村上春樹原作のおすすめ映画まとめ!隠れた名作からデンマークのドキュメンタリーまで!

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世界的にも有名なベストセラー作家・村上春樹の原作を映画化した作品をまとめました!日本のみならず、海外でも映画化されている村上春樹原作の映画が持つ魅力に迫ります!独特のナレーションや演出が光る映画から、彼の作品を翻訳するデンマーク人に密着したドキュメンタリーなど、様々な作品をご紹介!

おすすめ村上春樹原作の映画 No.1『風の歌を聴け』(81)

『風の歌を聴け』 (C)1981 オフィス・シロウズ/ATG

夏休みに、生まれ故郷の海辺の街に帰省した主人公の大学生と、馴染みのバーでの旧友との再会や、女の子との出会いを描く。七十九年度『群像』新人文学賞を受賞した村上春樹の同名の小説の映画化で脚本・監督は「ヒポクラテスたち」の大森一樹、撮影は渡辺健治がそれぞれ担当。

出典元:https://eiga.com/movie/35594/

風の歌を聴け

風の歌を聴け

1981年/日本/100分

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村上春樹が1979年に発表した作品を、彼と同じ兵庫県芦屋市出身である大森一樹監督が映画化。青春映画のような形を取っていながら、独特の映像表現や演出が話題を集めた作品です。OPから「本当に青春映画か?」と思うほど激しいジャズの音楽と過激な学生運動の映像が流れ続けたり、ザ・ビーチ・ボーイズの「カリフォルニア・ガールズ」をバックに若かりし頃の小林薫が港をプラプラするなど、既存の青春映画の枠に収まらない魅力が詰まっています。時にスタイリッシュで、ときに謎過ぎるシュールな演出も必見です。

個人的にはラジオDJのくせにリスナーのはがきを死ぬほど噛みながら読むくだりが好きです。めちゃくちゃ馴れ馴れしいDJにもクールに受け答えする小林薫も素敵…。公開当時は「映像はよいが、原作の良さが活かせていない」と賛否両論だったようですが、監督は自身の作品の中でもかなり本作を気に入っており、村上春樹も評価してくれたと語っています。

おすすめ村上春樹原作の映画 No.2『トニー滝谷』(05)

トロンボーン奏者を父に持つトニー滝谷は、幼い頃からずっと、孤独だった。だから、特にそれを淋しいとは思わなかった。だが、大学を卒業しデザイン会社に就職した後、独立してイラストレーターになった彼は、やがてひとりの女性に恋をする。結婚、幸せな生活、しかし蜜月はあまりに短かった。妻と死別したトニーは、孤独に耐えかね、容姿、体型とも妻にそっくりな久子を、アシスタントに雇うことにした。

出典元:https://eiga-board.com/movies/36488

トニー滝谷

トニー滝谷

2004年/日本/76分

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村上春樹の短編集「レキシントンの幽霊」に収録されている短編を、村上作品のファンだと公言していた市川準監督が映画化。主人公であるトニー滝谷を演じるイッセー尾形も村上春樹のファンだと語っています。基本的に原作に沿った内容でありながら、オリジナルの展開や原作にはないラストシーンが追加されています。

西島秀俊によるモノローグを中心に、屋外に設置されたセットを中心に物語が進む構成です。限定された登場人物とセットの空間がありながら、屋外で撮影されていることから独特の開放感さえ感じられます。坂本龍一によるサウンドトラックも素晴らしく、「孤独」というテーマを美しくも切なく描いた作品となりました。表情を変えないトニー滝谷が演出や音楽によって、孤独を恐れるようになる過程がしみじみと伝わってきます…。

おすすめ村上春樹原作の映画 No.3『神の子どもたちは皆踊る』(08)

ロサンゼルスで母と2人で暮らす青年ケンゴは、宗教活動に熱心な母から“神の子”として育てられ、職場の上司や恋人とも距離を置いた関係しか築けずにいた。そんなある日、耳の欠けた男を見かけたケンゴは、男を本当の父親だと確信して後を追うが……。

出典元:https://eiga.com/movie/55710/

神の子どもたちはみな踊る

神の子どもたちはみな踊る

2008年/アメリカ/85分

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村上春樹の原作小説がアメリカを舞台に実写化。同時に、初の海外で実写化された作品となりました。監督をはじめキャスティングもアメリカで行われ、キャラクターの名前や関係性が変更されています。制作陣はアレハンド・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の『バベル』に携わったスタッフが参戦。監督を務めたロバート・ログバルは主人公のケンゴ(原作の善也にあたる)と出自が似ていたことから本作の映像化を勧めました。

