『フリースタイルティーチャー』「男性アイドル編」堂々完結! 岡野海斗に“戦友”宮里ソルが一矢報いる

 5月19日に放送された『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)で、「男性アイドルラッパー育成SP」2ndバトル総当たり戦の優勝者が決定した。今回行われたのは、末吉9太郎(CUBERS) & 晋平太 VS 水野勝(BOYS AND MEN) & 崇勲、宮里ソル(円神) & TKda黒ぶち VS 岡野海斗(Boom Trigger) & SAMの2試合だ。

“崇勲スタイル”でやっと結果を残した水野の風格

 第1試合は9太郎 VS 水野。Round1が始まるや、先攻の9太郎が行ったのは水野のティーチャーである崇勲ディスだった。2ndバトルで全敗の水野に「水野さん、もしかして迷走してますか?」とカマしておいて、すぐに矛先をティーチャーに向けたのだ。

9太郎 「こんな風にしたのも崇勲さんのせいですよ 何してるんですか
     もっとカッコいい所が見たかったの 僕は水野さんのファンだから
     何でこんな風にしたんですか 許しませんよ ね それな」
水野  「崇勲 悪くねぇよ別に 俺が悪いんだよ
     勝負は俺が立ってるからさ 全部俺の責任なんだよ」

 崇勲イジリに乗っからなかった水野。この態度はバトル中に限ったものではなく、彼はSNSでも崇勲をイジっていない。「何してるんですか」と早口でまくし立てる9太郎の世界観に巻き込まれず、崇勲を庇い切ったのだ。熱く、真面目で、優しい男だ。

 だが、9太郎は攻撃の手を緩めない。普段は自分を「9ちゃん」と呼ぶのにバトルでは「お前」と呼んでくる水野を責め、その憤りをティーチャーにぶつけた。

9太郎 「これも崇勲さんのせいだな どうしてくれるんですか 水野さん
     ね そんな酷いですよね 
     もっと素敵な所いっぱいあるっていうのに」
水野  「そんな事 お前言ってたら 
     全然 お前勝てねぇよ 俺 超せねぇよ
     俺がお前を超えちゃうぜ
     お前は全然俺を 捲られんっていう感じだぜ」

 Round1のビートであるAKLOの楽曲「McLaren」と「捲られん」で踏みながら崇勲ディスにしっかり対処した水野。本当にヒップホップが好きなことがわかるし、審査員席のAKLOもばっちりアガっている。Round1は水野が先取した。

 Round2に入ると、両者は唐突にワンちゃんトークを展開する。「水野さんは大型犬の赤ちゃん」(9太郎)、「俺は2匹飼ってるよ、チワワ」(水野)というやり取りの後に続いたのは以下の応酬だ。

水野  「あとやっぱ男の憧れって言ったら明日花キララだよね」
9太郎 「はい いけないんだ 
     キラキラアイドルはそんなの言っちゃいけないんだ
     いけないんだ いけないんだ 事務所の人に言ってやろ」
水野  「9ちゃんさ 全然ボイメンのファンって言ってるけど
     ボイメンの事 全然分かってねぇじゃん
     ウチの事務所さ NGねぇんだよ
     【コンプラ】までOKって言われてんだよ」

 ボイメンはラジオ番組で謎にセクシー女優の名前をよく口にするらしい。水野が「ウチの事務所にNGはねぇ」と言った瞬間、同じ事務所(フォーチュンエンターテイメント)の横山統威(祭nine.)がアガっていたのには笑った。

 というわけで、このバトルは水野が勝利! 放送終了後、水野はこんなツイートを発信した。

「2ndシーズンは、ダメでしたが、どうしても崇勲スタイルでティーチャーを勝たせたかったので俺の中では筋は通せて良かったです!」

 いや、決してダメじゃなかったと思う。最後の最後、崇勲スタイルで彼はきっちり結果を残したのだから。白星を掴むまで辛抱し、崇勲ディスもしっかり受け止めた懐の深さは、前回覇者らしい風格だったと思う。

 2試合目は宮里 VS 岡野。“プデュ”こと公開オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』(TBS系)出身者同士の闘いだ。MC席には青山テルマがいるし、KEN THE 390もバトルを見守っている。状況は十分整った。

