「なんとも耐えられないことです」 「獺祭」メーカーの意見広告に反響、その意図を聞いた

日本酒「獺祭」の製造・販売で知られる旭酒造(山口県岩国市)は2021年5月24日、日本経済新聞全国版の朝刊に意見広告を掲出した。

「飲食店を守ることも 日本の『いのち』を守ることにつながります」
「私たちは、日本の飲食店の『いのち』と共にあります」

内容からは、コロナ禍で大打撃を受ける飲食店を守りたいという、強いメッセージ性が感じられる。広告はSNSで拡散され、さまざまな反響が寄せられている。

「獺祭さん本当にかっこいい」

旭酒造が掲出した意見広告は、5つの要点に分けられている。

「地域経済の復活なしに日本再生はあり得ない」
「ローカル経済を壊しているのは、誰か」
「このままでは、飲食店がコロナ禍の最大の犠牲者に」
「ゼロか100ではない。感染も倒産も抑えるために、意味のある制限策に見直して欲しい」
「飲食店を守ることも、「いのち」を守ることにつながります」

それぞれの要点項目には、

「日本人的美徳なのか、飲食店から公には反発が少ないのが現状です。しかし、食を通じて世界に日本の魅力を伝えてきた飲食店が、声も上げられないまま次々に店を畳んでいくのは、なんとも耐えられないことです」
「このたびの制限策が、さまざまな飲食店を一括りにして同じ制限時間で押し切ってしまっていることにも疑問を感じます」

というように、飲食店経営者の声を代弁するかのような悲痛な声を綴っている。

ツイッターではこの意見広告に、

「さすが獺祭さん本当にかっこいい」
「旭酒造社長の署名入り。言いたい事も言えない世の中なのに思い切ったね」
「飲食業界を飛び越えてもはや地方経済を代弁している」
「声を上げる企業がもっと増えて欲しい」

といった声が寄せられている。

桜井会長「飲食店の疲弊がすごいですよね」

会社ウォッチ編集部は5月24日、旭酒造の桜井博志会長(70)を取材。意見広告の掲出に至った経緯を聞いた。

「公式サイトにある『蔵元日記』にも書いていますが、これまでの、飲食店だけが標的になったような政策に問題があると思っています。飲食店の疲弊がすごいですよね。今貰っている協力金が切れたら閉店するという店も結構あって、こんなことしてていいのかなと思います。
飲食店も(時短営業などの)効果を信じてないのに何となく続けていて、利用者含めて誰も本質的には守らない。昨日行った吉祥寺では若い人が溢れているし、飲食店に入って飲んでいらっしゃいます」

意見広告では、飲食店の営業における先進国の例を紹介。レストランの稼働席数を50%に抑えるなどの条件のもと、客席の入れ替え、お客の回転が可能な営業を認めているケースがあるとしている。

さらに5月6日更新の「蔵元日記」では、17時~18時30分、19時~20時30分、21時~22時30分というように時間を区切った営業方法を提案。

「時間を単純に短縮すると、密になるときはものすごく密になります。逆効果になってしまいますよね。時間を変動させるほうが、飲食店の経営にとっても良いと思います」

また桜井会長は、飲食店従業員の雇用問題にも懸念を募らせる。意見広告では、地方の経済は小売業や建設業に加え、飲食業界が支えていると記載。彼らが働き口を失うことで、経済が立ち直らなくなるのではと危惧しているのだ。

新型コロナウイルスの感染拡大で、旭酒造の売り上げにも影響は出た。

「昨年(2020年)の今頃は、おととし(19年)に比べて売り上げが半減。今年は持ち直してきていますが、19年の8割といったところです」

と、桜井会長は話している。

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