ハリウッド進出となった村上春樹の原作ですが、ロードムービーのような展開をベースに、独特の映像リズムや時折見せるシュールな演出などが印象的です。ちなみにケンゴの恋人サンドラを演じるのは名女優ナスターシャ・キンスキーの娘ソニア・キンスキーです。

おすすめ村上春樹原作の映画 No.4『ノルウェイの森』(10)

37歳のワタナベトオルは、ドイツ行きの機内でビートルズの「ノルウェイの森」を聴き、18年前の青春を思い出す。当時ワタナベは、親友キズキの恋人・直子に恋をしていたが、ある日突然、キズキは自殺してしまった。キズキを失った喪失感から逃れるように東京の大学に進学したワタナベは、ある日東京で直子に再会するが……。

出典元:https://eiga.com/movie/53950/

ノルウェイの森

ノルウェイの森

2010年/日本/133分

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村上春樹の代表作ともいえる「ノルウェイの森」をトラン・アン・ユン監督・脚本で実写化。映画化の許可を得るのに4年もかかったと言われております。メインキャストには松山ケンイチや菊地凛子、水原希子といった名だたる俳優が集まりました。村上春樹作品の世界観をナレーションだけでなくロケーションでも壮大に描いており、邦画の枠を大きく超えた意欲作ともなりました。大切な人の死を、これほど壮大かつダイナミックな映像で見せる映画もあまりないと思います。

劇伴を担当するのは「レディオヘッド」のギタリストであり『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などのポール・トーマス・アンダーソン監督とタッグを組むことが多いジョニー・グリーンウッドが担当。サントラの曲名には「時の洗礼を受けていないものを読むな」など、劇中で印象的なセリフが引用されています。個人的には、他の実写化された村上春樹の原作映画の中で、一番原作の雰囲気に忠実な映画だと感じました。

おすすめ村上春樹原作の映画 No.5『バーニング 劇場版』(18)

アルバイトをしながら小説家を目指すジョンス(ユ・アイン)は、ある日、偶然幼馴染のヘミ(チョン・ジョンソ)と出会い、アフリカ旅行へ行く間、飼っている猫の世話をしてほしいと頼まれる。やがて帰国したヘミはアフリカで出会ったという謎の男ベン(スティーブン・ユァン)をジョンスに紹介する。その後、ベンはヘミと共にジョンスの家を訪れ、自分の秘密を打ち明ける。「僕は時々ビニールハウスを燃やしています……」ジョンスが恐ろしい予感を抱き始めるなか、突如ヘミが姿を消す……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/91210

バーニング 劇場版

バーニング 劇場版

2018年/韓国/148分

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村上春樹の短編小説「納屋を焼く」を『シークレット・サンシャイン』『ペパーミント・キャンディー』を手がけた韓国の名匠イ・チャンドンが実写化。カンヌ国際映画祭ではパルムドールを争うほどの評価を得ており、アカデミー賞では初の外国語映画賞に最終選考に残りました。パントマイムのくだりや納屋(映画ではビニールハウスに変更)を燃やす話など、原作のベースとなる要素以外はかなり変更がなされています。

謎が謎を呼ぶ演出を不穏な空気感たっぷりで描く演出も必見。監督が「今の世界の若者の物語」と語るように、満足な職に就けず、同世代間でも貧富の差が大きく開き、そしてどちらも夢や目標を持つことができない(あるいは進むことができない)、過酷な若者たちの現状も切実に描いています。

おすすめ村上春樹原作の映画 No.6『ハナレイ・ベイ』(18)

ピアノバーを営むシングルマザー、サチ(吉田羊)のもとに、突如、ハワイのカウアイ島にあるハナレイ・ベイで息子のタカシ(佐野玲於)が亡くなったとの知らせが入る。サーフィンをしていたところ、大きな鮫に襲われたとのことだった。急遽ハナレイ・ベイに向かったサチは、無言の息子と対面。遺骨とともに帰途に就こうとした矢先、ふとハナレイ・ベイに足を向ける。息子が命を落とした海を前に、時折じっと海を見つめつつ本を読んで時を過ごすサチ。それからサチは毎年タカシの命日の時期にハナレイ・ベイを訪れ、同じ場所にチェアを置き、決して海には近づかないまま同じように過ごしていく。10年間繰り返したある日、2人の若い日本人サーファーと出会う。そして息子の姿が重なる彼らから、赤いサーフボードを持った右脚のない日本人サーファーがいることを聞く……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/90464

