闇営業&アルコール提供の実態は県民性で異なるか。東京、名古屋、大阪の現場では

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◆東京、名古屋、大阪で異なる営業再開に対するスタンス

 新型コロナ感染拡大防止による緊急事態宣言に沖縄の追加が発表され、政府高官は今月31日以降も宣言の延長を視野に検討していることが明らかになった。

 これで3回目となる緊急事態宣言の延長に「もう、無理です……営業します」と悲痛な声を上げるのは宣言下にある都道府県の飲食店。これまで要請を守ってきていたが、過料覚悟で酒提供を再開した飲食店の悲痛な叫びを、東京、名古屋、大阪で取材した。

 地域性なのか、店主達がかたる現状には“微妙な誤差”があったように感じた。

◆何も手を打たず潰れるくらいなら……と都内の居酒屋は決断

「緊急事態宣言の延長を政府にはお願いしますって小池都知事がテレビで話しているのを見ているだけで、腹が立つというかやり場のない怒りを感じます。スポーツの試合だって客を入れているし、デパートだってなし崩し的に営業しているじゃないですか。緊急事態宣言を出しただけで、あの人達は何か感染対策してるんですか? ワクチンだってグダグダだし……」

 怒りを抑えて話してくれたのは、先週からアルコールの提供と24時まで営業を再開した都内の居酒屋経営者だ。彼は倒産の危機に立たされた現状を打破するために、苦渋の決断として通常営業再開の道を選んだという。

「医療従事者の人には申し訳ないですが、従業員もいて養わなきゃいけない。罰金覚悟? そうですね。何も手を打たず死ぬのは後悔しか残らないんじゃないですかね。確かに商店街の方からは『営業を控えたほうがいいんじゃないか。ほかのお店の手前もあるんじゃないか』とも言われましたけど、最終的には自己判断で……となりました」

 営業再開と同時に苦情やお叱りの電話もあり、店主は心が折れそうになったという。

◆常連客だけで闇営業する大阪のバー

 東京都では過料覚悟でも営業する声が多く聞こえる一方で、「都内に比べると見つかる可能性は低いですけれどね」と語るのは、大阪ミナミでバーを経営する男性。大阪といえば、吉村知事が『見回り隊』のアルバイトを「サクッと稼げるオイシイ仕事」と求人掲載をして炎上したことが記憶に新しいが、実際はどうなのだろうか。

「ミナミはうちのように小さい飲食店が何軒も入っている雑居ビルが多いからなのか、見回り隊はまだ来ていません。戎橋筋商店街とか大通りの店ばかりチェックして、小さい店は後回しなんじゃないですか。逆に通天閣周辺の飲食店は組合が結構うるさいようで、『絶対に営業するな!』という空気感があるそうです。

 でも、うちのような隠れ家的な店では『もうイイでしょ』みたいな空気になっていて、周辺の飲食店含めて『普通に営業しよう』という話になってます。とはいえ、協力金はほしいのでバレない範囲で営業しようかなと。知っている客から連絡が来たら店を開けて酒類も出すけれど、一見の客は見回り隊の可能性もあるからお断り。もし、来たら『お酒出せないけれどいいですか』と言って帰らせていますね」

 苦渋の決断と言うよりは、もういいんじゃない?という軽い気持ちで開いている店が増えているようだ。

◆横の繫がり強い名古屋は酒を出すなどもってのほか

 大阪では昼間から営業している居酒屋も多く、都内に比べると遥かに緩い雰囲気だった。そんな大阪とは対象的に「絶対に酒を出すわけにはいかないんです……」と語るのは今月、12日より緊急事態宣言に追加された愛知県。名古屋の飲食店に勤務する男性は保守的な愛知県の県民性と厳しい現状を語った。

「緊急事態宣言に入る前のまん延防止等重点措置のとき、うちでは時短で20時まででアルコールの提供をしていました。緊急事態宣言になっても関係なく営業しようと思ったのですが、名古屋の見回り隊は他県に比べると明らかに厳しいようなんです。知り合いの飲み屋から聞いた話では、営業中にいきなり見回り隊が入ってきて客が飲んでいるドリンクをチェックされると言ってました。そこでアルコールを提供していることがバレたら即営業停止と罰金を言い渡されるのだそう。

 名古屋はディープな飲み屋が多くてうちの店もその部類なのですが、『この店なら酒が飲めるだろう』と緊急事態宣言中になっても常連客が何人か来ました。でも、即罰金と営業停止の話を聞いた後だったのでさすがに怖くなっちゃって……。見回り隊以外でも深夜営業しているキャバクラにも警察が立ち入り調査に入ったようで、アルコール提供と深夜1時を過ぎて営業していたため営業停止処分になったと聞きました。他府県では過料覚悟で営業するという話も聞きますけれど、名古屋では横の繋がりが深く噂も広まるのが早いので難しい。それにもし、協力金をもらえなくなったらうちの店なんてすぐに潰れるでしょうし。名駅前はまだ賑やかですが、栄なんかは静まり返っていますね……」

◆闇営業やアルコール提供には県民性が出る!?

 地域によって県民性が出た結果となった3度目の延長への飲食店の悲痛な叫び。一方で、見回り隊のアルバイトが感染対策チェックを適当にやっている、1日に何度も見回りに来るなど手際が悪い様子もニュースで報じられている。

 見回り隊のアルバイトに払う税金があるのなら、遅延している飲食店への協力金を支払うのが先なのではないだろうか。

〈取材・文/日刊SPA!編集部〉


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  • 5/28 15:54
  • 日刊SPA!

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