「基本に立ち返った」清水、リーグ戦10試合ぶりの白星が浮上のきっかけとなるか

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 長いトンネルをようやく抜け、スタジアムの各所に笑顔が広がった。清水エスパルスは26日に行われた明治安田生命J1リーグ第16節でFC東京をホームに迎え、3-0で下した。リーグ戦では10試合ぶりの白星、また、待ちに待った今シーズンのリーグ戦ホーム初勝利を獲得した。

 14分、「やりきれ!」という中村慶太の大きな声が後方から響く。シュートで終わることの少なさが課題の一つに挙げられていた攻撃面の停滞感を払拭するように、エウシーニョが相手DFをかわしてペナルティエリア外からシュートを放つと、GKがこぼしたボールをチアゴ・サンタナが押し込み、欲しかった先制点を手に入れた。

 さらに前半終了間際と後半開始早々の追加点でFC東京を突き放し、守備では今シーズン3度目のクリーンシートを達成して3-0の快勝。ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は「すべてが上手くいった試合だった」と総評した。

 開幕戦で鹿島アントラーズを撃破して以降、なかなか波に乗り切れない状態が続いていた。第6節の柏レイソル戦(2-1)を最後に9試合白星から遠ざかると、かつて10戦未勝利を記録した2015シーズンと比較する声も挙がり始めた。J2に降格したシーズンのことだ。

 当時の経験者である河井陽介には、「(今シーズンは)勝てていない中でも試合内容や、自分たちがやっていることへの手応えは感じながら進められている」という感触があった。だが、だからこそ「どこかみんな、甘かった部分があったのではないか」と指摘する。

 第14節の名古屋グランパス戦(0-3)、YBCルヴァンカップの横浜F・マリノス戦(1-5)での完敗を経て、チーム内に流れる空気が変わった。ただ、変化を必要としながらも、大きな方向転換を目指したわけではない。

「名古屋戦、横浜FM戦で自分たちの今の実力を思い知らされました。だけど、『これができれば絶対に守れる』と言い切れる方法はない。だから基本に立ち返って、今までやってきたことを忠実にやり続けようって話をみんなでしました。立ち位置や、寄せのスピード、一対一での粘り強さとか、本当に細かい部分。失点を例に挙げて誰かを責めるんじゃなくて、『自分が出たらこうしなくちゃいけない』ってことをみんなで共有できた」(河井)

 横浜FM戦から中2日で行われたJ1第15節、北海道コンサドーレ札幌戦では、後半の立ち上がりに「あまりにも簡単に2失点してしまった」(ロティーナ監督)と、またしても綻びが出てしまったが、0-0で折り返した前半の内容に手応えをつかんだ上で、前向きにFC東京戦への準備を進めてきた。

 8戦目にしてようやく手にしたホーム初白星。ロティーナ監督が「良いトレーニングを続けていけば結果は出ると、チームは気づいたと思う。この勝利が自信をもたらしてくれれば」と語ったように、変革の道を進むチームの真価が問われるのはここからだ。

「敗北からも学ぶことはたくさんある。それでもハードワークを続けてきたことが今日、形になって表れた」とヴァウド。苦しい時期を過ごした分だけ深まった経験値をプラスに捉え、巻き返していく。

文=平柳麻衣

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