ハナレイ・ベイ

ハナレイ・ベイ

2018年/日本/97分

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村上春樹の短編集「東京奇譚集」に収録されている同名の短編を吉田羊主演で実写化。『ノルウェイの森』からおよそ8年ぶりに日本で実写化された作品です。カウアイ島のハナレイ湾でサメに襲われて死んだ息子をもつ母親のサチを吉田羊が演じ、現地で知り合う若いサーファーに村上虹郎、そして実際にプロサーファーとして活躍している佐藤魁が出演しています。美しい自然とサーフィンの映像が心地よい反面、親子の関係に問題を抱えながら息子と死別してしまった母親のシリアスな物語が見どころの作品です。

個人的な見どころを言えば、ハワイの美しい景色や息子の死を受け入れる母親のストーリー以上に、オーバードーズにより死んだサチの夫を演じる栗原類の演技です。子育ても放棄し、ひたすら音楽を聴きながらクスリを続け、さらにはDVにまで及ぶクズ男を熱演。しかも意外にもハマり役となっています。バラエティ番組では絶対に観られない強烈な姿は必見です。

おすすめ村上春樹原作の映画 No.7『ドリーミング村上春樹』(17)

村上春樹の翻訳家であるメッテ・ホルムは1995年、『ノルウェイの森』と出会って以来、20年以上に亘り、彼の作品をデンマーク語に翻訳してきた。村上春樹の作品はこれまで世界50言語以上に翻訳されてきたが、そのほとんどが英語からの翻訳となり、メッテのように日本語から直接翻訳することは珍しい。2016年、村上春樹がアンデルセン文学賞を受賞し、デンマークを訪れ王立図書館でメッテと対談する瞬間をキャメラが捉える。そして同時期、メッテは『風の歌を聴け』の一文について想いをめぐらせる。

出典元:https://eiga-board.com/movies/92426

ドリーミング村上春樹

ドリーミング村上春樹

2017年/デンマーク/60分

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世にも珍しい(?)村上春樹の小説を翻訳するデンマーク人を追うドキュメンタリー。「ノルウェイの森」と出会ったことで、村上春樹の小説の虜になった女性メッテ・ホルムの翻訳家としての日々、そして2016年にデンマークを訪れた村上春樹との対談に至るまでを撮影しています。村上春樹本人は登場しませんが、あまり知られていない翻訳の世界に触れられる貴重なドキュメンタリー映画です。特にメッテ・ホルムは英語に翻訳された作品をデンマーク語に訳すのではなく、日本語から直接訳す特殊な手法を取っていました(本編では「風の歌を聴け」の翻訳に取り組んでいる)。

また演出では、村上春樹の短編小説「かえるくん、東京を救う」(「神の子どもたちはみな踊る」収録)の“かえるくん”がときどき登場したり、月が2つ登場する「1Q84」のオマージュが見られるなど、ハルキストの方も楽しめる要素がちりばめられていました。海外から見た村上春樹の魅力が伝わるおすすめドキュメンタリーでもあります。

村上春樹原作の映画 No.8『ドライブ・マイ・カー』(21年公開予定)

舞台俳優で演出家の家福悠介は、脚本家の妻・音と幸せに暮らしていた。しかし、妻はある秘密を残したまま他界してしまう。2年後、喪失感を抱えながら生きていた彼は、演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島へ向かう。そこで出会った寡黙な専属ドライバーのみさきと過ごす中で、家福はそれまで目を背けていたあることに気づかされていく。

出典元:https://eiga.com/movie/94037/

2014年に発売された村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」に収録された短編「ドライブ・マイ・カー」を実写化。監督は『寝ても覚めても』などで知られる濱口竜介が脚本と合わせて担当しています。村上春樹原作の映画『トニー滝谷』でナレーションを担当した西島秀俊が、主人公の舞台俳優・家福を演じました。妻(霧島れいか)の死による喪失感を抱えたままの家福と、ひょんなことから家福の専属ドライバーとなった無口な女性・みさき(三浦透子)。そして妻と関係がある俳優・高槻(岡田将生)と関わりながら、舞台のために広島へ向かうロードムービーでもあります。

原作で登場する車は黄色のサーブですが、映画では赤色となっています。ちなみに映画『風の歌を聴け』で主人公たちが載っていた車も赤色でした。アニメ「無限の住人-IMMORTAL-」の音楽を担当した石橋英子が劇伴を担当している点も注目したい作品です!

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  • 5/25 21:54
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