【地上波洋画劇場】現代らしい強いメッセージ性を帯びた‘‘新しい’’ディズニー映画『アラジン』(2019)

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今宵の地上波洋画劇場は、2019年に製作されたディズニーによる実写版『アラジン』の魅力を紹介!随所にオリジナルとは異なるアプローチが成された‘‘新しい’’作品に仕上がっており、その違いなども楽しめる一本である。

【地上波洋画劇場】とは、地上波洋画放送全盛の時代とは異なり、いまやTVで映画を楽しむ機会が減ってしまった全日本人にもう一度、映画の楽しさを再発見してもらいたい一心で始まった企画である。
ここでは、「午後のロードショー」や「金曜ロードSHOW!」、「土曜プレミアム」などで放送が予定されている作品の見どころや鑑賞の際のポイントを紹介していく。

今宵の【地上波洋画劇場】で取り上げる作品は、「金曜ロードショー」にて2021年5月21日に放送予定となっている、2019年公開の映画『アラジン』。

‘‘ディズニー・ルネサンス’’の代表的作品『アラジン』(1992)

オリジナルのディズニー・アニメーション『アラジン』は、1992年に公開された。
イスラム世界の説話集「千夜一夜物語」の「アラジンと魔法のランプ」を原案としている同作は、砂漠の王国アグラバーを舞台に、清らかな心を持った貧しい青年・アラジンが、魔人・ジーニーの宿る、どんな願いでも3つだけ叶うとされる魔法のランプを手にし、アグラバーの王女・ジャスミンとの恋を成就させるために、自らを王子にしてくれと願うことから始まる、壮大な物語が繰り広げられる。

『アラジン』(1992)

https://www.imdb.com/title/tt0103639/mediaviewer/rm749301504?ref_=ttmi_mi_all_pos_20

オリジナルの『アラジン』は、アカデミー歌曲賞を受賞するなど、大きな成功をおさめた。
1990年代のディズニー映画は、『美女と野獣』(1991)、『ライオン・キング』(1994)、『ノートルダムの鐘』(1996)、『ムーラン』(1998)など、興行的にも批評的にも大成功を収め、大きな転換期を迎えていた。
この時代を‘‘ディズニー・ルネサンス’’と呼ぶのだが、『アラジン』はまさに黄金期を代表するアニメーションの一つとして、ディズニー映画の歴史を大きく変えた作品なのである。
その後、ビデオ作品として『アラジン ジャファーの逆襲』(1994)、『アラジン完結編 盗賊王の伝説』(1996)と2本の続編映画が製作され、完結編へと続く『アラジンの大冒険』というTVアニメシリーズも存在している。

現代らしいメッセージ性を帯びた‘‘新しい’’『アラジン』

そして、2019年に待望の実写版『アラジン』が公開となり、全ディズニーファンが意気揚々と劇場に足を運んだのだ。
しかしながら、これはあくまでも良い意味でなのだが、実写版『アラジン』はオリジナルとは少し異なる作風が目を引く作品でもあった。

『アラジン』(2019)

https://www.imdb.com/title/tt6139732/mediaviewer/rm974349056?ref_=ttmi_mi_all_pos_370

心優しき盗人の青年・アラジン(メナ・マスード)が、ひょんなことから、アグラバー王国の王女・ジャスミン(ナオミ・スコット)と出会い、恋に落ちることから始まる。
その後、王国の支配を目論むジャファー(マーワン・ケンザリ)の罠にハメられるも、魔人・ジーニー(ウィル・スミス)が宿った魔法のランプを手にしたことから、アラジンの人生が好転し始める・・・という、その大まかなストーリーラインはオリジナルのそれと大差ない。
しかしながら、時代に合わせて、随所に現代らしいメッセージ性を帯びた内容に変化している印象を受けるのだ。

『アラジン』(2019)

https://www.imdb.com/title/tt6139732/mediaviewer/rm1950442752?ref_=ttmi_mi_nm_sf_7

近年、ウォルト・ディズニー・スタジオは、『マレフィセント』(2014)、『シンデレラ』(2015)、『美女と野獣』(2017)、『プーと大人になった僕』(2018)など、世界に誇る自社製の名作アニメーションを実写版として新たに世に送り出している。
そのどの作品にも共通することは、やはりオリジナルの世界観を大切にしながらも、‘‘新しい’’作品を作り上げている点だ。
『アラジン』に関しても同様のことが言え、主人公のアラジンばかりでなく、ジーニーやジャスミンなどのバックグラウンドにより焦点が絞られている印象を受ける。
「男性に屈しない」女性像の構築を初めとしたあくまでも‘‘自由’’を最大のテーマとしているなど、多様性が求められる現代社会だからこそ成しえたところでもあるのだろう。
ラストに関しても、オリジナルとは大きく異なり、また違う印象を受けること請け合いである。

フレッシュなキャストの歌声に聞き惚れる!

実写版『アラジン』で主演に抜擢されたのは、今後に大注目のエジプト出身俳優メナ・マスード。

『アラジン』(2019)

https://www.imdb.com/title/tt6139732/mediaviewer/rm1765893376?ref_=ttmi_mi_nm_sf_9

約2000人のハリウッドの有望株たちが参加したオーディションで抜擢された彼は劇中で抜群のパフォーマンスを披露する。
主にTVドラマで活躍してきた彼にとっては、初の大作映画ということになるのだが、そんな大役に臆することなく、まるでアニメーションの世界から飛び出してきたかのようなアラジン像を体現して魅せる。
キレのあるダンスの数々は圧巻だ!

王女ジャスミン役に扮するナオミ・スコットもまた次代を担う若手女優である。

『アラジン』(2019)

https://www.imdb.com/title/tt6139732/mediaviewer/rm32006144?ref_=ttmi_mi_nm_sf_14

強き女性像を体現した圧倒的存在感を放つ彼女は、オリジナルでも作曲を担当したアラン・メンケンによる新曲‘‘Speechless’’を披露している。
ジャスミンが自らの生き方や考え方を貫き通すことを歌ったインパクトのある1曲なのだが、ナオミ・スコットのパワフルな歌声と力強い歌詞が相まって、鳥肌ものの新たな名曲が誕生。
実写版『アラジン』に新たな魅力をもたらしている要因こそが彼女にあると言えるだろう。

そして実写版『アラジン』で忘れてはならない存在が、もう一人。ランプの魔人・ジーニー役を演じるウィル・スミスだ。

『アラジン』(2019)

https://www.imdb.com/title/tt6139732/mediaviewer/rm4283668993?ref_=ttmi_mi_nm_sf_2

オリジナルでジーニーの声を担当したロビン・ウィリアムズを彷彿させるコメディ演技はファンも納得の出来栄えで、自らの歌唱力も遺憾なく発揮している、これ以上ないキャスティングだったと言えそうだ。
2010年代に入ってから、出演作に恵まれていなかった印象のウィル・スミスが見事なカムバックを果たした作品と言っても過言ではない。

1992年のアニメーション版でも作曲を担当したアラン・メンケンが、オリジナルの楽曲をアップデートし、新曲まで加えて構成した、実写版『アラジン』。
オリジナルのファンも大いに納得の‘‘新しい’’『アラジン』をこの機会に堪能してみてはいかがだろうか?

ディズニー映画『アラジン』は、2021年5月21日「金曜ロードショー」にてテレビ初放送!

(文・構成:zash)

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