRC(世界再定住評議会)に向けてコメントをします。
世界の現状を見ること。
GRC(世界再定住評議会)が、実はとても強大な力を持っていること。
サノスは武力行使で世界の半分を消し去りましたが、GRC(世界再定住評議会)は、電話一本、言葉だけで同じことが行えること。
そしてこの力を、どうやって使っているのか…
GRC(世界再定住評議会)は、そんなサムのことを再び突っぱねようとします。
そうするとサムは、自分の状況を話し出すのでした。
バッキーは星条旗の黒人と言って茶化しましたが、アメリカのシンボルといってもいいキャプテン・アメリカの盾を黒人が持つことの意味。
迫害の視線を、この場でも感じることをまざまざと発言するのでした。
サムには、スーパーパワーはありません。
言うなれば、一般人とまったく同じなのです。
唯一人とは違うサムの強み、いや、今回のことを受けて手に入れたサムの力、それは”信じる力”だったのです。
仲間を信じること、そして自身に偏見の目を向けるアメリカ国民の事、その全てを信じること。
それが、サム・ウィルソンを正統な2代目キャプテン・アメリカへと導く原動力となっていたのでした。
それは近年、アメリカでも社会問題になっている警官による黒人への暴行を、警官としての責任を正しき力としてちゃんと使えるように、そんなみんなの小心を信じるという、現代社会を生きるみんなへのメッセージだったのかもしれません…。

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