 ちなみに、2ndバトルにおける岡野は今まで無敗。しかも全ラウンド、クリティカルで勝利を収めている。

宮里 「こいつの事を止めるのは俺しかいないんで、こいつの首かっさらってTKさんに持って帰ります」
岡野 「いや、今回もクリティカルで行きます」

 1stバトルで岡野は「プデュはとっくに捨てた」と言い切っていた。そして、前回の記事で筆者は「過去を振り返らない熱いバトルを見せてほしい」と書いた。しかし、先攻の宮里はあえてカマしに行ったのだ。

宮里 「お前とはプライベートでも遊ぶ仲 
    でも今日はしっかりバトルしたい友達かな
    お前とはドライブで出来ない話をしよう
    お前にとってのプデュって何だった?
    俺たちの青春だったよな? あの時
    でも落ちて 今までどういう気持ちで進んできた?
    お前はなっちまったBoom Triggerの海斗
    俺はソル お前に送るぜ 愛を」
岡野 「そんな過去の事なんて引きずってねぇよ
    そんな引きずったら ここに立ってねぇよ」

「プデュはとっくに捨てた」と言った通り、岡野は未来に目を向ける男だ。両者のバトルは“過去”と“未来”の交差から始まった。そして、Round1を取ったのは岡野。ポイントはやはりクリティカルだった。

 続くRound2のビートは、Skrillex & Damian Jr. Gong Marleyの『Make it Bun Dem』。前番組『フリースタイルダンジョン』のLick-G VS 呂布カルマ戦でも使われた曲である。このラウンドでは岡野のほうがカマしに行った。

岡野 「楽屋の時に『俺が今日は勝ちに行く』って めっちゃ宣伝してたけど
    そんな前からネチネチネチネチ 
    言ってくるような奴には負けられねぇだろ」
宮里 「俺は アレは今日の意思表示 言葉を出す事が出来るのさ
    成せば成る 言霊って知ってっか? 
    言霊 言えば叶う そう言う事だよ」
岡野 「お前がしてんのは言霊じゃなくて 
    つまんねぇ辞書から引っ張り出してきている ことわざだよ」
   
 宮里の熱い魂が入ったラップと、巧みに韻を踏んで返す岡野の冷静なラップ。優勝決定戦にふさわしい闘いだ。結果、このラウンドの判定は1-2で岡野の勝利。というわけで、今回の総当たり戦は岡野海斗が全勝優勝! 

 しかし、最後の最後で岡野のクリティカルを防ぎ、宮里は一矢報いたのだ。「こいつの事を止めるのは俺しかいない」の宣言通りである。2ndバトルで岡野が唯一ポイントを取られたのは、戦友の宮里だった。バトル終了後、宮里は泣きながらコメントを発した。

「海斗とはオーディション番組から一緒で、プライベートでも遊ぶめちゃめちゃ良い奴で、そんな奴と決勝で当たれて奇跡みたいだなと思って。めちゃくちゃ嬉しくて。マジでHIP HOPって熱いし、めちゃくちゃ良いものだなと思いました」(宮里)

 2ndバトルに入ると、宮里のラップは見違えるように上手くなっていた。スチューデントのコメントを頷きながら聞くTKの表情からは、宮里の努力が伝わってきた。そして、青山テルマの表情からは岡野と宮里の足跡が伝わってきた。一方、熱いながらも冷静だった岡野。文句なし、納得の優勝だ。

「男性アイドルラッパー育成SP」は、キャスティングが良かったと思う。事務所の先輩後輩だったり、同じオーディション番組出身者だったり、ドラマが生まれる関係性が全出場者にもあった。5人のアイドルたちにはこれからも切磋琢磨してほしいと願うばかりだ。

 さて、次回からは「芸人最強ラッパー 決定トーナメント」なる企画が行われる模様。予告映像では出場者と思わしき14人の芸人のシルエットが映し出されたが、あれを見ると久保田かずのぶ(とろサーモン)と紺野ぶるまはほぼ確定だろう。

 今までの『フリースタイルティーチャー』は、出場者の成長を売りにしてきていた。しかし、トーナメントとなると敗退即脱落というシステムのはずだ。ということは、やはり久保田に注目。“MCサーモン”を名乗る彼のスキルはほとんどプロである。芸人の中で最も高いラップレベルを誇る男だ。

 というか、今までとかなり毛色が違うこの新企画は何なのだろうか。ひょっとして、『フリースタイルダンジョン』復活の足掛かりの1つか? 期待と共に思わず勘繰ってしまった。

  • 5/25 21:00
  • サイゾー

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